銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

やさしさは大切 悲しみは美しい

2016年07月31日 | 見かけだおしNのつぶやき

『おかあさん、ぼくがうまれてごめんなさい』

 

ごめんなさいね おかあさん

ぼくが生まれて ごめんなさい

ぼくを背負う かあさんの

細いうなじに ぼくは言う

ぼくさえ 生まれてなかったら

かあさんの しらがもなかったろうね

大きくなった このぼくを
背負って歩く 悲しさも
「かたわの子だね」とふりかえる
つめたい視線に 泣くことも
ぼくさえ 生まれなかったら ー息子より

わたしの息子よ ゆるしてね
わたしの息子よ ゆるしてね
このかあさんを ゆるしておくれ
お前が脳性マヒと知ったとき
ああごめんなさいと 泣きました
いっぱい いっぱい 泣きました
いつまでたっても 歩けない
お前を背負って 歩くとき
肩にくいこむ重さより
「歩きたかろうね」と 母心
“重くはない”と聞いている
あなたの心が せつなくて

わたしの息子よ ありがとう
ありがとう 息子よ
あなたのすがたを 見守って
お母さんは 生きていく
悲しいまでの がんばりと
人をいたわる ほほえみの
その笑顔で 生きている
脳性マヒの わが息子
そこに あなたがいるかぎり ー母より

ありがとう おかあさん
ありがとう おかあさん
おかあさんが いるかぎり
ぼくは 生きていくのです
脳性マヒを 生きていく
やさしさこそが、大切で
悲しさこそが 美しい
そんな 人の生き方を
教えてくれた おかあさん
おかあさん
あなたがそこに いるかぎり ー息子より

 
作:山田康文


ひとに感情がある限り、

うろえたり、いちりつではいかないことばかり。

だって、皆に平等に心って厄介があるから。

ちゃんと取捨選択する強い力が必要なんでしょうね、今は。

難しい時代です。 

*****************************

チケットのご案内です。

9月4日(日)「スーパーキッズ・オーケストラ2016」

12月4日(日)「桂文珍 兵庫大独演会」

ぜひ、お問い合わせください。
******************************
バス旅行、オーダメイド旅行のご相談は…
銀のステッキ旅行
TEL 0797-91-2260(平日8:30~17:00)
■銀のステッキは会員制の「旅サロン」を主催しています。
■公式ホームページ:http://www.gin-st.com 
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銀ステ夏の風物詩

2016年07月27日 | 見かけだおしNのつぶやき

以前、ある知り合いの旅行会社の社長が言ってました。

 

難しい列車の切符の手配は、

社内総出で、ただ他人より(鉄ちゃんより)早く並ぶだけ、と。

ほんまに儲けようおもたら、大手さんが煩わしと思うこと俺らはするだけやで!

 

私、結構びっくりして、

ええ?旅行会社なのに?

なんかコネクションとかないの?

仕入れルートとか?

 

その社長、

「俺も並ぶよ、今でも早朝に!」

 

大手さんのことは知りませんが、中小企業なら、

やっぱり人海戦術ってことでしょうか。

 

でも、それなりに中堅の旅行会社(その社長の会社)でも、

売れる(プレミアム)切符には、涙ぐましい努力あってのたまものと、

その時知りました。

 

実は、このことがずっと心にありました。

鈍くさくって、今時ではないのですが、

早朝から長時間並んで、

しかも、小さな会社で、ほぼ全員出動。

この間、業務は完全停止でしょう。

 

でも、大切にしてきました。この日、この時間を。

はい、毎年夏の恒例行事「大曲の花火大会」の、

新幹線の指定席確保。

 

全国でも人気の花火大会。

つまりは帰りの人出もすさまじい、、、でも当社では、

新幹線で楽々帰途へ。

そう、これが、売りなので、是が非でも、新幹線の指定席ゲットが必須条件。

なので、毎年、売り出し日は、会社及びその家族を巻き込んで、

JRの駅にスタンバイ。

10:00きっかりに駅員の方に、必死の形相で依頼をかける、

銀ステ夏の風物詩です。

 

今年初めて参戦した新人スタッフ。

「どうだった?」と聞くと、

「私だけ駄目でした、、、」

やや申し訳なさそうに・・・

 

「でも楽しかったでしょう?」

「あ、それが、あ、はい、タノシカッタです」

ここは、何やら嬉しそうでした。

 

あっけなくネットで取れるチケットもあれば、

こうして、2時間近く並んで手に入るチケットもある。

 

昔あの社長が言ってたことを、今日またしみじみ。

白髪混じりになった彼、さすがにもう早朝から本人は並んではないでしょう。

でも、なんかわかるんですよね、彼の言ってたこと。

 

今日、昼前に事務所に戻ってきたスタッフの晴れ晴れした顔。

思いがけず取れ過ぎたようで、やや申し訳なさそうな感を出しつつ、

タップリ2時間、どうせくだらない話をずっとしてきた

「親密感」は隠せませんでした。

やっぱり皆がニヤついていました。

 

昨日遅くに原稿入稿が終わり、ホッとしているなか、

珍しく、スタッフ4人で、しかも早朝から、大阪駅の

鉄ちゃんさえもいない窓口に並んできたのです。

バカ話で盛り上がっていた様子が浮かびます。

 

仕事がら、いえ会社の規模からが正しいでしょうが、

忙しい時期は、スタッフが顔をあわせることも少なく、

あわせても、せっかくだからと厳しい話をついつい、これは私。

多分、今日はすこぶるリラックスのなか

皆が楽しんで(親睦を深めて)きたように思ったのです。

これが一番の収穫だったりして。

違う?

 

なんと、今年は豊作です。

無事チケットを確保しました!

すでに大曲の花火大会にご予約いただいている方はもちろん、

今から検討、、、なんて方も、

花火見物の後も、疲れ知らずで悠々新幹線で帰路へつくことのできる

銀のステッキのツアーへ、ぜひお問い合わせください。

お席ご用意できます。

大曲花火のツアーはコチラをクリック! 

来年なんて、鬼が笑いますよ、

今年こそ、 BS観賞ではなく、本物を見ましょう!

ご予約をお待ちしております。

「私は腰が痛いんだから、あんたらで頑張ってよ!」

「あっ、はっハイ。でも私にできるでしょうか・・・」

「私は毎年耳タコ聞いてるから、今年は、聞こえないふり、、、クワバラクワバラ」

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チケットのご案内です。

9月4日(日)「スーパーキッズ・オーケストラ2016」

12月4日(日)「桂文珍 兵庫大独演会」

ぜひ、お問い合わせください。
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白夜のアビスコ 沈まぬ太陽のもとで

2016年07月26日 | のほほん同志Aの日常



(シラカバの新芽)


夜明けの早い毎日。
毎晩、目覚ましをふたつかけて寝るものの、
それより先に、カーテンの隙間からさしこむ薄日で目が覚める。
これが最近のわたしの生活です。
では、一日中、太陽が沈まない「白夜」のアビスコではどうだったかというと…。

出発前の説明会でのこと。
「アイマスクは持ってきてください。あちらは白夜で一晩中、真っ昼間のように明るいですから」と私。

――カーテンはないの?とお客様。

「あるにはありますが、申し訳程度のぴらぴらです。
夏が白夜ということは、冬至のころは太陽が一日中昇らない『極夜』なんですよ。
そんな冬を過ごす北欧の方にとっては、せっかくの太陽を遮るなんて、思いもよらないことなんです」
…と、これはアップデートされないままの十数年前の記憶でした。

ストックホルムから北へ1,100キロ。
スウェーデン北極圏のアビスコ国立公園は、私にとって初めて海外添乗で訪ねた土地です。
ぴらぴらのカーテンは、そのときの強烈な思い出でもありました。

さて今回、十数年ぶりの再訪となった白夜のアビスコ国立公園。
宿は前回と同じ、一軒宿の「アビスコ・ツリスト・ステーション」です。



ここは、南へと全長440キロにわたり続く「Kungsleden(王様の散歩道)」と呼ばれるトレッキングルートの起点となっており、
世界中のハイカーが訪れる地なのです。
だからでしょうか、記憶のなかの簡素な山小屋は、ホテル並みにとまではいきませんが、
ずいぶん快適に、おしゃれに、生まれ変わっていました。

毎日ニシンの酢漬けとジャガイモ料理のバイキングだった夕食は、
日替わりの洗練されたスリーコース・メニューになり、








パイプベッドだけがぽつんと置かれて病院の一室のようだった部屋は、
リニューアルされて木のぬくもりが漂い、テーブルにはティーセットまで。





(朝ごはんのバイキングも充実!)


さらには窓に申し訳程度にぶらさがっていたぴらぴらカーテンが――
海外からの宿泊客に不評だったのでしょうか、
立派な遮光カーテンに換わっていました。 

やれやれ、これで眠れる、と思うと同時に、一抹の寂しさも感じました。
便利さや快適さは、安易に「どこも同じ」に行きついてしまいますから。

さて、アビスコは今回のツアーのメインでしたから、3泊しました。
到着したその夜は雲が低く立ち込めており
(といっても、部屋で明かりをつけないでも本が読めるぐらいには十分に明るいのですが)
沈まない太陽は明日以降に期待…として、その日は皆さん、早めに休まれたようです。

翌朝、分厚い雲を割って、太陽と青空が出てきました。



日差しに誘われるように、キンバイソウやチョウノスケソウ、ベニバナイチヤクソウなど、
小さな花も足元でいっせいに咲いています。














そんななか、日暮れを心配することなく(次の日没は2ヶ月後です!)、花ざかりのハイキングを楽しみ、
早めにロッジに戻ってお隣の国フィンランド発祥のサウナを試し、そして夕食。
シャワーを浴びて、時計をみたら、午後10時すぎ。

太陽は、ややオレンジ色をおびてはきましたが、まだまだ高い位置にいます。
あと2時間後の深夜0時ごろには、太陽が地平には沈みきらずに、また昇りはじめる――
今夜はそんな「沈まない太陽」を見るチャンスです。

私の部屋は、ちょうど西側に面していました。
部屋の窓から太陽の動きを追うことができそうです。
カーテンは少し開けたままにし、目覚ましを11時45分に合わせてベッドに入りました。

――翌朝。皆さん、なんだか興奮気味。
「ゆうべお会いしたよね。あのあと、どこで見た?」
「いや、ぐるぐる林のなか歩いてたら迷いそうになって、あわてて戻ってきたんよ」
どうやら皆さん、沈まぬ太陽の写真スポットを求め、湖までいったり、丘にのぼったり、真夜中の散歩となったようです。
「散歩というより、まるで深夜の徘徊だったよね(笑)」
「ほんと。日本でやったら、通報されてエライことやわ」
深夜の徘徊? 通報? それって――いえいえ、午前0時のシンデレラ、とでもしておきましょう。

私はというと、「今晩こそは」と意気込んでカーテンを開けたままベッドに入るものの、
一晩中降り注ぐ日差しに眠りを遮られることもなく、夜中にセットした目覚まし時計もまったく役に立たず、朝までぐっすり。
(日本でなら夜明け前の薄明かりで目が覚めるのに…)
毎晩よく眠り、滞在中ただの一度も「沈まぬ太陽」を目にすることはありませんでした。

朝起きて、食べて、動いて、夜になったら寝る。
それが人間の営みの基本。
太陽が沈もうが、沈まなかろうが、まったく動じない自分の体に、ちょっぴり敬意を覚えたのでした。 


ワン!

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「エコ」という言葉の意味

2016年07月24日 | Hの生きる喜び、それは

皆さま、突然ですが、「エコ」という言葉の意味をご存知でしょうか

私が「エコ」という言葉を使うとすれば
トイレの電気は使っていない時は消す(Aさん気をつけましょう)!?
紙の印刷は裏紙を積極的に使う(心がけましょう)
クーラーの設定温度は下げすぎない(時々うちわでパタパタ・・・も)

と、資源を大切にする、という時に使います

調べてみると、ふたつの意味がありました
①「エコロジー(ecology)」:エコロジーとは生態学のこと
生物の生活や環境学との関係、つまり「環境に配慮している」という意味

②「エコノミー(economy)」:エコノミーとは経済のこと
環境と経済はつながっていて、どちらか一方だけが発展してもうまくいかず、
環境に配慮しつつ経済の安定を実現することで、
人々が安全で豊かな生活を送りたいという願いが込められている

なぜいきなりこんなことを言い出したかというと、
「エコツアー」という名のもと、銀のステッキでは自然に親しむツアーをご案内しています

年を重ねても、健脚でなくても、自然に触れる、楽しむことを忘れず、
怖がらずに一歩外へ足を踏み出してほしい

そんな願いをこめて案内しているのですが、今、ちょうど過渡期で、
もう一度「エコツアー」の概念や内容を見直そう、と

スタッフ全員で話合っているです

そもそも、「エコツアー」って??
ということがふと気になって、原点に戻ってみました

なるほど、環境に配慮した、という意味と、経済学から
人々の安全で豊かな生活、につながるんですね

「エコツアー」という言葉の元には「エコツーリズム」という言葉があります
「エコツーリズム」にのっとったツアーが「エコツアー」ということです
これは環境省からきちんと定義があり、

自然環境の他、文化・歴史等を観光の対象としながら、
環境の保全性と持続可能性考慮するツーリズム(旅行)のこと

この「持続可能性」というところがポイント
単に、自然に触れる、文化を学ぶ、ではなくて、
その貴重な自然や、伝統文化が次代に受け継がれていくことが求められているのです

農山漁村や地域の風土・文化等を訪ねるツアー、
少数民族の暮らしや文化・風土などを訪ねるツアー

実は、こんなのも全て「エコツアー」と呼べるのです

とすれば、銀のステッキでご案内しているツアーは、半分以上が「エコツアー」になりそうです

「滋賀県水口のかんぴょう干し」「和歌山県あらぎ島の棚田」「近江の権座」
「大曲の花火」なんてのも地域の文化ですし、「祇園祭」だってそう

行って終わり、見て終わりではなく、
そこでの暮らし知って、守っている文化を学んで、人々の思いを感じとって、
またそれを次の世代に引き継いでいき、生活を豊かにする

そう、そんなツアーをしたいのです!

ツアー(旅行)と経済学がつながるなんて、、、おもしろそう

あーでも、こうなると、「エコツアー」の見直しは一からで、手に負えなくなるので、
この辺でやめておきます

そんなことより、さっさと原稿を仕上げなくては!では。


日曜朝の楽しみ「さわやか自然百景」
今朝は尾瀬ヶ原でした。朝から幸せ。

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9月4日(日)「スーパーキッズ・オーケストラ2016」

12月4日(日)「桂文珍 兵庫大独演会」

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思い出のチーズフォンデュの味

2016年07月21日 | Hの生きる喜び、それは

先週、スイスから帰ってきました

旅の報告を・・・と思ったのですが、言葉では表せない絶景でした
この写真を見ていただければ一目瞭然

恐ろしいほどに、快晴が続き、
見えなかった山はなかったぐらい、毎日アルプスの名峰を眺めて過ごし、


今が盛りと咲き誇る、高山植物の花畑の中を歩き続け、

 


大きなトラブルに巻き込まれることもなく、平和な日々の中、


歩き終わった後の、とりあえずビールで乾杯!を楽しみ・・・


私の貧相な語彙では、もうこれが限界
報告は以上です!

・・・と言ってしまいたいところですが、
そうそう、ミューレン村で思い出深い一夜がありました

そこは崖の上の小さな村
ホテルも数軒しかなく、宿泊したホテルも、素朴で小さく可愛いもの
ホテル正面なら眺める、アイガー・メンヒ・ユングフラウの三山が何よりのご褒美

今晩も、夕食時の乾杯!を楽しみにしながら皆さまが集まってきました
まず、ワインにビールを注文するために呼んだウェイトレスの女性は、
新人の子らしく、私たちの質問に困り顔

「ボスに確認してきます・・」と呼びにいったボスは、
ムッチムチでぽっちゃり体型の小さな女性
膝上の超ミニスカートをはき、くねくねしながら歩いています
でも、迫力ある顔つきは、いかにも「ボス」

にこにこしながら近づいてきて、
「あ~ら日本の皆さん、ワインにお悩み?
これなんて最高よ、あ、こっち?これは、わ・た・し・のワイン。仕事終わりに取ってるのよ~」

と、まさか日本語を話しませんが、訳すとすれば、おそらくこんな感じになるはず
(私の思い込みかも)

大げさな身ぶり手ぶりで伝えようとしてくれる姿は、まるでピエロ

私たちの会話が途切れて静かにしていると、どこからともなくやってきて
「お料理、お料理、あら、ここね」と言って、
お客様の頭の上で、塩・こしょうのビンを振る真似をして、料理の仕草

人によったら不快なことこの上ないのですが、
なぜか、彼女がするとチャーミング

ムチムチの身体とその仕草が何とも愛らしくて
私たちは、彼女が一気に好きになりました

「こっちに来てくれないかなあ」
「彼女、日本に持って帰りたいね」

なんて冗談で言ってると、

「あら~ごめんなさいね、私には愛すべき夫と、ふたりの幼い子どもがいるから、
日本には付いていけないわ」 ―投げキッス

でも誤解しないで下さい

彼女はレストランフロアの「ボス」です
誰よりも機敏に動き、よく働き、全てのテーブルに目を配らせています
新人の子に注意しつつ、もちろん、私たち以外のテーブルにも
同じ調子でサービスを届けに行ってくれています

さて、この日のメニューは楽しみにしていた「チーズ・フォンデュ」。
ようやく本場チーズフォンデュが食べられる!
そう期待していただいたひとくち

―しょっぱ!しかも、お酒きつッ

全体的に濃い味付けの多いスイスの料理は、薄味に慣れている日本人には
ちょっと塩辛すぎたのです
さらに、白ワインがきつくて、、

―でも、これがスイスの本場の味なのかなぁ

そう思い込んで食べ進めますが、煮詰まるにつれ、どんどん味が濃くなり、ギブアップ

半分ぐらい食べたところで彼女に報告を、と思い

「日本人にとったら、コレ、ちょっと塩辛すぎたよ」

そうすると、彼女は、スプーンを取り出し、煮詰まったチーズをぺろりと舐めて
うん、うん、とうなづき、無言でサッと鍋をひき、数分後、
作り直した新しいチーズフォンデュを持って来てくれました

「もう一度食べてみて、どう?」

―うん、まろやかになってる、美味しい!

先ほどのチーズフォンデュとは全然違います

皆さまも、これなら食べられる、と再び食事が始まりました

すると、今度は本当の“ボス”(ホテルのオーナー)が私たちのテーブルまでやって来て

「チーズフォンデュの味が合わなかったようで、大変失礼いたしました」
「スイスのチーズ自体、本来塩辛いもので、最初のお鍋には、チーズを
白ワインとキルシュ(さくらんぼの蒸留酒)で煮込んで作っておりました、
それが本来のチーズフォンデュです

塩辛いということでしたので、白ワインとキルシュを使わず、
チーズのみで作り直してみましたが、いかがでしたでしょうか」

ここまで説明してくれると、納得です
誠意すら感じます

彼女は、私たちの意見とリクエストを聞き、即座に新しく作り直し、
さらにホテルのオーナーにこの一件を連絡してくれていたのです

私たちを楽しませ、笑わせ、全てに目を配らせ、意見を素直に聞き、すぐ行動に起こす

崖の上の小さな村の、小さなホテルのレストランの“ボス”と
ふたつのチーズフォンデュの味が、今となってはスイスの一番の思い出かもしれません

山と花の写真はいっぱい撮りましたが、
彼女の写真を撮らなかったことが、一番の失敗です
本当に楽しんでいる時は、写真を撮ることすら忘れてしまうのかもしれません
ご勘弁を

 

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