私は即時荷重インプラント治療を2000年から始めました。
2000年のAAPホノルル大会で恩師DR,ラムと初めて巡り合い、そこで具体的に色々と質問を片言の英語で必死でして、何とか自分なりにやっと理解して帰国したのです。
そうしたら、不思議な事にHさんと言う女性の患者さんが、お姉さまのご紹介でインプラント希望で来院され、何としてもインプラントですぐに歯を入れて欲しい、詰まり即時荷重して欲しいと懇願され、診療台の上で泣かれて、DR.ラムに教えて頂いた事を患者さんと2人3脚で頑張って見ましょう、と約束して手掛けたのが初めてでした。
その当時は当然の如く全く経験がなく、DR.ラムの教えに基づいて手探りで、自分が今まで積み上げてきた総義歯、歯周病、外科の実力を総動員して、患者さんの夢を何としても叶えて差し上げようと頑張り、奇跡的に成功させました。
そこから自分達だけで試行錯誤しながら、即時荷重をやり始めて、手術したその日のうちに仮歯を綺麗に入れて差し上げる事が、どれ程患者さんの喜ばせるかを、何度も目の当たりにして、これこそが私が進む道、亡き恩師今間先生の夢を変わりに叶える事だと信じ、邁進しました。
2000年当時は世の中はそんな事出来る筈がないと相当に逆風で、しかも私が手掛けている部分的多数歯欠損等出来る筈がないと、何処に行っても全く相手にされませんでした。
それどころか、嘘吐きとか頭がおかしいとか言われ、見に来た事もない方々にかなり攻撃されました。
しかし、私の元には即時荷重インプラント治療を求めて、何故か次から次へと、患者さんが来て下さるのです。
その為、私は患者さんの要望に背中を押され、私自身はこれは神様からの依頼なんだと感じ、必死で夢を叶えて上げようと寝食を忘れ精進しました。
そのお陰もあってか、2003年位までの間で、相当の即時荷重インプラントのコツと言うかノウハウが分って来て、同時GBR骨造成とか、歯肉再生とかまで審美的仮歯を平行して1回の手術で出来るようになっていました。
その年のAAPがサンフランシスコ、恩師DR.ラムのお膝元で開催されると分り、私は勇気を出してDR.ラムに連絡を取り、見学を恐れ多くも申し込んだのです。
そうしたら、何と信じられないような幸運で、AAPの前に1週間レクチャーしてくれるとなり、飛び上がらんばかりに喜んで、勤務医に無理を言って教えを乞いに行ったのです。
そこで見たDR.ラムの仕事振りは、正に私にとって驚天動地としか言いようがないものでした。
今私が主にやっているテクニックである非侵襲MI即時審美インプラント治療を、DR.ラムはもうとっくにされていたのです。
私はDR.ラムの手術を見て、ハンマーで頭を殴られたかのような衝撃を覚えました。
それ位、私が日々していた手術と全く違っていたのです。
その当時は、私も今国内で主にされているようなインプラント手術の方法でやっており、それに即時荷重を加えるという方法でした。
ところが、DR.ラムの手術は見事にMIで侵襲の最小限なものだったからです。
こんな風にすれば良いのか!私の眼からは何枚もウロコが落ちたような気がしました。
そして、AAPである事件があり、私の即時荷重を何としても世に認めさせるべく、翌年2004年のPRDでの全世界から僅か15人しか受からないとされているポスタープレゼンに応募し、合格すると決意して、休みの日には大学の図書館に通い、原文を読み捲くる生活に突入しました。
勿論、それと平行して、帰国してからDR.ラムの教えの元、従来の方法を全く切り替えて、斬新な概念の即時荷重インプラント、非侵襲MIへと改良を工夫し始めました。
この頃が最も私にとって大変だったのかも知れないな、と今は思います。
私生活上でも色々と問題が多発しており、そちらでも落ち着かず、仕事は難しい患者さんを何とかして差し上げないといけない。
上に書いたように、神様からのご依頼、お前なら出来る筈です、治して差し上げなさい、と言う声が内側から聞こえて来て、来る日も来る日も石に齧り付くような努力の日々でした。
その甲斐あってか、2004年のPRDに見事合格し、自分が積み上げて来た成果に自信を深めました。
しかし、DR.ラムの教えの実現にはまだまだ工夫が必要で、患者さんとスタッフに支えられて少しずつ少しずつ改良、完成に向けて進みました。
勿論、今でもそれは続いていますが、かなりの道を辿り、相当の事が分り実現出来るようになっています。
このようにして、患者さんの熱望に突き動かされ、信じられないような幸運に恵まれて、私は即時荷重インプラント治療を極めて来ました。
今振り返ると、よく頑張って来たな、と自分も褒めてやりたい所ですが、患者さん達、スタッフ達の協力を思うと、まだまだとしか思えません。
即時荷重と言うキーワードは私自身のインプラント道と完全に成り、私自身を使命へと駆り立てます。
そこに更にDR.ラムのお陰で非侵襲MIと言う要素が加わり、前人未踏の道を満身創痍になりながら、突き進んでいます。
その為には、何処にでも行き、何でも学び、これは良いと言う器材まで背伸びを相当してまで入れ、患者さんの為、神様よりのご依頼と思い頑張って来ました。
その事実に対しては、一点の曇りもなく胸を張る事が出来ます。
全て私自身が患者さん、スタッフと2人3脚、いや3人4脚で得て来たものなのです。
だからこそ、何処にもない、と私が断言出来るのです。
この私の即時荷重インプラント道に賭ける想い、患者さんの皆さんの夢を叶える為ならどんな努力も惜しみません。
神仏に誓って、我が命を賭けて誓います。