無知というのは恐ろしいもので、
かつて「魏志倭人伝」の記述にもとづき、
邪馬台国を訪ねるミステリーツアーもどきを企画したことがあります。
韓国のプサンから出発して、対馬へ、そして壱岐へ。
はたしてゴールの邪馬台国は、北九州なのか、大和なのか。
1件、問い合わせがあったのみで、ツアー実施にはいたりませんでしたが…。
そんなはるかな記憶まで呼びおこされた一支国(壱岐)の弥生遺跡。
環濠集落の入り口にそびえる鳥の居る門。「鳥居」の語源にもなったそうです。
壱岐といえばここ、まさにそのもの、「猿岩」。
対馬ではゲンカイツツジと、ツシマヤマネコが出迎えてくれました。
ツアーのアンケートには、「いちばん印象に残ったことは?」という項目があります。
私なりのいちばんを選ぶならば、
対馬のガイドさんが、見慣れぬ逆さの地図のフリップとともに仰ったこんな言葉。
「島の人口は、どんどん減っています。
若い人の多くは、島にはなにもないと言って、出ていきます。
でも、私は思うんです。
アジア全体で見たとき、かつて対馬は、異国の人と人、文化と文化が出会う
最前線の場所だったんじゃないかと。」
・・今もそうなのかもしれません。
かつて韓国プサンから定期便で訪れる旅行客で大賑わいだった対馬は、
日韓関係の悪化のなか、コロナ禍の始まる前年から、
客足がぴたりと途絶えていたと聞きました。
折しも、韓国の歩み寄りで日朝関係の進展が伝えられたのが先週末。
対馬・壱岐を窓口として、また多くの人が行き交う日が戻ってくるよう願います。
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