銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

日本に今必要なのは「聴竹居」のような住宅である

2017年09月27日 | Hの生きる喜び、それは

「環境共生住宅」

環境に適合した住まい・・・
今の時代であればそんなに珍しい言葉ではありません

ところがこの「環境共生住宅」を昭和初期に作り上げた人がいます

それが藤井厚二(ふじいこうじ)

「日本の気候は、冬の寒さは何とか乗り切れる
厄介なのは、夏の暑さと湿気
住宅建築において、この暑さと湿気を制するのが重要だ」と
「日本の気候と風土に適した」住宅を追い求めた建築家です

もともと、藤井家は地元広島県福山市では大変有名な豪商で、
造酒屋「くろがねや」の他に、広大な土地と莫大な金を持ち、金融業も行っていました

つまり、大金持ち

何度も自邸を建て、5軒目の住宅が完成、それが今回訪れた「聴竹居」(ちょうちくきょ)です

この時代、5回も自邸を建てかえる財力とはよっぽどのもの
建築家としてのプライドもあったに違いありません


今は、京都府大山崎町の閑静な住宅地の中に静かにたたずんでいます

この夏に、テレビ東京「美の巨人たち」で紹介され、
今年6月には重要文化財に指定され、話題を集めているのか、
この日も予約見学者でいっぱい

それでも建物保護の観点から、指定期日の指定時間に
人数制限をして、完全予約見学制をとってくれているので、
人混みを気にすることなく、ゆっくり見学できます

写真を撮影できなかったので、皆さまに聴竹居のスゴさをうまくお伝えできず心苦しいですが
とにかく「エコ住宅」のひとことでは片づけられないほど、素晴らしい住宅

よくぞ、昭和初期にこれだけモダンな家を建てられたのかと思うほど、
シンプルなデザインがきらりと光る、家具や調度品

家の中心に居間があって、周囲に台所や読書室、和室や縁側が配置されていて、
扉をあければひとつの大きな空間になり、家族皆が集える場にもなります

太陽の角度から日照りを計算し、屋根の勾配と庇の長さ、床の高さまで考えられています
夏場に地中の土管で外気を冷やしてから室内に取り込む仕掛けがあります
日の入る量とプライバシーを考えて、ガラスにまで趣向を凝らしてあります
語り尽くせないほどの工夫が散りばめれてあり、脱帽するばかり

現代なら、加湿器、除湿器で調整する湿度を
住宅自身が調整できる、まさにエコ住宅の集大成

「あれは?これは!?」と、好奇心をくすぐる仕掛けに驚かされっぱなしの見学

皆さん、感心のあまりため息の連続

見ているだけではなかなか気付けないこともありますが
1時間びっちり案内付なので、よく理解できました

日本の住宅に必要なのは優しい人の絆を感じ、
四季折々の自然(気候や風土)を生かした暮らし

藤井が実験住宅と呼んだ「聴竹居」は、現代の私たちが忘れかけている
大切なことを思い出させてくれました

帰り際、ボランティアスタッフさんに「また来ますね!」と言うと
「もう今からだと予約取れないんじゃないかな
希望者がいっぱいであふれているぐらいだから・・・」

のお言葉を遮りながら「次、もう予約お願いしています」とにんまりする私

どうやら、見学者があまりに増えると建物が傷むので
今後は今以上に予約制限をかけていくかもしれないとのこと

この機会を逃す手はありません、ぜひ、ご参加ください

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 *11月7日(火)「聴竹居」と国宝「待庵」見学
 ご旅行代金 15900円
(詳細お問い合わせください)

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さて、突然ですが、
銀のステッキでは、スタッフを募集します。
当社のホームページをご覧の上、
業務内容にご興味を持っていただいた方は、ぜひ、お問い合わせください。
詳細は、面談にてじっくりお話させていただきます。
「旅が好き」「やる気がある」「見聞欲旺盛」「創作力がある」方、歓迎!
でも、本当は、今、当社に足りない力を求めます!
それが何かは、わかりません。
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バス旅行、オーダメイド旅行のご相談は…
銀のステッキ旅行

TEL 0797-91-2260(平日9:00~17:00)
■銀のステッキは会員制の「旅サロン」を主催しています。
■公式ホームページ:http://www.gin.st.com

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平凡やな。

2017年09月24日 | T字路をまっすぐ行ってみたら

 

平凡とは、
「ここという優れた点もなく並なこと」

調べずにはいられませんでした。
・・・。

最近、ある人に面と向かって言われて、
ぐちを聞いてほしいわけではないんですが、
私に何かが刺さったのは間違いなく。

「平凡な私」
「平凡に見える私」

あまりうれしくない。


さてさて、
数ヶ月前、マルタ島に生徒さんとスケッチ旅行に行きたいので、
飛行機と宿泊場所を手配して欲しいと
絵の先生からお話をいただきました。

国内手配と少し勝手が違い、
不慣れな私は、先輩に聞き、手配先に聞き、ご提案。
質問されては、あっちとそっちと聞きまくり、返答。
手配先はプロなので、私も自信を持ってご提案をしているのですが、

何せ、知らないことばかり。

マルタ島ってどこ?

そんな時、手配先の方が事務所に来られました。
近々お客様のところへ訪問する予定だったので、

これはいい機会と、あれこれ聞いてると‥


その方、お話が終わった後、

『もっと知らなあかん。もっと貪欲に色んなものを吸収していかなあかんよ。

「知らない」ではなく、テレビでもなんでも見て、

イメージをつけて、できたら1度は足を運んで、、、うんぬん』

「平凡やな」
どこで言われたか覚えていませんが、ふたたび、ぐさっと刺さりました。

『お客様も何にも知らない人に(何も知らない顔をした人に)手配を頼むより、
自信満々の人の方が手配を頼みやすいやろ』


そうですね。

『僕も、マルタ島行ったことないから』

 

まず、平凡に見えない顔を目指せばいいのでしょうか。
いやいや、
平凡に見えて、何でも知っているひとを目指すことにします。

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 *10月13日(金)抽選に当選しました!詳しくはこちらへ。

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御守りっていうのは、確かに。

2017年09月23日 | 見かけだおしNのつぶやき

ライン始めました。

って、秋なのに店先によれた張り紙の

「冷やし中華始めました」状態ですね。

 

ヤイヤイ友人らに言われながらも、重い腰は上がらず。

だいたい、アプリが何かわからない、レベル。

業を煮やした、スタッフが、開設してくれたものの、、、

それを又、別の友人がいじりまわし、

ぷつん、と、どこかへ消え去り

結局、利用もせず、2年が過ぎていました。

 

では、ここにきて、重い腰をあげたのは、

海外に出た時に、すごく便利というシンプルな理由。

今更っ⁉︎

いくら添乗業務歴が長いといっても、

海外添乗は、いつもに増してナーバスになります。

 

そこへ、手配先の方が、ダイレクトに、こと細かに指示してくれると、

もう安心感が桁違い。

さらに、お客様がすでにライン登録者であることが急激に増え、

私ができないとエヘラ言うと、

なんだか不安そうな表情を浮かべられることも度々。

 

この表情、昔もよく見たなぁ。

旅行慣れを全面に押し出し、

海外でも国内旅行のような小さなカバン。

自分では良しとしていたのですが、

ある時、お客様から、

「添乗員さんのカバンはなんでも入ってると思わせてよ。

安心できるから」

そうでした、添乗員でした。仕事でした。

ドラえもんのお腹とはいかずとも、、、

 

そんな記憶をよみがえらせながらも、

 このたび一番の後押しになったのは、、、、

 

「ああ、この機種は3月までですね。」

まあまあ男前のお兄ちゃんに、

若干、ふっとバカにされたようにサラリ。

 

そう、長年愛用のタテ長携帯が、先日ついに

もう海外では利用できない宣告を受けたからです‼︎

これは、死活問題。

 

 

本日、スペインへと出発されるお客様から

プン!

届いたライン、、、

 

「ありがとうございます。

御守りを頂いたような感じで、ありがたいです。

何もご相談しなくて済むのが一番ですが、

困った時には連絡させて頂きます。」

 

あ、そうそう「御守り」なんですよね。

実は、こちらにとっても。

 

添乗員がつかない海外の手配旅行は、緊張の連続です。

が、こうして繋がっていると、

こちらの心の平穏にも繋がるというもの。

 

お二人での、スペイン周遊の旅。

ちょうど離陸した頃ですね。

行ってらっしゃい!


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夏を引きずる女

2017年09月17日 | Hの生きる喜び、それは

グラマラス(魅力的)なキャンプ、それがグランピング


キャンプという名のとおり、大自然を満喫
わずらわしい準備は何もいらない
いるのは「行こう!」という気持ちだけ、手ぶらで出発!
全部、向こうがやってくれて、夜はテントの中で快適に眠る
テントの中は、というと・・・

ふかふかのベッドがあって、じゅうたんが敷いてあって
冷蔵庫も、扇風機も電気ヒーターもポットも完備
電気も通っているので安心
タオルも歯ブラシも用意あり

ホテル並みの快適さです!

でも、ここはテントの中
夜は静寂と闇に包まれて、一歩外へ出ると、満天の星(晴れていれば)
朝晩のヒヤッとする冷気もキャンプならでは

うれしいことに、本館には温泉棟もあり、ポカポカにあたたまって眠れます・・・

最大の楽しみはみなで盛り上がるBBQ!

ここでも、用意は不要
このように、キャンプサイトごとに、全て用意があって、それを自分のサイトに運ぶだけ
必要なものは全部そろえてくれています

火をおこすところから準備するのも、初めての体験も方もあり楽しいもんです

「この野菜はこうやって切るとよく火が通るのよ」
「これは洗わずまるごと焼きましょ!」
「にんにくあるから、そうだ、アヒージョしよう!」「トマトをスライスしてカプレーゼもできるみたいよ」
「焼くのはまかして、さ、テーブルセッティング、どんどんやりましょ~」

と、さすが主婦のみなさん
何でも受身の、旅館やホテルと違って、ある部分は向こうまかせで
肝心なものは、こちら任せ
つまり主体的に動くことで、皆さん活き活きされておられます

「このナス、めっちゃふわとろやん!焼いただけ?なんで??」
「とうもろこし、めっちゃ甘いなあ、おいしいわあ」

単に焼くだけ野菜の旨みに、皆さん感激

その後、チキン、豚肉、牛肉とメインが続き、
デザートとして、焼きマシュマロも、これは定番ですね

何やかんやと大騒ぎしながら、ビールもはさみ、おしゃべりもたっぷりはさみ、
気づけば16:00頃からスタートしたBBQ、3時間も経っていました

それでもまだ19:00

「よし、じゃあ、花火しよう!!」とお客様のひとりが手花火セットを持参

「今って、花火できるとこないでしょう。武庫川の河川もやったらあかんようになったのよ、
だから、花火したくでもできへんから、今回はこの花火が目的!」

と、隣のサイトのこどもたちも誘ってぞろぞろみんなで花火大会

私もこの夏初の「線香花火」 チリチリ・・・ポトン

あ、夏が終わった・・・かも

最後は私ひとり勝手にしんみり

花火後は、夜遅くまでテントの中のお話は続いたようでした

翌朝は、るり渓遊歩道を散策したり、
たっぷり温泉を満喫してのんびり過ごされたり、
私は、朝、30分ほど歩いただけでこれだけの小鳥たちに出会えて、幸せいっぱい

夏休みに、最果てへ行き、荒涼たる風景に感動し、本当の大自然に触れた・・・つもりで
既製品のような自然に贅沢なキャンプって、何事?!
と、最初は受け入れがたかったのですが

なんの何の、

めちゃくちゃ楽しかったです

感心しました、時代のニーズをとらえたこの”グランピング”というシステム自体に
ほとんどが大学生で、BBQをみなでワイワイ楽しむのをメインに来ているようでしたが
お客様のような世代の方が、わずらわしい準備なく、
安心して泊まれてキャンプ自体の醍醐味はちゃんと味わえる
というのも、今の時代にあっているのでしょう

自分でもびっくりしましたが、夏を満喫、これは仕事なのか?
普通に楽しんで帰ってきました

いかにもキャンプ帰りの格好をして、午後から会社に出勤した私はまさに

「夏を引きずる女」でした

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3年ぶりの湖水地方とコッツウォルズ

2017年09月16日 | のほほん同志Aの日常

銀のステッキでは3年ぶりとなる英国ツアー。

公共のハイキングルートともいえる“フットパス”歩きを取り入れた前回は、
現地の地理に詳しいイングランドのガイドさんに案内してもらいましたが、
今回は観光中心ということで、ロンドン在住の日本人ガイド、
鈴木真紀さんに一週間にわたり行程をともにしていただきました。

まずはイングランド北部の湖水地方へ。
ここは『ピーターラビット』の絵本が生まれた地であり、
またイギリスを代表する自然詩人、ワーズワースが生まれ、
一生を過ごした地としても知られます。



(ビアトリクス・ポターが暮らした農場、ヒルトップ)







(大きなリンゴの木)


「私はロンドンに暮らして30年になるんですが、
 イギリス暮らしは二つに分かれます。
 殺風景な冬の3ヶ月に耐えられずに逃げ帰る人と、
 夏が気に入って居つく人と。」

想像してみて下さい、と、木漏れ日を浴びて走るバスで鈴木さんのお話はこう続きます。

「今はまだ日も長く、木々は青々として、秋の花も咲いていますが、
 これが11月に入ると、わずかな針葉樹を残して葉はすべて落ち、
 太陽も8時すぎにようやく昇ってきたかと思えば、4時ごろにはもう真っ暗になる。
 ロンドンのクリスマスは年々準備が早まっていて、
 今は11月から1月まで3ヶ月、ずっとイルミネーションです。
 そうでもしなければ、余りに暗くて寒くてやりきれないんですね。」

「でもそんな冬の気配が、2月に入ると変わるんです。
 2月といえばまだ寒い。クリスマスも終わって色彩がなくなる。
 でも、少しずつ日が長くなって、かれこれ2週間もすると、
 グレーのなかにいっせいに黄色い水仙が咲くんですね」。

といって、ワーズワースの最も有名な詩、「水仙」を朗読してくれました。

  谷また丘のうえ高く漂う雲のように
  ひとり彷徨いいけば
  ふと目の前に広がる一群の
  黄金色に輝く水仙の花たち
  湖のほとり、木立の下に
  微風に翻りつつ、はた、踊りつつ (後略)







(やがてやってくる冬に備えて…)



湖水地方に3連泊したのち、列車にも乗りながらコッツウォルズ地方へ。







(ウィリアム・モリスが「最も美しい村」と讃えたバイブリー)



(宿泊した小さな町、チッピングカムデンの朝の散歩にて)



(葉っぱまで芸術のよう)


またコッツウォルズで訪ねたシェークスピアの街、
ストラットフォード・アポン・エイボンでは、こんな歴史を教えてくれました。

「シェークスピアが活躍した時代から遡ること50年ほど前に、
 イングランドでは英国国教会が生まれました。

 当時のヘンリー8世が跡継ぎを生まない妻を離婚しようとしたことから、
 離婚を禁止しているカトリックから離脱して
 国王をトップとする英国国教会を立ち上げたんですね。
 それは同時に、教会財産を国家のものにすることでもありました。

 そうして豊かになった国家財政で海軍を充実させていったイングランドは、
 スペインの無敵艦隊を打ち破り、繁栄を極めていく。
 そうしたなか、ロンドンでは娯楽や芸術が盛んになり、
 当時もっとも人気を集めたのが観劇だったんです」。

――なるほど、シェークスピアの類稀な才能を大きく開花させたのは
時代であったということなんですね。

(メモも取らず、私のうろ覚えなので、間違っていたらごめんなさい!)



(シェークスピアの妻、アン・ハサウェイの生家)



 そして最終日。

「皆さん、ここまで観光をなさってきたわけですが、
 観光とは『光を観る』と書きます。
 光とは、人がつくった文化や文明のことです。
 そして私の仕事は、その光に、一見何でもない風景や見過ごしがちな事物に
 スポットライトをあてることだと思っています」。

イングランドの田園風景とともに、
鈴木さんの心地よい声が記憶に残る9日間でした。


(おまけ)

あれこれに語らせたがる英国人。





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