銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

冬の日本海へ、最上川雪景色

2014年02月15日 | Hの生きる喜び、それは
「雪景色の最上川を船下りしたい」

日本中を旅して来られた方から出たお声

「新緑の頃や紅葉の頃ではなく
あの墨絵の世界になる頃が最上川が一番輝く時なんですよ」

そのお声に賛同するように8名の方が集まり、
冬の庄内、最上川へ行ってきました

2月4日~6日というと、大寒波が訪れ
全国吹雪やら雪崩やらと…都市部でも大騒ぎをしていた頃

雪国の山形は当然例外ではなく、
晴れ間が差したと思えば突然地吹雪
天候はころころと変わり、何が何だか分からない天気となりました

とにかく、あっちを向いてもこっちを向いても雪景色
一寸先は闇・・ではなく、真っ白でした

バスの中からこの雪景色をぼんやり眺めていました

それにしても、きれい

雪と生活している地元の人の苦労をよそに
私なんぞが眺めていると、やっぱり雪景色は美しいのです

ふわふわと落ちてくる雪の粒は
ちゃんとある程度の感覚を保って
空からゆっくりと落ちていきます
その距離感、ゆるり感
これは、人が作り出せるものではないなぁ、と

と、突然吹雪き始めると
あのさっきまでゆるゆるしていた雪の粒が
集団となり荒れ狂い、曲線を描いて目の前を駆け抜けていくのです

コイルのような軌跡で地面から空へ巻き上げていく吹雪も

「自然界に直線というものは存在しない」
「直線は人間が作ったものだ」

そんな言葉を思い出しました

雪ひとつをとってもそう
木も枝も、空も海も
当たり前ですが、直線なんてどこにもありません

人間は、直線を引いて同じ規格で生きることを強いられているから
息苦しく感じるのかも…とか思いながら
バスは最上川へ向かっている途中

プルル・・
「最上川船下りですけれども・・
今日は吹雪のため、終日欠航が決まりました」

ハッ!現実問題に直面!
皆さんが一番楽しみにしていた最上川船下り
でも仕方ありません
皆さんも「このお天気じゃねえ」と納得の様子
再び外をみやると

相変わらずの吹雪
冷え冷えとそそりたつ山肌に荒涼たる最上川の雪景色
川面には白波が立っています

過酷なゆえの美しさが輝いています
やはりそう思えてしまうのです

ハッ と再び現実世界に戻り
最上川船下り、今回の旅の最大目的
どうにかせねば…
よし、と、行程をしっちゃかめっちゃかに変更し
明日へ希望をつなげることにしました

その後、酒田の町へ行っても吹雪は止むことなく
さらにその勢いを増すばかり

美術館に入っても、食事をしていても、お買い物中も
気になるのは窓の外の雪景色

「また雪が巻き上げた!」
「わ~すごいわよ、地吹雪!」
「一面真っ白よ、この後大丈夫かしら??」

と、一喜一憂
ホンモノの雪景色を見せてもらったような感じです

山形の人は半年近くこの雪の中暮らすのです
不便?大変?
でも閉ざされた世界だからこそ
雪国ならではの文化や風習が育まれ
手仕事が発達し、
人が寄り添いあって生活し、
人と人とのつながりを実感しあえるのではないかと思うのです

確か、12月、豪雪地帯の新潟を訪ねた時も
同じことを感じました

閉ざされた冬の時期があるからこそ
雪国の魅力は奥深いものになるのだと

-翌日-
昨日とは打って変わって、すっきりと晴れた冬空の下、
キラキラと輝く銀世界の中を
ゆるりと下る最上川を楽しみました

えがった
えがった

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まさかの「カレイ」

2014年02月15日 | Hの生きる喜び、それは
信じたくない
言われたくない

でも、でも、とうとうその時がやってきました

「カレイ」ですね

!? カ、カレイ…?!

目の下の小さなシミのようなものが
最近少し立体的になってきていたのが気になって
近所の皮膚科に行ってきました

ただのシミだと言って
そしてこの症状をおさえる薬だけ静かに出して

心の中でそう叫びながら、先生に向き合った
その数秒後…!

「加齢による●●です」

あ~ 言っちゃった・・・

「悪性のものではありませんから
 置いておいても支障はありませんが、
 気になるなら、取りましょうか?
 レーザーですぐ取れますよ」

先生、それなら、さっさと取って!

ピピッと機械をあてると、あっという間にあっけなく取れました

診察室から出る時、看護師さんに
「良かったわね」とにっこり言われた時が
なぜか一番恥ずかしかったです

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オーロラファンタジア

2014年02月13日 | のほほん同志Aの日常
来月から出発の北海道、流氷ツアー。
お申込みいただいているご姉妹のうち、
今日、いもうとさんが支払いに来店されました。

「姉が行きたいって言うから」

そう、少し苦笑交じりに話されました。

お姉さんはご高齢でおみ足が悪く、
ふだんは杖をついておられます。

「このツアー、姉はいける?」

いもうとさんは、いつもそうお電話で訊かれます。

「お姉さんでも大丈夫です」

と答えることもあれば、

「う~ん…全部歩くのはちょっとしんどいから、
 途中で待っててもらいますね」

と答えるときもあります。

そうして、一緒にゆっくり歩いたり、
どこかでお姉さんひとり待ってもらったりしながら

お寺さん、花見、紅葉狩り、国内の島旅…
こちらのご姉妹とは本当に、
いろんなところにご一緒させていただきました。

ただ、これまでにひとつだけ、
お姉さんが行きたい、見たいと強く望まれたのに、
ご一緒できなかった旅があります。

オーロラです。

出発前の説明会にもお越しいただき
あとは出発を待つばかりというとき、
倒れて一時入院となりました。
ご旅行も、目前でキャンセル。

もう3年も前のことです。

そのとき、いもうとさんと出かけたカナダ・イエローナイフでは
オーロラは姿を見せてくれず、
翌年はリベンジでフィンランド・イナリへ。
いもうとさんも再びご一緒くださり、
凍りついた湖のうえで、白く揺れるそれらしきものを
ともに見つめました。

「知床でね、オーロラファンタジーに行くでしょ。
 姉がね、これを見たいんだって」

なんと。
お姉さんの目的は、流氷ではなく、
夜、厳寒の知床で行われるライトアップショー、
「オーロラファンタジー」でした。

それに…と、いもうとさん。

「私も今度はカラーで見たいしね」

知床の海に舞う「色つきのオーロラ」。
3年越しで、ご姉妹の思いがかないそうです。

いえ…
流氷が来てくれなければ困るのですが。


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川さらしと巻き寿司

2014年02月10日 | 見かけだおしNのつぶやき
まさに寒のもどり、雪がちらつくなか、西脇へ

秋に訪ねた時に、「黒田官兵衛」に沸き立っていましたが?
さていよいよドラマが始まって今どうなっているでしょうか・・・

あれ?

幟がたっていないよ

「NHK大河ドラマの里へようこそ!」
そんな幟が高々と出ているはずでしたが・・・
「姫路だけが盛り上がってなるものか!」
そんな勢い、対抗心が年末にはあったはずですが・・・

インターを降りても、西脇は西脇
静かでした

どうも当初の官兵衛町おこし的なブームは去った?
いえ、諦めたが正しいかも???

しかし、ここ西脇は、たとえTHE官兵衛町おこしに敗れたとしても
(私の超個人的見解ですので)

見どころがたくさんあります

今回、予想もしませんでしたが、なんと
大型バスでの旅となりました

これは、ご参加の方も、もちろん添乗する私も
びっくり!のひとこと

不思議に思い、皆さんに旅の目的をお聞きすると・・

№1 巻き寿司
№2 川さらし




最後の方にようやく官兵衛・・・悲し

なるほど

その堂々一位となった「巻き寿司」こそ
田舎のコンビニとして最近メディアにも取り上げられる
マイスター工房八千代さん

本来は田舎の雇用促進の一環でできた手づくり工房
下は18歳から上は80歳の方までが
働いておられます

その中で大ヒットしたのが「巻き寿司」だったのです

のりの風味と田舎ならではの甘い具材の味付け
そして、大ぶりのきゅうりで口あたりさっぱり

これは美味です

今では、朝から買い付けにこられる遠くからのファンもあって
お昼からのんびり訪ねても完売していること日常

そんな噂が納得できるおいしさでした


そして旅のハイライトとなったのが
「川さらし」
タイトルもいいですね

和紙をつくる工程の中で、
蒸した楮(こうぞ)の黒皮を削り取って
白い皮をはぎます
そして、その白皮を冷たい水にさらし、より皮を白くする工程
それが「川さらし」

雪水の凍るような川の流れにさらすほど、白さが増すのだそうです

雪が奥山にけぶり、凛とした冷気の中で
ただひたすらに白皮を水にさらす作業

見下ろし見学する皆さんも雪かぶり、赤ら顔

それでも、日本古来からの和紙作りを見学しながら
手間ひまかけてできる品のなんとも愛おしいことよ

杉の木々に降りては消え、降りては・・・
まだら雪景色を窓ごしに見ながら
賑やかだった車内は、帰路、静寂の時となったのでした

宝塚から僅か1時間ほど、
そんな場所に、こんな風景が、伝統がある

小さな旅でも大きな発見があります

きっと皆さん、お土産の巻き寿司にかぶりつきながら
今日の旅をじんわり思い出しておられることでしょう

ガブリ

手間ひまかけた意味もなく・・・雪と消え

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秋葉まつり

2014年02月04日 | 見かけだおしNのつぶやき
「え!」
隣でスタッフが声をあげました

「坂東眞砂子さん、亡くなりましたよ!」
ネットの最新情報を見ながらそう伝えるスタッフ

日本昔話って
のほほんなる牧歌的なものもあれば、
なんともやるせない、不条理なものもあるでしょう

そんなやるせない話を子供心に傷つきながら、
でも、逃げ道のない人生のお話についぞ魅かれてしまう、
大人になることの真相を知ってしまう子供時代

日本昔話って奥が深い

で、いわゆる大人になって、風土に密着したお話、
これにハマりました
私、土着のしがらみものが大好きなのです

『土蔵』『村人』『血族』『秘密』
アカン、わなわな震えるキーワードです

当時、鍵っ子だった私は、親の本棚をあさって、
なんともおどろおどろし本の表紙に魅せられ?
読みつくした横溝正史にはじまり、私の現在のお気に入り
岩井志摩子にいきつくまで・・・

その過程に突如現れた人
それが坂東さんでした

随分あとで、かの「死国」(あの貞子です!)の
映画の原作と知りましたが
まさか、そんなメジャー級の人とは!?
一般受けするとは思えない、なんとも湿度の高い小説の数々

すっかり魅了されました

四国=死国

今ネットで検索すると
ホラー小説家のハシリ、と出ます

あ~でも違うと思います

日本の風習、土着文化にとても造詣の深い方だったと
それを突き詰めるとホラーになる、といわれたら
それは、それで納得する部分はありますが・・・


誰もが、生きているうえでもちえる陰鬱な部分
そこにとても合致するのです
この方の、民俗学的ともいえる地方あぶり小説が・・・

いつものパターンでお気に入りになれば
とにかく飽きるまで読みつくす中・・・
あるエッセイに目がとまりました
作者の生まれ、高知の郷土のお祭を紹介されるクダリです

私、高知という土地にも魅かれるのですよね

おのずとそのお話、お祭りに一瞬で魅せられました

早速お仕事=旅に反映してみました

あ~神様はいるのですね

無宗教、占い嫌い、まずは疑ってかかる
そんな私でさえ、感じたのです
山の神を!
何者かの気配を!

高知県仁淀村に伝わる「秋葉まつり」です

畏敬の者たちが列をなし、山肌を練り歩きます
時に、人の首と思わせる、黒い毛だまりを天高く投げ、
そして村人はまた奇声をあげながら神のもとへと
ゆっくり近づいていきます

何とも不思議なお祭りでした

そのお祭りが、今月11日に行われます
それを待たずに逝かれたのですね

全く興味の矛先が異なるスタッフが、
このお祭りだけは、唯一共通して
「よかった」「また行きたい」と話します

銀のステッキでとても大切にしてきたお祭りです

日本はこんなに小さな島国なのに北から南まで 
異なる文化・風習が存在する
それを知るために旅に出る

その象徴だったんですよね、この特異な祭は!

残念です、あの独特の風土小説をもう読めないのは・・・
でも、作者も愛した、あの畏敬たちの舞は
これからも、受け継がれていくことでしょう


ご冥福をお祈りいたします


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