すみません、総義歯の話が延び延びになってしまっていましたね。
多分、皆さんが一番知りたい咬合採得の話が今日の話題です。
咬合採得こそは総義歯治療の肝、と言っても良いでしょう。
前回までのお話で、咬合床だけのものが出来上がっている筈です。
ロウ提は前にも説明したとおりチェアサイドで作ります。
その方が、軟化している為に操作がし易いのが利点だからです。
心配な方は上顎だけは作って置いても良いでしょうが、下顎は必ずチェアサイドで作製して下さい。
まずは上顎のロウ提を整えます。
これは徹底的に絞り込んで下さい。
前歯の位置のシュミレーションになる前歯部のロウ提、そこと上顎結節を結ぶロウ提を繋げて作製して下さい。
犬歯の位置関係が一番鍵で、口蓋すう壁の一番太い先が犬歯です。
しかし、張り出し方、頬と人中、ホウレイ線の具合、模型だけでは読み切れない位置になる事も多いのです。
そうして顔の表情、特に笑顔の状態を模索して立体的にロウ提の位置を決めるのが良いでしょう。
患者さんがどういう口元を好きなのか、これが大事です。
咬合平面は前後的にはいわゆるカンペル平面、で左右にはバランス取る、この時に重要なのが前から見た臼歯部のバランスです。
正中からちゃんとお顔にあった状態ですか?
ロウ提の立ち方おかしくないですか?
真正面の笑顔の状態で良く観察して、修正して下さい。
これをサボると排列で苦労します。
何とか出来上がったかな、と思える状態になったら、お口の外に出して観察して見て下さい。
如何に顎の状態が左右のバランス、吸収の度合いで差があるか見えて来るでしょう。
何度も繰り返し説明していますが、顎提の吸収は左右バランス良く起きるものではありません。
必ず噛み癖に従って歯を喪失し、残存歯で噛み癖は移り変わり、歯も失われ顎の関節も変形して行くのです。
この定めからは誰も逃れられません。
バランスの良い顎提は有り得ない、のです。
この事を知るだけでも、総義歯臨床は全く違って来るでしょう。
こうして上顎のロウ提は出来上がります。
ここで直径8mm位の球を4つ用意して下さい。
私は子どものおもちゃのBB弾を使っています。
今から説明するやり方は、創案者は医療法人高輪会の横山先生です。
横山先生は総義歯の若き神、本当の天才で、私がこの方法を教わった時、まだ先生は30代前半でした。
私のいた医療法人と高輪会が一緒になる事になって、その始めての会合の時に、横山先生と運命の出会いをしました。
両方の法人合わせて、20人以上のDRが集まっている中、私は横山先生のオーラに気が付きました。
直ぐに理事長先生の所に行き、あの先生只者じゃないですね、義歯の凄い先生ではないですか?と聞きました。
すると理事長先生の眼がビックリしたように開き、先生良く分かりますね、そうです、彼は往診部長の横山で義歯には並々ならぬ実力を持っています、と言われたのです。
直ぐに私は紹介して下さい、と頼み込み、知己を得ました。
そして、横山先生が深く関わっていると言う往診にも興味を持ち、見学を申し込みました。
見学には何度行ったでしょうか?
4、5回ではきかないくらい見学させていただいたと思います。
そして、頼み込んで私自身も週に1回往診車に乗り、仕事をさせていただくようになったのです。
往診車に乗るのは開業後も暫く続けていました。
横山先生とは良く組んで雪谷大塚で、義歯勉強会をしたりしました。
法人のDR、技工士が集まりかなりハイレベルな有意義な勉強会をしたものです。
今は残念ながら疎遠に成ってしまっていますが、又復活させられないかなー、と考えています。
とにかく、横山先生は総義歯始め義歯の天才です。
私は努力、師匠あっての人ですが、彼は真の天才で孤高の人です。
何故天才と断言できるのかと言うと、彼には師匠がいないのです。
全て個人の発想、アイディア、工夫で編み出したもので、義歯治療の本質にたった一人で辿り着けたなんて凄い方だ、と確信しています。
特老ホームへの往診で腕を磨き上げ、感覚的に治してゆく様は天才のみに為し得る技です。
私はそれを見学して学ばさせていただいて、私なりに理論付けしてできるようになりました。
それを解説します。
まずはBB弾を左右の4番6番相当部に半分綺麗に埋め込んで下さい。
これで上顎の準備は終了です。
長くなりましたので、この先は又次回にしますが、なるべく早くアップします。
お待ち下さい。
多分、皆さんが一番知りたい咬合採得の話が今日の話題です。
咬合採得こそは総義歯治療の肝、と言っても良いでしょう。
前回までのお話で、咬合床だけのものが出来上がっている筈です。
ロウ提は前にも説明したとおりチェアサイドで作ります。
その方が、軟化している為に操作がし易いのが利点だからです。
心配な方は上顎だけは作って置いても良いでしょうが、下顎は必ずチェアサイドで作製して下さい。
まずは上顎のロウ提を整えます。
これは徹底的に絞り込んで下さい。
前歯の位置のシュミレーションになる前歯部のロウ提、そこと上顎結節を結ぶロウ提を繋げて作製して下さい。
犬歯の位置関係が一番鍵で、口蓋すう壁の一番太い先が犬歯です。
しかし、張り出し方、頬と人中、ホウレイ線の具合、模型だけでは読み切れない位置になる事も多いのです。
そうして顔の表情、特に笑顔の状態を模索して立体的にロウ提の位置を決めるのが良いでしょう。
患者さんがどういう口元を好きなのか、これが大事です。
咬合平面は前後的にはいわゆるカンペル平面、で左右にはバランス取る、この時に重要なのが前から見た臼歯部のバランスです。
正中からちゃんとお顔にあった状態ですか?
ロウ提の立ち方おかしくないですか?
真正面の笑顔の状態で良く観察して、修正して下さい。
これをサボると排列で苦労します。
何とか出来上がったかな、と思える状態になったら、お口の外に出して観察して見て下さい。
如何に顎の状態が左右のバランス、吸収の度合いで差があるか見えて来るでしょう。
何度も繰り返し説明していますが、顎提の吸収は左右バランス良く起きるものではありません。
必ず噛み癖に従って歯を喪失し、残存歯で噛み癖は移り変わり、歯も失われ顎の関節も変形して行くのです。
この定めからは誰も逃れられません。
バランスの良い顎提は有り得ない、のです。
この事を知るだけでも、総義歯臨床は全く違って来るでしょう。
こうして上顎のロウ提は出来上がります。
ここで直径8mm位の球を4つ用意して下さい。
私は子どものおもちゃのBB弾を使っています。
今から説明するやり方は、創案者は医療法人高輪会の横山先生です。
横山先生は総義歯の若き神、本当の天才で、私がこの方法を教わった時、まだ先生は30代前半でした。
私のいた医療法人と高輪会が一緒になる事になって、その始めての会合の時に、横山先生と運命の出会いをしました。
両方の法人合わせて、20人以上のDRが集まっている中、私は横山先生のオーラに気が付きました。
直ぐに理事長先生の所に行き、あの先生只者じゃないですね、義歯の凄い先生ではないですか?と聞きました。
すると理事長先生の眼がビックリしたように開き、先生良く分かりますね、そうです、彼は往診部長の横山で義歯には並々ならぬ実力を持っています、と言われたのです。
直ぐに私は紹介して下さい、と頼み込み、知己を得ました。
そして、横山先生が深く関わっていると言う往診にも興味を持ち、見学を申し込みました。
見学には何度行ったでしょうか?
4、5回ではきかないくらい見学させていただいたと思います。
そして、頼み込んで私自身も週に1回往診車に乗り、仕事をさせていただくようになったのです。
往診車に乗るのは開業後も暫く続けていました。
横山先生とは良く組んで雪谷大塚で、義歯勉強会をしたりしました。
法人のDR、技工士が集まりかなりハイレベルな有意義な勉強会をしたものです。
今は残念ながら疎遠に成ってしまっていますが、又復活させられないかなー、と考えています。
とにかく、横山先生は総義歯始め義歯の天才です。
私は努力、師匠あっての人ですが、彼は真の天才で孤高の人です。
何故天才と断言できるのかと言うと、彼には師匠がいないのです。
全て個人の発想、アイディア、工夫で編み出したもので、義歯治療の本質にたった一人で辿り着けたなんて凄い方だ、と確信しています。
特老ホームへの往診で腕を磨き上げ、感覚的に治してゆく様は天才のみに為し得る技です。
私はそれを見学して学ばさせていただいて、私なりに理論付けしてできるようになりました。
それを解説します。
まずはBB弾を左右の4番6番相当部に半分綺麗に埋め込んで下さい。
これで上顎の準備は終了です。
長くなりましたので、この先は又次回にしますが、なるべく早くアップします。
お待ち下さい。