ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

第11話  ヨガ・アシュラム・・・8   ヨギとの会話 

2015-09-26 | 第11話  ヨガ・アシュラム

 少し落ち着いて周りに目を向けてみると、ここもそれほど悪くはない、
煩いインド人の話し声を聞かないで済む。外へ出るとリスが何匹も走り回っていた。
さっき文句を言ったヨギが近寄ってきて
「どうだ?」と聞く
「いや、さっきは文句を言って悪かった。良いところじゃない、ここは」
「そうだろう。あそこはアシュラムじゃない、ホテルみたいだ、そうだろう」
「うん、そうだ、そうだ、ホテルみたいだ」
「お金持ちにペコペコして、おかしいだろう」
とヨギは文句をたらたらと言う。
お堂から読経が聞えてくる。お堂の中はどうなっているのか、何があるのかぼくの興味は膨らむ。
あのお堂の中へ入って良いかとぼくは聞く、中へ入ってはいけないとヨギは拒絶した。
ヒンディー語できるか、だめかヒンディー語できないのか、とヨギは残念そうに呟いた。
 終着駅・・・
 ヨギとの話し声が聞えたのだろう隣からよぼよぼのババが出てきて
何するでもなくお堂横の長椅子に座る。
何処にいたのかインド服を着たこれも先が短いようなババが現れた。
食事の世話する人だろうか、買物に行くと言う鈍い兄ちゃんがいる。
そんな人間しかここにはいないのだろうか、
まだ他にも人が住んでいる気配を感じるが外を歩く者はいない。
何だかこのアシュラムは人生の終着駅のように思えた。

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