オストロンで咬合床を作製するお話をして来ましたが、主にDR向けに成っていまい、DTの方には申し訳ない方向になってしまいました。
本日はそれを少しでも補正する為に、DTの方の模型の読み方、咬合床の臨床的な作製方法、使える咬合床について解説をします。
この内容は、勿論DRにも凄く役に立ちます。
研究用模型をチャンと採れていたと仮定しての話ですので、この時点で到達できていない場合は、元に戻しそのハードルを越えるようにして下さい。
まず、上顎の模型の読み方です。
ランドマークになるのは切歯乳頭、口蓋すう襞、上顎結節、AhLineです。
前にも書きましたが、患者さんは噛み癖に応じて歯を失います。
その為に、歯槽提の高さは左右対称である症例はまず有り得ません。
必ず、どちらかが高く、どちらかが低くなっている、と理解して下さい。
ではそれを正しく読むにはどうするのか?です。
それには口蓋正中縫合を読む事が非常に有効です。
口蓋正中縫合は切歯乳頭からAhLineの真ん中を結ぶ事で見えて来ます。
模型を良く読むと、そこが峰状になっているのが見えるでしょう。
正確には、この口蓋正中縫合真っ直ぐな線ではなく、成長、噛み癖に応じてやや湾曲しているのが普通です。
実は、この部分に関しては、歯槽提の変化の影響を殆ど受けない、と分っています。
なので、この峰を鉛筆で線として模型上に書き込み、湾曲ができるだけ小さく見えるようにする事、できる限り直線に見えるようにする事でほぼ正確に生体内に置ける正中垂直線を見出すことができるのです。
口蓋正中縫合を直線に成るように見て、模型を口蓋正中縫合を軸として回転させると、歯槽提の左右の高低差が見えて来ます。
更に言えば、口蓋骨の水平板を地面と水平に保つことで前後的な吸収にも惑わされること無く、患者さんの上顎の重力に対しての設定位置が見えて来るのです。
そして、それに対して模型の高低差を補正して左右対称に、やや後ろ上がりに咬合床とロウ提を作製すれば、かなり良いものが出来上がるのです。
ロウ提のだいたいの目安となる数値は、教科書に記載してある数字で構いませんので、そちらを見てみて下さい。
私自身は、切歯乳頭頂点から前方に10mm弱で、高さに関しては1番相当部の義歯辺縁から22mm強で、後方に関しては臼歯後結節の切痕から8mm強位、が好きです。
そして、口蓋すう襞の最大のものの先が犬歯の位置、そこから歯槽頂の口蓋寄りの位置に見える凹みがかつて臼歯が並んでいた口蓋の痕跡です。
これらを参考にして、咬合床、ロウ提を作製すると、精度の良いモノになるでしょう。
下顎の場合は、臼歯後隆起と舌小帯、口腔底が目安に成ります。
舌小帯と口腔底を鉛筆で書いて、それが地面と平行に成るように設定すると、それがそのまま咬合平面にかなり近い状態になるのです。
なので、それに平行にロウ提を作製すれば良い訳です。
高さは、臼歯後隆起の2分の1から少し上程度、が私は好きです。
そして、臼歯後隆起と上顎結節の接近距離は4mm前後。
これで何と模型上で仮想の咬合採得がほぼできてしまう訳です。
修行されたDTの方に任せると、こう言う条件を満たして作製して下さってて、微調整だけで見事に直ぐに顎位設定できてしまう場合もある位です。
如何でしょうか?
文章だけでお伝えするのは難しいのですが、できるだけ頭を使って欲しい為に、こう言う手を使っています。
実際に手を動かしながら、私の助言を参考にしながらやって見て下さい。
さて、これで咬合床の話は一通り致しました。
次回からは、非常に重要な咬合位設定の話を書いて行きます。
では又。
本日はそれを少しでも補正する為に、DTの方の模型の読み方、咬合床の臨床的な作製方法、使える咬合床について解説をします。
この内容は、勿論DRにも凄く役に立ちます。
研究用模型をチャンと採れていたと仮定しての話ですので、この時点で到達できていない場合は、元に戻しそのハードルを越えるようにして下さい。
まず、上顎の模型の読み方です。
ランドマークになるのは切歯乳頭、口蓋すう襞、上顎結節、AhLineです。
前にも書きましたが、患者さんは噛み癖に応じて歯を失います。
その為に、歯槽提の高さは左右対称である症例はまず有り得ません。
必ず、どちらかが高く、どちらかが低くなっている、と理解して下さい。
ではそれを正しく読むにはどうするのか?です。
それには口蓋正中縫合を読む事が非常に有効です。
口蓋正中縫合は切歯乳頭からAhLineの真ん中を結ぶ事で見えて来ます。
模型を良く読むと、そこが峰状になっているのが見えるでしょう。
正確には、この口蓋正中縫合真っ直ぐな線ではなく、成長、噛み癖に応じてやや湾曲しているのが普通です。
実は、この部分に関しては、歯槽提の変化の影響を殆ど受けない、と分っています。
なので、この峰を鉛筆で線として模型上に書き込み、湾曲ができるだけ小さく見えるようにする事、できる限り直線に見えるようにする事でほぼ正確に生体内に置ける正中垂直線を見出すことができるのです。
口蓋正中縫合を直線に成るように見て、模型を口蓋正中縫合を軸として回転させると、歯槽提の左右の高低差が見えて来ます。
更に言えば、口蓋骨の水平板を地面と水平に保つことで前後的な吸収にも惑わされること無く、患者さんの上顎の重力に対しての設定位置が見えて来るのです。
そして、それに対して模型の高低差を補正して左右対称に、やや後ろ上がりに咬合床とロウ提を作製すれば、かなり良いものが出来上がるのです。
ロウ提のだいたいの目安となる数値は、教科書に記載してある数字で構いませんので、そちらを見てみて下さい。
私自身は、切歯乳頭頂点から前方に10mm弱で、高さに関しては1番相当部の義歯辺縁から22mm強で、後方に関しては臼歯後結節の切痕から8mm強位、が好きです。
そして、口蓋すう襞の最大のものの先が犬歯の位置、そこから歯槽頂の口蓋寄りの位置に見える凹みがかつて臼歯が並んでいた口蓋の痕跡です。
これらを参考にして、咬合床、ロウ提を作製すると、精度の良いモノになるでしょう。
下顎の場合は、臼歯後隆起と舌小帯、口腔底が目安に成ります。
舌小帯と口腔底を鉛筆で書いて、それが地面と平行に成るように設定すると、それがそのまま咬合平面にかなり近い状態になるのです。
なので、それに平行にロウ提を作製すれば良い訳です。
高さは、臼歯後隆起の2分の1から少し上程度、が私は好きです。
そして、臼歯後隆起と上顎結節の接近距離は4mm前後。
これで何と模型上で仮想の咬合採得がほぼできてしまう訳です。
修行されたDTの方に任せると、こう言う条件を満たして作製して下さってて、微調整だけで見事に直ぐに顎位設定できてしまう場合もある位です。
如何でしょうか?
文章だけでお伝えするのは難しいのですが、できるだけ頭を使って欲しい為に、こう言う手を使っています。
実際に手を動かしながら、私の助言を参考にしながらやって見て下さい。
さて、これで咬合床の話は一通り致しました。
次回からは、非常に重要な咬合位設定の話を書いて行きます。
では又。