ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

ジャンキーの旅          No5 Ward・・・・・14

2015-01-23 | 4章 デリー中央第一刑務所No5Ward

昨夜はやはり良く眠れなかった。夜、風が強かったのだろう鉄格子のドアーに掛けた風止めの毛布がぼくの顔の上に落ちて来た。横を見たが皆、眠っていて誰も起きて毛布を掛け直そうとしない。このままだと夜通し冷たい風に震えなければならない。寒かったけどしょうがない、起きて毛布をドアーに掛け直した。ドアーが高くて上手く掛からなかったが面倒臭くて毛布に潜り込んで眠ってしまった。朝の開錠時間だったのだろう、房に人が入って来て話す声が聞こえた。続いて何かの音を耳にしたが無視して寝ていた。第5収監区に替わって朝の人数点検はなくなっていた。刑務官は時間になると各外房の鍵を開けて行くだけだ。今朝、開錠に来た刑務官はドアーに掛けた毛布の間から赤いヒーターを見つけた。彼は房内に入ってヒーターと電線を持ち去った。ぼくは何も知らない振りをした。皆は風が強かったから毛布が横に寄ったのだろうという話になった。ぼくがちゃんと毛布を掛け直していればこんな事にはならなかった。ぼくが本当の事を話してもヒーターが戻って来る訳ではない、黙っていた。カマルは全く気にしていない
「2~3日したら又作る」
それでこの件は終った。しかし禁止されている電気器具を使っていた事実はどうなるのだろうか、インドの事だから何ら問題にはならないのだろうか。裁判所の待合室で刑務官に頼んでインド人からビリをバクシシしてもらって吸ってもお咎めはなかったのだから。
コメント
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