大森インプラントクリニック松元教貢歯科医院腫れ痛みなく早く、骨不足でも骨ができて直ぐに歯が入る幸せのブログ

松元教貢歯科医院は骨が不足で骨造りしても腫れ痛みのとても少なく早く治せる方法をしてる即時荷重インプラントパイオニアです。

次代へ捧げる、即時荷重・極小侵襲・審美インプラントへの道10 長期的予後まで考える事

2011年06月13日 | 日々のインプラント臨床の話
治療の相談をされる事が増えていて、その度に、基礎的なことが考えられていない、インプラントをどうにかして植立する方向、方法に先生方の関心が向いてしまっていて、患者さんのお体の事、口腔を通じての健康に過ごせる人生と歯の関連と言う方面への関心が薄いのでは、と私は切に感じてしまいます。

特に感じるのがインプラントを植立された後の口腔内の全体の状態、歯科医が再構築した口腔内の設計デザインが、長期的観点から大丈夫なように考えられているんだろうか?と言うことです。

これらの考え方、対応の仕方は患者さんは素人さんで思い付く事は難しいのですから、やはり専門家サイドでチャンと見れないといけない、と思うのです。

例えばの例ですが、先日拝見した症例の相談では、上顎の大臼歯部の欠損にインプラントしたいのですが、サイナスリフトしなければいけないのかソケットリフトで行けるのかどうでしょうか?と言うのがありました。

ブリッジの支台の後ろの歯の大臼歯がいよいよ駄目になって、インプラントでと言う相談だったのですが、よくよく拝見するとその支えている手前の小臼歯も神経の処置がされていて、コアー土台も太いのが入っていて予後が不安そうな状態だったのです。

なので、この歯は将来危なさそうなんですが、患者さんには確認されていますか?と質問した所されていないと言うのです。

そこで私は、サイナスリフトするとかよりも、この歯も予後不安ですし後ろも駄目になっているのですから、諦めていただいてブリッジごと抜歯してその部位のソケットを利用してインプラント植立されて、少量のGBR骨造成で行けそうですが、如何ですか?その方が将来的見解からも安心できますし、今回検討している治療計画でも大臼歯部2本の植立ですし、後々小臼歯が割れて欠損になった時に面倒になるのではないですか。それだったら、小臼歯も抜歯してインプラントにしてインプラントブリッジにした方がより良いと思うのですが、と助言したのです。

そしたら、その先生は目から鱗が落ちたような顔をされ、そうですね!と言われたのです。

そして、その方がサイナスとか弄るのが避けられますよね、と気が付かれたのです。

私も、それを分かって欲しかったので、そうですよね、こう言う治療計画なら、サイナスリフトと言う難しい治療も避けられますし、危ない小臼歯も処置でき、植立するインプラント本数は同じ2本で長期的安定、治療期間の短縮化、更には費用の節約もできるのですから、良い計画だと思うのですが、とお話をさせていただきました。


こう言う具体例で分っていただきたいのですが、残念ながらその部位にインプラントする、それにはどうするのかにばかり意識が傾いていて、全体的なデザイン、大きく広げれば体全体まで考えてどうするのがより良いのか、と言う視点、考え方が不足されているんじゃないかなー、と思う考え方がまだまだ業界内に蔓延しているのです。

これではいけないのでは、と私は思います。

具体的に指摘すると、インプラント何処に埋めるのか考えるなら、その隣の歯、噛む対合歯、全体的な歯並び、バランスを考えていますか?と言うことなのです。

治療計画立案でせめて口の中の全体への波及も考えて欲しい。

更には、体全体の体幹のバランス、頭位、姿勢、歩き方までも考えられるならとても良いと思います。

実はこの視点はそう義歯治療でも通じるもので、咬合のバランス、頭位、を改善することが歯科治療でかなりできることは明白な事実なのです。

総義歯では、それとリンクして義歯の適合、不具合が移り変わりますので、それへの配慮も求められ、非常に重要な考え方に成って来ます。

インプラントは動かないアンカーに成りますので、非常に効果が出易い、やり易いかな、と思えますが、実は長期的観点では怖い面も少なからずあり、まだ不明なことが沢山あります。

それらを踏まえて、我々はインプラント臨床を良く見詰めながら進めて行かなければいけないのです。

治療計画立案のお話、診査診断の前に詳しくし続けているのですが、ある程度の見越すことが出来ないと診査も出来ないし、診断も下せないと考えての事です。


以上、私のお話が少しでもお役に成れば幸いです。

では又。


PS:その後その患者さんは新しい治療計画を了承され、怖いサイナスリフト避けられるんですから、と喜ばれていたそうです。因みにご本人も実は小臼歯に不安を持っていた、と言う後からのカミングアウトもあり、良かった良かったになったそうです。
私もとても嬉しいです。助言した甲斐がありました。