銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

食事のあとに、ため息ひとつ

2013年05月31日 | のほほん同志Aの日常
繁忙の5月が終わり、
今日は久々に全員が顔をそろえました。

5月末の区切りの日ということもあり、
事務所の掃除をしたあと、皆で食事にでも行こうかという話に。

金曜の夜、予約もせず…だったこともあり、
お目当ての店は2軒とも満席で、入れずじまい。

断られてきびすを返しながら

「今の店、断るときの対応がいまひとつやった」

と、思わずダメ出ししていました。

自分が客になったときの、
お店の対応にやたらと手厳しい…

自分でもいやらしいな、と思いつつ、
これが私たちの職業病です。

仕事柄、分不相応に高級な
レストランや料亭、ホテルに出入りする機会が多く、
「一流」のサービスや味を垣間見ていることも
この職業病に拍車をかけているかもしれません。

旅を企画する者として、「食」は常に大きなテーマです。

アンテナを張り巡らし、
今日は美味しいと評判の小料理屋へ、
明日は洗練されたレストランへ…とご案内しながら、
実は私自身はいつも、ちょっとした違和感を覚えています。

ネットに氾濫する情報を見るまでもなく、
こと「食」に関しては、「一億総評論家」状態です。

レストランでフレンチをいただきながら、
「ここいまいちね。でも、どこそこのお寿司は最高よ」
とこんな具合に話が盛り上がるというのも、よくある風景です。

でも、食事ってそんな、
美味しいだの、もひとつだの、
サービスがどうだのこうだのと、
ただ受け身に論評するだけのものでしょうか。

もっと積極的に楽しむものでは…なかったっけ?

美味しい食事、といったときに私が思い出すのは
どこそこのレストランのお料理ではなく、
誰かと一緒に、何かを食べたり飲んだりした時間です。

気の合う人と、リラックスしてお喋りしながら食事とお酒を楽しむ。
戴いているお料理をさらに美味しくしてくれるスパイスは、
きっと、そのとき交わした会話や気持ちだと思うのです。

…とそこで、今日のお食事会に話は戻ります。
偶然見つけて入った、通りすがりのイタリアンのレストラン。
お料理は、とても美味しかったです。

でも、そのお料理にプラスαのスパイスで
「美味しい食事」に仕上げることができたかどうか。

いや、いつもの職場の延長で、説教モードになっていたような…。

レストランを出てから、そそくさと退散する2人の背中を見ながら、
なんだかなぁ…とため息が出ました。

*****************************************
貸切バス・オーダーメイド旅行のご相談は…
銀のステッキ旅行
TEL 0797-91-2260(平日8:30~17:00)
■公式ホームページ:http://www.gin-st.com
■銀ステ旅先案内人:http://ameblo.jp/arailuka
*****************************************

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カセットコンロの底力

2013年05月30日 | のほほん同志Aの日常
「グラッパとボンシイクの饗宴」
きのうはそんな小旅行へ出かけてきました。

訪ねたのは、大阪と奈良の県境にある柏原市、
河内ワインのふるさとです。

大正期からワイン作りに取り組まれていたカタシモワイナリーさん。
ぶどうの蒸留酒、グラッパの生産に
国内で初めて取り組まれたことでも知られます。

こちらの歴史的なワイン蔵がこの日は厨房兼レストランに早変わり。
八尾のレストラン「ボンシイク」のシェフが出張してくださり、
目の前でできあがるお料理と、
選りすぐりのワインを楽しむ…と、そんな企画。

実は、柏原市に到着するまでのバス車中では
お客様からこんな心配の声があがっていました。

「ワイン蔵ってことは、調理器具も何もないところなんでしょ。
 そんなところでどうやってお料理するの?」

「ケータリングみたいな感じになるの?
 ケータリングだと、冷たいものはぬるく、
 温かいものもぬるく、出てくるよね…?」

むむむ…と、私も答えにつまっておりました。

私自身は銀のステッキからの旅行で
カタシモワイナリーさんにも、
ボンシイクさんにも何度もお世話になっており、
そのワインとお料理の素晴らしさは、よくよく承知しております。

けれども、両者は車で30分の距離。
所せましとワインが並ぶ蔵の様子も知っているだけに、
そのワイン蔵での「出張料理」が、どのような形になるのか、
正直???でした。

この心配は、まったくの杞憂に終わりました。

貯蔵庫の大きな扉を開けると…
「きのう総出で、こちらの蔵のものを別の蔵に移したんですよ」
と仰るとおり、ひんやりした空気が心地よい、
見事なオープンキッチンのレストランがお目見えしていました。

羨ましがられることを承知で
メニューをご紹介させてください。

■ご挨拶の一皿

■完熟トマトに詰めたズワイガニのサラダ
 ハイビスカスとトマトコンソメのエキューム

■季節のお野菜のパレット

■真鯛のポワレ
 甘夏としょうがのソース

■70℃でゆっくり加熱した黒毛和牛のヘレ肉のロースト

■蜂蜜のアイスクリーム

■ぶどうの若葉のお茶

これだけのお料理が
「冷たいものは冷たく、熱いものは熱く」供されるのです。

調理台に立つ若きシェフの前には、
家庭用のカセットコンロ4つ。

即席の厨房から、絵のように美しい一皿ができあがり、
それがほとんど時間差なく、全員の前に並べられる様子は
まるで魔法か何かのようでした。

お互い表現力ないですよね~とお客様と笑いながら
一口食べては「おいしい!」「おいしい!」と連呼。

そして、お料理にあわせてグラスには、
シャンパン、白、ロゼ、赤、グラッパ…と
次々と美しい色の液体が注がれ――
まぁ、これを幸せと言わずして何と言いましょう。

「こんな添乗なら毎日きたいです!」

思わず出た言葉に、ワイナリーさんからは
「こんなこと、毎日、ようせんわ!」
と、即座にかえされましたが。


<追記>

一夜あけて今朝。
こんな添乗が毎日つづくはずもなく、今日は地味に事務所へと出勤。
きのう調子にのりすぎたのか体が重く、悪寒もするので
夜は台所のガスコンロで冷凍うどんを温めて食べました。
カセットコンロの方が何百倍もご馳走だった…と思いながら。


*****************************************
貸切バス・オーダーメイド旅行のご相談は…
銀のステッキ旅行
TEL 0797-91-2260(平日8:30~17:00)
■公式ホームページ:http://www.gin-st.com
■銀ステ旅先案内人:http://ameblo.jp/arailuka
*****************************************


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雨に輝く芦生の森

2013年05月29日 | Hの生きる喜び、それは
-分け入っても分け入っても 青い山-

種田山頭火の俳句が思い浮かびました
京都府南丹市美山町芦生(あしゅう)原生林

入山制限あり、事前予約制の森を歩いてきました

「美山」なんて、これほど美しい地名があるでしょうか
まさに、その名の通りの山(森)なのです

歩いても、歩いても、
どちらを向いても青い山の深い森

何度行っても、この森には癒されます


山頭火の俳句には、どうしようもない孤独が感じられますが
そこは芦生とは違います

足元はふかふかの土と落ち葉のじゅうたん
見上げれば、折り重なる無数の葉
あちらもこちらも巨木の森
さらさらと、清い水の流れ
あ、小鳥の鳴き声でしょうか キョロロロロ・・・
足元には、小さな命がたくさん
大きな殻を背負ったかたつむりに
ピョン・・・ 周囲の色ど同化したチビガエル
何気ない水たまりにだって、アメンボや
モリアオガエルの卵が 命を育んでいます

あー、なんて素晴らしい森
芦生は何度も来ています
その度に、森で生きる様々な生命に癒され、
生きるパワーをいただき、身体が浄化されていきます

心が すーッ

と、するのです!

この度は、雨でした
「明日、雨よね・・・」「せっかくなのに、残念だわ」
前日の確認電話をする際、がっくりとくるお客様に

「芦生は雨の時こそ、より一層輝くんです」と

雨に濡れて輝く葉、しっとり潤うコケ
雨水を、どくどくと飲むように吸い上げるブナの木
雨の時しか見られない、雨に喜ぶ森の姿がたくさんあります

ですから、私は雨の森歩きが大好きなんです

充実の4時間、雨の芦生森歩き
また、癒されてしまいました

さて、ここからが大変です
芦生を歩いた人はみな、厄介な病気にかかってしまいます

「芦生病」

症状:
「芦生が大好きになっていまい、抜け出せなくなること」
「毎シーズン芦生に来ないと落ち着かなくなること」

薬:
 今のところ、有効な薬はナシ

果たして、皆さんは大丈夫でしたでしょうか

終了後のアンケートを見ると、どうやら症状は深刻なようです
「秋にもまた企画して下さい!」
「次は別のコースを歩きたいです」
半数以上の方が、熱烈リクエスト

喜ぶ私は、もうとっくに慢性芦生病です

*****************************************
貸切バス・オーダーメイド旅行のご相談は…
銀のステッキ旅行
TEL 0797-91-2260(平日8:30~17:00)
■公式ホームページ:http://www.gin-st.com
■銀ステ旅先案内人:http://ameblo.jp/arailuka
*****************************************


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

出雲大社と萬斎さん

2013年05月28日 | のほほん同志Aの日常
時間が経ったのだなぁと思う出来事がありました。
(あくまで「時間」です。年をとったのだ、とは断固言いません!)

昨日まで訪ねていた出雲・松江でのことです。

初日に訪ねた出雲大社は60年ぶりの大遷宮のまっただ中。
それを祈念して行われる特設舞台での奉祝能・狂言が、
旅のハイライトでした。

出演されるのは、大好きな野村萬斎さんです。

もう…萬斎さんの舞台は何度みたでしょう。
関西での公演はのきなみ観に行き、
出演されている映画やドラマを買い集め、
それでも飽き足らず、役得を生かして
萬斎さんの舞台を追って旅を企画した、
熱い熱い季節がたしかにありました。

でも今回、出雲大社の特設舞台で行われた萬斎さんの舞台。
開演を前にご体調を崩されたお客様があり、
その方とご一緒に客席から退席しました。

以前の私であれば…、
お客様に付き添いながらも舞台が気になり、
きっと心中おだやかでなかったかもしれません。

でも今回は、少し離れたベンチにふたり腰をおろし、
落ちつかれた様子のお客様とお茶を飲みながら
新緑と風につつまれて、気持はとてもおだやかでした。

でも、その自分の落ち着きぶりに、
ひとつの季節が終わってしまったんだなぁ…と寂しくもありました。

過ぎていった時間は、「人」で記憶されるのだと思います。
そのとき隣にいた人。
何かを目指して同じ時間を共有した人。
一方的ではあっても、追いかけたり、見つめたりした人。

ふりかえれば、
中日ドラゴンズの立浪選手の季節(中学時代)が終わり、
テニスのボリス・ベッカーの季節(高校時代)が終わり、
そして萬斎さんの季節が終わったようです。

そして、今は…?

あぁ…年ばっかりくって、
ちっとも成長していない自分が恥ずかしい、です。


*****************************************
貸切バス・オーダーメイド旅行のご相談は…
銀のステッキ旅行
TEL 0797-91-2260(平日8:30~17:00)
■公式ホームページ:http://www.gin-st.com
■銀ステ旅先案内人:http://ameblo.jp/arailuka
*****************************************





  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ボンソワール、と、まあなりますね

2013年05月27日 | 見かけだおしNのつぶやき
s『パリに行きたい!』
と思ったのは随分むかし昔のこと
だいたい、人の欲求とはないものねだり、です?

まず、当時(学生時代)の私になかったもの
優雅さ、かな、あれ?これは今もですか??
とにかくパリに焦がれました

しょうもない当時の持論ですが、
「今は、身分相応の貧乏旅行、
それなりになったらヨーロッパに行くぜい!」

その頃、はいバブリー時代
女子大生の京都旅しっぽり、は
洒落た雑誌やメディアの流行り文句のひとつ

でも、気取ってはみても・・・
分からん
子供には、本当のところわからない場所でした
古都・京都とは!

少し大人になって、
自分のお金を無駄に使えるようになって、
私はやっとこさ
“京都しっぽり”を理解できるようになりました
なんちゃって、これもいい加減ですね

パリは、ちょっと背伸びして行くところ
そう、かつて私が大人な場所と感じた
京都のような場所なのです

それなりの優雅さも、結局持ち合わることもなく、
仕事柄のおかげで
パリに行く機会が何度かあります

意外や韓国に次ぐ最多訪問地になってきましたよ?!

さてパリです

初めて足を運んだ時の記憶
もう、全てがモノクロフィルムでした
そこにいるだけで揺らめく高揚感

街にいるだけで、幸せ
これはこの街ならではないでしょうか

学生時代にとりあえずハマる
アングラ世界
たとえば、90年代、
『ポンヌフの恋人』は大人をきどるための
大切な模範映画でした

その頃、ちょっと、気になる人がハマっていました
もちろん、おきまりの村上春樹は必須アイテムでした

朝からビールとハムサンドを何度試したことでしょう
若かったのです

話戻り、そのポンヌフ橋に立った時の胸の高まり・・・
もはや、ただの変哲もない橋なのに感動でした
それは、まさに陳腐なまでに

今回は、なんと3年前にご一緒した
同じお客様での出発!
(会社の発展速度(スローすぎ!)を暴露するようですが)

以前は他人同士でも、いまではすっかり・・・
「しかしお宅の会社、発展してないなぁ~同じ面々か」と
揶揄されながらも!!??
でも、楽しい旅になりました

時差ボケにて、全くオチも文脈もない、このブログ・・・
スミマセン
次回は【優雅な大人の巴里の旅】
しっかり報告をいたします

とりあえず、また現実に戻ってきました!
報告まで

なんだか異常に眠いのでした

*****************************************
貸切バス・オーダーメイド旅行のご相談は…
銀のステッキ旅行
TEL 0797-91-2260(平日8:30~17:00)
■公式ホームページ:http://www.gin-st.com
■銀ステ旅先案内人:http://ameblo.jp/arailuka
*****************************************


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする