銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

権座は「ロマン」と「そろばん」

2016年06月05日 | Hの生きる喜び、それは

「私らの活動に必要なんは、「ロマン」と「そろばん」なんですわ

ロマン?


まさか、農家のおっちゃんから、「ロマン」なんて言葉を聞くとは思いもよらず・・・

昨日、近江八幡に日本で唯一残る「権座(ごんざ)」を訪ねてきました

権座って、ご存知ですか?
琵琶湖の東岸、西の湖に陸地から切り離された飛び地があり(島ではありません)
そこで水田が作られているのです
舟でしか行くことのできない「田んぼ」、それを権座、と呼ぶのです

「珍しい田んぼで、せやなあ、「棚田」やったら日本全国ありますやろ、
でも、権座、ちゅうのは、どこにもない、ここ琵琶湖だけですわ」

そう話し始めてくださったのは、
「権座・水郷を守り育てる会」会長の東さん

地元婦人会の皆さんが作ってくださった美味しい手料理と
幻のお酒「権座」をいただきながら、ざっくばらんのお話しでした

「昔ははこの飛び地がようけあって、それぞれに水田があって、
舟で田んぼに通う風景が当たり前やったんですわ
それが、戦後、食料増産のために干拓が行われて
今では、権座1ヶ所だけ

やっていけるのかって?
生産効率を考えたら、真っ先に休耕田になりますな
わざわざ、舟を何艘も並べて農機具を権座へ運んで、
収穫したものを、また舟で運んで。。。
労力とコストばっかりがかかって、
わずか1.5㌶の土地では、収益が出るほどに、作物もできませんわ。

せやけど、この風景が好きで
昔からの伝統的な農業スタイルを、ここで終わらせたらあかん
私らは、この権座を守っていこう、次の世代へ伝えていこうと
決めたんですわ」

「それが、私らの「ロマン」です」

そこまで一気に話してくださいました

地元の酒屋さんと協力して、ここ「権座」で穫れた酒米を使った
純米吟醸酒を作ったり

権座でコンサートを開いて、少しでも多くの人に
権座を訪ねてもらう機会を設けたり

地元の小学生の農業体験を受け入れたり、、、

権座を守りたい、知ってほしい、伝えていきたい、
という「ロマン」がどんどん膨らんでいったのです

農業を個人任せにしない、楽しく農業をする
権座は、個人ではなく、この地域の営農組合がチームとして経営しています

ひとり、ひとりが、前向きで、何より楽しく農業に取り組んでいる姿が
ありありと見えてきました

お話しをしてくださった、会長の東さん、権座を案内してくださった副会長の大西さん
そして、お料理を作ってくださった、婦人会の皆さん

そしてそして、食事中にお話しが盛り上がり
会長と福会長の呼びかけで、
地元の酒屋さんが、一升瓶を何本も担いで、急きょ駆けつけてくださったり、
佃煮屋さんが、品物を車いっぱい積んで、臨時店舗を開いてくださったり、と、

すごいチーム力を感じました

「けど、、、」

おっと、福会長のお話は続いていました

「ロマン(夢)があったら、何でもできる、でも実際は難しい
そこで必要なんは「そろばん」ですわ
ロマンを追いかけながら、裏ではそろばんたたいて現実を見る
ロマンとそろばん、どっちが欠けてもアカン、そのバランスが大切ですわ

そうやって、これからも、権座を守っていきたいと思てます」

ロマンとそろばん

どんな仕事にも当てはまります、私たち旅行業者は特に

まさか、権座のおっちゃんに教えてもらえるなんて・・・

ロマンがいっぱい詰まった権座をぐるりと田舟で一周させてもらいました
石垣が築かれています
昔の人がせっせと運び、築いた湖上の田んぼ

「この石垣を、これからも積み上げていきたいんです」

田舟で、会長がそう力強く仰いました

権座は、湖上の原風景として、2006年に日本で第一号の「重要文化的景観」へ登録
2013年には日本ユネスコの「プロジェクト未来遺産」に選ばれました

 

★★権座・水郷を守り育てる会のブログに紹介されました!★★
是非こちらもご覧ください!!

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