先週、スイスから帰ってきました
旅の報告を・・・と思ったのですが、言葉では表せない絶景でした
この写真を見ていただければ一目瞭然
恐ろしいほどに、快晴が続き、
見えなかった山はなかったぐらい、毎日アルプスの名峰を眺めて過ごし、
今が盛りと咲き誇る、高山植物の花畑の中を歩き続け、
大きなトラブルに巻き込まれることもなく、平和な日々の中、
歩き終わった後の、とりあえずビールで乾杯!を楽しみ・・・
私の貧相な語彙では、もうこれが限界
報告は以上です!
・・・と言ってしまいたいところですが、
そうそう、ミューレン村で思い出深い一夜がありました
そこは崖の上の小さな村
ホテルも数軒しかなく、宿泊したホテルも、素朴で小さく可愛いもの
ホテル正面なら眺める、アイガー・メンヒ・ユングフラウの三山が何よりのご褒美
今晩も、夕食時の乾杯!を楽しみにしながら皆さまが集まってきました
まず、ワインにビールを注文するために呼んだウェイトレスの女性は、
新人の子らしく、私たちの質問に困り顔
「ボスに確認してきます・・」と呼びにいったボスは、
ムッチムチでぽっちゃり体型の小さな女性
膝上の超ミニスカートをはき、くねくねしながら歩いています
でも、迫力ある顔つきは、いかにも「ボス」
にこにこしながら近づいてきて、
「あ~ら日本の皆さん、ワインにお悩み?
これなんて最高よ、あ、こっち?これは、わ・た・し・のワイン。仕事終わりに取ってるのよ~」
と、まさか日本語を話しませんが、訳すとすれば、おそらくこんな感じになるはず
(私の思い込みかも)
大げさな身ぶり手ぶりで伝えようとしてくれる姿は、まるでピエロ
私たちの会話が途切れて静かにしていると、どこからともなくやってきて
「お料理、お料理、あら、ここね」と言って、
お客様の頭の上で、塩・こしょうのビンを振る真似をして、料理の仕草
人によったら不快なことこの上ないのですが、
なぜか、彼女がするとチャーミング
ムチムチの身体とその仕草が何とも愛らしくて
私たちは、彼女が一気に好きになりました
「こっちに来てくれないかなあ」
「彼女、日本に持って帰りたいね」
なんて冗談で言ってると、
「あら~ごめんなさいね、私には愛すべき夫と、ふたりの幼い子どもがいるから、
日本には付いていけないわ」 ―投げキッス
でも誤解しないで下さい
彼女はレストランフロアの「ボス」です
誰よりも機敏に動き、よく働き、全てのテーブルに目を配らせています
新人の子に注意しつつ、もちろん、私たち以外のテーブルにも
同じ調子でサービスを届けに行ってくれています
さて、この日のメニューは楽しみにしていた「チーズ・フォンデュ」。
ようやく本場チーズフォンデュが食べられる!
そう期待していただいたひとくち
―しょっぱ!しかも、お酒きつッ
全体的に濃い味付けの多いスイスの料理は、薄味に慣れている日本人には
ちょっと塩辛すぎたのです
さらに、白ワインがきつくて、、
―でも、これがスイスの本場の味なのかなぁ
そう思い込んで食べ進めますが、煮詰まるにつれ、どんどん味が濃くなり、ギブアップ
半分ぐらい食べたところで彼女に報告を、と思い
「日本人にとったら、コレ、ちょっと塩辛すぎたよ」
そうすると、彼女は、スプーンを取り出し、煮詰まったチーズをぺろりと舐めて
うん、うん、とうなづき、無言でサッと鍋をひき、数分後、
作り直した新しいチーズフォンデュを持って来てくれました
「もう一度食べてみて、どう?」
―うん、まろやかになってる、美味しい!
先ほどのチーズフォンデュとは全然違います
皆さまも、これなら食べられる、と再び食事が始まりました
すると、今度は本当の“ボス”(ホテルのオーナー)が私たちのテーブルまでやって来て
「チーズフォンデュの味が合わなかったようで、大変失礼いたしました」
「スイスのチーズ自体、本来塩辛いもので、最初のお鍋には、チーズを
白ワインとキルシュ(さくらんぼの蒸留酒)で煮込んで作っておりました、
それが本来のチーズフォンデュです
塩辛いということでしたので、白ワインとキルシュを使わず、
チーズのみで作り直してみましたが、いかがでしたでしょうか」
ここまで説明してくれると、納得です
誠意すら感じます
彼女は、私たちの意見とリクエストを聞き、即座に新しく作り直し、
さらにホテルのオーナーにこの一件を連絡してくれていたのです
私たちを楽しませ、笑わせ、全てに目を配らせ、意見を素直に聞き、すぐ行動に起こす
崖の上の小さな村の、小さなホテルのレストランの“ボス”と
ふたつのチーズフォンデュの味が、今となってはスイスの一番の思い出かもしれません
山と花の写真はいっぱい撮りましたが、
彼女の写真を撮らなかったことが、一番の失敗です
本当に楽しんでいる時は、写真を撮ることすら忘れてしまうのかもしれません
ご勘弁を
******************************
チケットのご案内です。
12月4日(日)「桂文珍 兵庫大独演会」
ぜひ、お問い合わせください。
******************************
バス旅行、オーダメイド旅行のご相談は…
銀のステッキ旅行
TEL 0797-91-2260(平日8:30~17:00)
■銀のステッキは会員制の「旅サロン」を主催しています。
■公式ホームページ:http://www.gin-st.com
**********************************