ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

ジャンキーの旅          No2 Ward・・・・・54

2014-04-04 | 3章 デリー中央第一刑務所No2Ward

 マリーと一緒に来た女性はナンシーという。マリーもナンシーもケニア人だ。ナンシーはキシトーとの付き合いがあるらしい。マリーと違ったタイプの小柄でちょっとチャーミングな女性だ。
 昨日、今日とSPがBバラックのチェックに入った。Bバラックがドラッグ・シンジケートの拠点であることは分かっている。フィリップスはSPが何度チェックに入っても見つけることは不可能だと言った。また絶対に発見されない所に隠してあるとも。それはそうだろう頻繁にチェックが入っているにも関わらず何の支障もなくスタッフは流されている。ビリ、スタッフの値が高いので良い金にはなるがその分リスクも大きい。もし誰かが逮捕されても組織としての機能は失われないだろう。今ぼくが知っているプッシャーはチャーリー、アオイと名前はまだ知らないが2名がいて合計4名だ。フィリップスとキシトーはぼくとの関係においてスタッフを流すがパケを手許には置かない。他のジャンキーからの注文でも同じで請けたスタッフを右から左に流すだけだ。絶対に見つからない場所とは何処なのか?ぼくは何度かBバラックの独房に入った事がある。換気用天窓か、木のベッドに穴でもあけて隠すのかそんな事くらいしかぼくには思いつかない。
 ビリの商売をしている者は多い。一時期ディクソンも派手にやっていたらしい。多い時は一日5パックを捌いて売り上げが1000ルピーにもなったらしい、仕入れとインド人への手数料として300ルピーを支払っても利益が700ルピーになる、美味しい商売だ。今はそんな事はない。


寒の戻りが日曜まで続く 北風が強く外海では4mの高波予報が出ている
今晩のメインはキスフライ 捌いて冷凍していた 下ごしらえはすでに終わって
冷蔵庫に入れてある 後は温度計付き天ぷら鍋で170~180度で揚げるだけだ
20匹はある 夕方おすそ分けの電話をする
今日の血圧は1回目118~79 2回目122~78 良好だ
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ジャンキーの旅          No2 Ward・・・・・53

2014-04-02 | 3章 デリー中央第一刑務所No2Ward

Bバラックは本来独房だが現在各3名ずつ入っている。これはそのまま新しいワードにスライドしていくだろう。問題はAとCバラックの大部屋にいる外国人だ。ここの住人もある程度グループが出来ている。それに属さない者達の混成グループをどうするか、その駆け引きが続けられていた。
 ショッカンが昨夜、今夕と2回スタッフを返してきたが珍しいことだ。今日ぼくが裁判所で約1500㌦の返還を受けたのを知っている、奴の保釈金5000ルピーを出してくれる可能性があるのはぼくしかないと思っている筈だ。だがそう簡単に出す訳にはいかない。それにドルをインド・ルピーに両替する困難な仕事が残っている。
 ピーターはスタッフをやっている。アシアナでシックを抜いてきたのだがもう既に粉を手放せない身体になっていた。キシトーから預かった2パケを奴に渡した。シンジケートのあっちこっちで借金だらけらしいがどうするつもりなのか。ドイツの家族もそう豊かではないと奴から聞いた事があったし組織に支払うスタッフ代や弁護費用も厳しいという話しだった。
「自殺を計った彼女はどうする?」
「まず俺が出てドイツで金を作る、それから彼女を迎えに来る」
20㎏のブツがデリー国際空港の搭乗手続きで発見され空港警察に逮捕された。ぼくは120gのスメック所持で現行犯逮捕された。インドの判例によれば120gのスメック所持はミニマムで10年の刑に相当するらしいが20㎏はどんな刑になるのかぼくには想像も出来ない。


桜は満開だが湾の釣りは最悪だ Tさんから竹の子掘りに行こうと誘われた
昨日はちょっと体調が良くなかったからと断った 
おやじ達の話題はわらび ふき つわ 竹の子だ どれも旬で酒の肴にもってこいだ
 
 
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