滞在12日。大きなイベントは全て終わったので、
お昼過ぎまで前日の"The Game Is On"のことを思い出したり、記憶をまとめたりしていたのですが、
夕方近くになって一日屋内に籠っているのももったいないので、
前回の旅では主だった場所しか廻らなかった大英博物館に再び行って参りました。
ホテルの脇にいた鳥しゃん。
ホテルからバスに乗り、Museum Streetで下車。
Museum Street沿いのビルにはこんなストリート・アートが。
女王もアートの題材になります。
この道を北西にまっすぐ歩くと突き当たりが大英博物館です。
正面入口から入ってすぐ右手の部屋で、なぜか縄文土器が展示されていました!
こんなところで日本の歴史に触れることになるとは!
日本でも縄文土器を見たことがあったかどうか、記憶にないくらいです。
せっかくなのでじっくり眺めてきました。
縄を使って編み目模様を作る、という解説も分かりやすく説明されていますね!
みなさん興味津々で縄文土器を見つめていらっしゃいます。
半年ぶりのGreat Coat。
当時、"Shakespeare Staging the World"という特別展をやっていたのですが、来るのが遅すぎたために
インフォメーションで「あと30分しかみられませんよ?」と言われて断念。
やっぱりもっと早く来るべきだった。(反省)
気を取り直して、まず、前回時間切れで見られなかった地下のアフリカに関する展示へ向かいます。
モザンビーク内戦で使用されたロシア製自動小銃を使い、アーティストたちがオブジェとして作り上げた「ツリー・オブ・ライフ」(左)。
2004年に作られたものです。
つい最近、今世紀に製作されたものでも歴史的価値のあるものは展示されるのですねー。
(この写真はこの旅の中でも特にお気に入りの一つです。)
そして、展示が移動しているのに気付かずに見逃した、サットン・フーの舟塚の兜。
この船塚、アングロサクソン人の国イースト・アングリア王国の王レッドウォールドの墓とされています。
兜は遠目では分かりにくいですが、兜には酒を酌み交わす戦士等の細かい細工が施されています。
こちらは剣と楯。
楯はレプリカですが、6つの翼を持つ竜が描かれています。
さて、今回はチャールズ一世が処刑されるまでを描いた芝居が目的の旅だったので、
大英博物館もチャールズ一世に絞って展示を見て回りました。
(奇しくも、この記事を書いている1月30日はチャールズ一世が処刑された日なのです!)
見て回る、と言っても、"Europe 1400-1800"をじっくり観察するといった感じなのですが。
その中からいくつかご紹介します。
もちろん、この部屋にもこの二人がいらっしゃいます。
このなかなか凛々しいチャールズ一世とクロムウェルは、フランス出身の彫刻家Louis-François Roubiliacの作品です。
"Victoria and Albert Museum"にいたヘンデルの彫刻もこの方の作品ですね。
お次はピューター製の大皿。
片手では持てなそうな程でかいです。王の紋章と"CR"の印が刻まれています。
左は青と緑でペイントされた陶器で出来た胸像。1679年に作られたものなので処刑後のものですね。
なかなかいい表情をされていらっしゃいます(笑)。
右の方は、チャールズ一世が生存中に作られた指輪。
写真だと分かりにくいですが、表側は花柄の装飾がされており、内側は"OBBAY THY KING"と彫られています。
我らが王に従う、という意味でしょうか。
左は1691年、右は1700年から1735年の間に作られた、蓋がべっ甲で出来た箱。
王のポートレートの細工が見事です。
左の剣のバスケット型の柄。
この柄はCivil Warの時代に使われていた形だそうです。
表に彫られているのはおそらく王の処刑の様子。
かなり細かく彫られているので、首を持っているのかどうなのか逆に分かりにくいという…。
右は出ました、クロムウェルのデスマスク。
この時代の人の顔って、私たちは肖像画や彫像で顔形を確認しますが、
同じ人でもだいぶ描く画家や彫刻家によって変わっていたりしますよね。
このデスマスクを見る限り、クロムウェルって想像したとおりの顔してるかも。
デスマスク怖い!って思う人も多いでしょうが、私は意外と平気です。
目玉飛び出してるとかでなければ。
続きましてコイン特集。
小さめの13は製版師のNicholas Briotがチャールズ一世の戴冠を記念して作った金貨。
14もNicholas Briotが王のイギリス周辺海域の主権を主張するために依頼を受けて大量生産したもので、
イギリスのライバルであるオランダを攻撃するためでもあったようです。
Civil Warの時代には装飾品として、また記念としての様々な金バッジが作られ、
左の2はチャールズ一世が1643年に先鋭部隊のために作らせたthe Forlorn Hopeというバッジ。
5はオックスフォードで作られた3ポンド金貨。
彼が抱える剣とオリーブの枝は、戦争と平和の選択を意味し、
裏側は王の大綱であるプロテスタント信仰、英国法、議会の自由が宣言されているそうです。
ちなみにオックスフォードは1643年から1646年まで王の主要造幣局だったとか。
1649年1月30日、チャールズ一世は処刑されるわけですが、
今まで見てきたあちこちのギャラリー同様、彼を讃える芸術品は多いです。
12のメダルも同じように、彼の不屈の精神を讃えています。
表面には描かれてませんが、裏面に金床とハンマーの間にあるダイヤモンドが描かれているようです。
13,14はクロムウェルが護国卿となる直前、共和制時代の幕開けに作られたと思われるコイン。
この時代のコインは聖ジョージ十字(白地に赤い十字)を描いたシンプルなデザインが特徴。
15はダンバーの戦いの参加者へ作られたものらしいのですが、実際に渡されたのかは不明だそう。
共和制時代には造幣局の機械化が検討されていたそうなのですが、
それも1658年のクロムウェルの死によって頓挫してしまいました。
16はその頃試験的に製造されていたクロムウェルのポートレートのコインで、コレクターに人気なんだそう。
その他、下のメダルは、たとえばクロムウェルの秘書役のJohn Thurloe(19)、クロムウェルの娘Elizabeth Claypole(20)、
チャールズ一世の相談役だったThomas Wriothseley(21)のものですね。
以下は、チャールズ一世~共和制時代以外に気になったものを。
この美しい像は1773年に作られたジョージ三世の妃、シャーロット王妃のもの。
一緒にいる子供たちは娘のシャーロット(プリンセス・ロイヤル)とオーガスタスです。
かわいい小さな二体の人形。これは紀元前150-50のもので、英国で見つかった最古の人形とか。
でも人形というよりは、兜の上の飾りだったのでは?という説も。
そして右は同時代、英国の鉄器時代の角がついたヘルメット。
元々は黄金に光り、赤いガラスの鋲で飾られていたはずのもの。
これが見つかったのはテムズ川のウォータールー橋だというではありませんか。
(隅田川の畔で銅鐸とか見つかったらビックリしちゃうな…)
その他、小さい特別展でスペインやヨーロッパの装飾品が展示されていたんですが、
どんなテーマだったのか分からないまま見ていました。
銃の銃床?部分の絵と彫刻が見事ですよねー。
一通り見終わって閉館の時間となりました。
帰った帰った!と追い出される客たちw
知らないうちに雨が降って止んでいたようで、石畳が雨で輝いていました。
雨に降られたことはあったけど、止んだ後の歩道がこれほど美しかったとは、気付きませんでした。
せっかくなのであちこち散歩をしてから帰ることに。
コヴェント・ガーデンはすっかりクリスマス一色に。
ふと横に入る小径もイルミネーションで飾られています。
一方、SOHOまで来ると、イルミネーションよりはネオンの輝きが目立ってきます。
こちらはこちらで、色とりどりで散歩を楽しくさせてくれます。
明日はいよいよロンドンで初のミュージカル観劇の日です!
お昼過ぎまで前日の"The Game Is On"のことを思い出したり、記憶をまとめたりしていたのですが、
夕方近くになって一日屋内に籠っているのももったいないので、
前回の旅では主だった場所しか廻らなかった大英博物館に再び行って参りました。
ホテルの脇にいた鳥しゃん。
ホテルからバスに乗り、Museum Streetで下車。
Museum Street沿いのビルにはこんなストリート・アートが。
女王もアートの題材になります。
この道を北西にまっすぐ歩くと突き当たりが大英博物館です。
正面入口から入ってすぐ右手の部屋で、なぜか縄文土器が展示されていました!
こんなところで日本の歴史に触れることになるとは!
日本でも縄文土器を見たことがあったかどうか、記憶にないくらいです。
せっかくなのでじっくり眺めてきました。
縄を使って編み目模様を作る、という解説も分かりやすく説明されていますね!
みなさん興味津々で縄文土器を見つめていらっしゃいます。
半年ぶりのGreat Coat。
当時、"Shakespeare Staging the World"という特別展をやっていたのですが、来るのが遅すぎたために
インフォメーションで「あと30分しかみられませんよ?」と言われて断念。
やっぱりもっと早く来るべきだった。(反省)
気を取り直して、まず、前回時間切れで見られなかった地下のアフリカに関する展示へ向かいます。
モザンビーク内戦で使用されたロシア製自動小銃を使い、アーティストたちがオブジェとして作り上げた「ツリー・オブ・ライフ」(左)。
2004年に作られたものです。
つい最近、今世紀に製作されたものでも歴史的価値のあるものは展示されるのですねー。
(この写真はこの旅の中でも特にお気に入りの一つです。)
そして、展示が移動しているのに気付かずに見逃した、サットン・フーの舟塚の兜。
この船塚、アングロサクソン人の国イースト・アングリア王国の王レッドウォールドの墓とされています。
兜は遠目では分かりにくいですが、兜には酒を酌み交わす戦士等の細かい細工が施されています。
こちらは剣と楯。
楯はレプリカですが、6つの翼を持つ竜が描かれています。
さて、今回はチャールズ一世が処刑されるまでを描いた芝居が目的の旅だったので、
大英博物館もチャールズ一世に絞って展示を見て回りました。
(奇しくも、この記事を書いている1月30日はチャールズ一世が処刑された日なのです!)
見て回る、と言っても、"Europe 1400-1800"をじっくり観察するといった感じなのですが。
その中からいくつかご紹介します。
もちろん、この部屋にもこの二人がいらっしゃいます。
このなかなか凛々しいチャールズ一世とクロムウェルは、フランス出身の彫刻家Louis-François Roubiliacの作品です。
"Victoria and Albert Museum"にいたヘンデルの彫刻もこの方の作品ですね。
お次はピューター製の大皿。
片手では持てなそうな程でかいです。王の紋章と"CR"の印が刻まれています。
左は青と緑でペイントされた陶器で出来た胸像。1679年に作られたものなので処刑後のものですね。
なかなかいい表情をされていらっしゃいます(笑)。
右の方は、チャールズ一世が生存中に作られた指輪。
写真だと分かりにくいですが、表側は花柄の装飾がされており、内側は"OBBAY THY KING"と彫られています。
我らが王に従う、という意味でしょうか。
左は1691年、右は1700年から1735年の間に作られた、蓋がべっ甲で出来た箱。
王のポートレートの細工が見事です。
左の剣のバスケット型の柄。
この柄はCivil Warの時代に使われていた形だそうです。
表に彫られているのはおそらく王の処刑の様子。
かなり細かく彫られているので、首を持っているのかどうなのか逆に分かりにくいという…。
右は出ました、クロムウェルのデスマスク。
この時代の人の顔って、私たちは肖像画や彫像で顔形を確認しますが、
同じ人でもだいぶ描く画家や彫刻家によって変わっていたりしますよね。
このデスマスクを見る限り、クロムウェルって想像したとおりの顔してるかも。
デスマスク怖い!って思う人も多いでしょうが、私は意外と平気です。
目玉飛び出してるとかでなければ。
続きましてコイン特集。
小さめの13は製版師のNicholas Briotがチャールズ一世の戴冠を記念して作った金貨。
14もNicholas Briotが王のイギリス周辺海域の主権を主張するために依頼を受けて大量生産したもので、
イギリスのライバルであるオランダを攻撃するためでもあったようです。
Civil Warの時代には装飾品として、また記念としての様々な金バッジが作られ、
左の2はチャールズ一世が1643年に先鋭部隊のために作らせたthe Forlorn Hopeというバッジ。
5はオックスフォードで作られた3ポンド金貨。
彼が抱える剣とオリーブの枝は、戦争と平和の選択を意味し、
裏側は王の大綱であるプロテスタント信仰、英国法、議会の自由が宣言されているそうです。
ちなみにオックスフォードは1643年から1646年まで王の主要造幣局だったとか。
1649年1月30日、チャールズ一世は処刑されるわけですが、
今まで見てきたあちこちのギャラリー同様、彼を讃える芸術品は多いです。
12のメダルも同じように、彼の不屈の精神を讃えています。
表面には描かれてませんが、裏面に金床とハンマーの間にあるダイヤモンドが描かれているようです。
13,14はクロムウェルが護国卿となる直前、共和制時代の幕開けに作られたと思われるコイン。
この時代のコインは聖ジョージ十字(白地に赤い十字)を描いたシンプルなデザインが特徴。
15はダンバーの戦いの参加者へ作られたものらしいのですが、実際に渡されたのかは不明だそう。
共和制時代には造幣局の機械化が検討されていたそうなのですが、
それも1658年のクロムウェルの死によって頓挫してしまいました。
16はその頃試験的に製造されていたクロムウェルのポートレートのコインで、コレクターに人気なんだそう。
その他、下のメダルは、たとえばクロムウェルの秘書役のJohn Thurloe(19)、クロムウェルの娘Elizabeth Claypole(20)、
チャールズ一世の相談役だったThomas Wriothseley(21)のものですね。
以下は、チャールズ一世~共和制時代以外に気になったものを。
この美しい像は1773年に作られたジョージ三世の妃、シャーロット王妃のもの。
一緒にいる子供たちは娘のシャーロット(プリンセス・ロイヤル)とオーガスタスです。
かわいい小さな二体の人形。これは紀元前150-50のもので、英国で見つかった最古の人形とか。
でも人形というよりは、兜の上の飾りだったのでは?という説も。
そして右は同時代、英国の鉄器時代の角がついたヘルメット。
元々は黄金に光り、赤いガラスの鋲で飾られていたはずのもの。
これが見つかったのはテムズ川のウォータールー橋だというではありませんか。
(隅田川の畔で銅鐸とか見つかったらビックリしちゃうな…)
その他、小さい特別展でスペインやヨーロッパの装飾品が展示されていたんですが、
どんなテーマだったのか分からないまま見ていました。
銃の銃床?部分の絵と彫刻が見事ですよねー。
一通り見終わって閉館の時間となりました。
帰った帰った!と追い出される客たちw
知らないうちに雨が降って止んでいたようで、石畳が雨で輝いていました。
雨に降られたことはあったけど、止んだ後の歩道がこれほど美しかったとは、気付きませんでした。
せっかくなのであちこち散歩をしてから帰ることに。
コヴェント・ガーデンはすっかりクリスマス一色に。
ふと横に入る小径もイルミネーションで飾られています。
一方、SOHOまで来ると、イルミネーションよりはネオンの輝きが目立ってきます。
こちらはこちらで、色とりどりで散歩を楽しくさせてくれます。
明日はいよいよロンドンで初のミュージカル観劇の日です!
詳しく知らないんですけど、そのイギリスの方々の反応からしても西洋にはないのかも入れないですね。面白いテーマですね。
ロンドンレポートを垂涎の思いで読ませていただいてます
ところでその土器は新潟県長岡市から 貸しだされたものでつい先日大英博物館からお帰りなさいという地方ニュースを観たばかりだったのでまさかここで同じ話題に遭遇するなんて!
こういったものが海外に展示されるのは初めてのことだったらしいです
と些細な驚きをお伝えしたくてコメント入れさせていただきました
V&Aミュージアムの日本の部屋も賑わっていましたし、
ロンドンでも日本の文化は興味深く受け止めてもらえていることがうれしいですね。
貴重な情報ありがとうございました!
そうでしたか、新潟県から、というのは現地の説明で見た気がしましたが、
私が縄文式土器を海外で見られたというのも珍しい体験だったんですね!
なんの前情報もなく遭遇したのでラッキーでした。
土器も無事に帰国したようで何よりです!