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「9から始まる奇妙な物語」第3シリーズ エピソード・リスト

2021-03-22 | TV/9から始まる奇妙な物語
「9から始まる奇妙な物語」(以下IN9)のリスト、まだ配信されていないS3も作成しました。
日本語のタイトルは私が勝手につけたものです。
当時Twitter上で行われたクリエイターのリース&スティーヴによるQ&Aも各回ごとに紹介。
リースは青スティーヴは緑で色分けしています。)
 
その他番組の記事はこちら
リース&スティーヴ関連の投稿は、記事カテゴリー「リーグ・オブ・ジェントルマン」をご参照ください。
 
今回もおすすめ度合いに合わせて星をつけてみましたが、
もし配信されたら実際に見て、好きな回を見つけてくださいね!
UK版BD/DVDはこちらで購入可。
 
※このシリーズは第1話のみ、先行して2016年12月に放送されています。 
 
↓第2話以降のシリーズ予告編

 

第1話
"The Devil of Christmas" 「クリスマスの悪魔」(27 Dec. 2016) 

あらすじ:
オーストリアの山荘にジュリアン(スティーヴ・ペンバートン)、妊娠中の妻キャシー(ジェシカ・レイン)、
母のセリア(ルーラ・レンスカ)、息子トビーの4人家族がやってくる。
壁に飾られた恐ろしい悪魔の絵を見つけたトビーに、ガイドのクラウス(リース・シェアスミス)は伝説の悪魔クランパスの話を聞かせる。
クランパスは1日目に悪い子を見つけたら、警告の為に靴に小枝の束を入れ、
2日目にまだその子が悪い子のままなら傷をつけ、
3日経っても悪い子のままなら、子供を袋に詰め、地獄の炎で焼くという。
その話を聞いたキャシーは、絵の中のクランパスの瞳の中に何かを見つけるが他の家族は気づかない。
翌朝、小枝の束が刺さったトビーの靴が見つかって…
 
オススメ度:
 
ポイント:
前述の通り、このエピソードはクリスマス特番扱いで先行して放送されました。
特殊なのは、70年代のB級映画のコメンタリーとして描かれている点。
本編の途中で監督のデニス(声:デレク・ジャコビ)のコメントが挟まれ、
撮影のミステイクや裏話の解説のために時折巻き戻されます。
役者が食事シーンで冷えた料理に手をつけていないとか(実際全然食べようとしてなくて笑える)赤裸々に語る監督。
この回はストーリーもよく出来てて怖いのですが、一番怖いのはエンディング。
実はこれ、ただの音声解説ではないんです…。夢に出てきそう。
リースが言う「フィル・スペクターくらい怖い」とはこのことだ…。
このエピソードは衣装や小道具だけでなく、昔のホラーのスタイルで撮影するために
70年代のカメラや照明を使っていて、たった2日間で撮影されたそうです。

https://x.com/ReeceShearsmith/status/982696817031819266


https://twitter.com/ReeceShearsmith/status/812082330345017348

【Q&Aネタ】
(ついていけなかったと言う視聴者に)
 「色合いもスタイルも全く異なるので、向き不向きはある。"Devil"は技術的勝利だったけど、俺もついていけなかったかも」

(好きなホラーTVシリーズについて)
 「お気に入りの『悪魔の異形』シリーズは『美の迷路』」

(『悪魔の異形』に9は悪魔の番号と信じる男が出てくることを指摘されて)
 「俺らが知らないとでも思ってんの!?」

「TVシリーズ"Beast"のエピソード"Baby"は最高」 ("Beast")
「Armchair Thrillerや『予期せぬ出来事』を見て育った」

 

第2話
"The Bill"「お勘定」(21 Feb. 2017) 

あらすじ:
北部出身のアーチー(リース)、マルコム(スティーヴ)、ケビン(ジェイソン・ワトキンス)の3人は、
ロンドナーのクレイグ(フィリップ・グレニスター)を連れてタパス料理店で夕食を済ませるが、
誰が支払いをするかで口論になり、東欧訛りのウェイトレス(エリー・ホワイト)は困惑。
アーチーがカードを渡すが、カードリーダーからレシートが出てこない。
次に支払いをケチっていると指摘されたケビンが意地になって支払おうとするが、小銭を探す時間がかかってしまう。
するとクレイグが金持ちの自分が支払うと宣言するも、カードが支払不可。
そしてアーチーが脳腫瘍であることを告白し、自分に払わせて欲しいと願い出るが、
同情を買うための嘘であることがマルコムにバレてしまう。
最終的にマルコムはまな板と包丁を持ち出し「ナイフ・ゲーム」で支払う人間を決めようと提案する…
 
オススメ度:
 
ポイント:
第1話放送の翌年2017年2月に放送された第2話。ここから通常通り毎週の放送になっています。
着想はリースとスティーヴがいつも食事しているマスウェル・ヒルのレストランで
勘定で口論するグループを見たのがきっかけ。
彼らも演じたことのある舞台「Art」もインスピレーションの一部になっているそう。
またこのエピソードは訛り(出身)が裏テーマ?になっていますね。
無理やり例えると、東北人の飲み会に東京育ちの人が放りこまれたような感じでしょうか。
ちなみにリースとスティーヴは北部出身、ジェイソンは中部出身、フィリップは北西ロンドン生まれ。

【Q&Aネタ】
 
第3話
”The Riddle of the Sphinx”「スフィンクスの謎」(28 Feb. 2017) 

あらすじ:
ニーナ(アレクサンドラ・ローチ)は、ケンブリッジ大学に侵入したところを
ナイジェル・スクワイアズ教授(スティーヴ)に発見される。
クロスワード好きの恋人サイモンに答えを教えてあげたくて
学生新聞に「スフィンクス」の作者名で暗号クロスワードを提供している教授の部屋に忍び込み
明日掲載される問題の答えを盗もうと思ったらしい。
教授は、掲載予定のクロスワードを使って解き方を教えながらも、
ニーナにサイモンと言う恋人がいないことを見抜くが、突然彼の体が麻痺し始め…
 
オススメ度:
 
ポイント:
教授がカップをすり替えたことを意図する"ISWAPPEDCUPS"など、
クロスワードの答えが登場人物のセリフとシンクロする、手の込んだクレバーな回。
「ニーナ」と言う名前も「縦読み」みたいな、クロスワードに隠された単語やフレーズを示す言葉だそうです。
暗号クロスワード好きのスティーヴは、クイズ番組問題作成者だったアラン・コナーの本を読み、
「劇的ではないクロスワードを劇的に見せられないか?」と考えたそう
そのアランとガーディアン紙の作家がスティーヴに協力して作成された問題は、
劇中だけでなく、実際にガーディアン紙に掲載されました。
ガーディアンに担当者以外の作家が参加するのは珍しいことらしいです。
撮影場所は「地獄降り」や「交霊会」と同じアボッツ・ラングリー。
 
【Q&Aネタ】
 


https://twitter.com/ReeceShearsmith/status/835444745182851075

 

第4話
"Empty Orchestra"「カラ・オケ」(7 Mar. 2017) 

あらすじ:
マネージャーのロジャー(スティーヴ)の昇進を祝うための仮装カラオケパーティー。
力士スーツを着たグレッグ(リース)が到着し、ヒューマン・リーグの"Don't You Want Me?"を歌い始める。
彼は、ブリトニー・スピアーズに扮したフラン(サラ・ハドランド)と付き合っているが、
実はエイミー・ワインハウスに扮したコニー(タムジン・アウトウェイト)と浮気している。
仮装せず赤鼻だけつけているロジャーは何故か浮かない様子で、
グレッグは彼が持っている封筒に解雇される人間の名前が書いてあるのではと疑う。
ロジャーのアシスタントでボーイ・ジョージの扮装をしたジャネット(エミリー・ハウレット)は聴覚障害者。
コニーがマイケル・ジャクソンの仮装をしたドウェイン(ジャボン・プリンス)の携帯を使い、
いたずらで「僕のために歌ってほしい」をメールを送ったため、ジャネットは彼に向けて"Only You"を歌い始める…
 
オススメ度:
 
ポイント:
IN9には珍しく?ハッピーエンドな回。
曲の歌詞が、歌っている人の心情を表してセリフ代わりになっている、ある意味「ミュージカル回」。
青春映画「THIS IS ENGLAND」の中で音楽を楽しむシーンに影響を受けています。
エピソードの性質上、登場人物がずっとカラオケで歌っていることになるため、
歌だけ別撮りし会話とかぶらないようにするなど、撮影はなかなか難しかったらしい。
ジャネットを演じたエミリー・ハウレット自身も聾者の為、歌を歌うシーンはかなり訓練したそうです。

↓このエピソードで歌われた曲のリストを見つけた!ありがたい。
OGPイメージ

Inside No. 9 Season3 Episode 4 "Empty Orchestra" Karaoke Music

 

YouTube

 

【Q&Aネタ】
魔女裁判よりカラオケ回の方が撮影が難しかった
DVD化のための音楽著作権はオールクリア済

 

第5話
”Diddle Diddle Dumpling"「片っぽの靴」(14 Mar. 2017) 

あらすじ:
専業主夫のデヴィッド(リース)は、ジョギング中に片方だけの紳士靴を見つける。
拾ってきたその靴に異常な執着を見せる彼は、持ち主を探すため、
迷い犬探しのように電話番号を載せた靴のポスターを貼り、妻のルイーズ(キーリー・ホーズ)を怒らせる。
夫婦に家へ招かれた友人のクリス(スティーヴ)はデヴィッドに仕事を紹介するが、
靴の持ち主を探すための「プロジェクト」に夢中な彼は全く興味を持たず、
クリスに持ち主探しを協力してもらうことばかり考えている。
そして、ついに靴の持ち主を名乗る男が現れて…。
 
オススメ度:
 
ポイント:
スティーヴが通勤途中に片方の靴を見つけたことから着想を得て作られたエピソードで、個人的にお気に入りの回。
ヴィヴァルディの「四季」に乗せて、春夏秋冬に渡ってデヴィッドの「執着」を追っています。
この番組はいつも部屋や番地に「9」がついていますが、今回は靴のサイズが「9」。
持ち主として現れるマシュー・ベイントンは、魔女裁判回のジム・ホウィックと同じく、
子供向け番組"Horrible Histories"でリースたちと共演しています。
タイトルの"Diddle, Diddle, Dumpling"は、同題の童謡(ナーサリー・ライム)から。

【Q&Aネタ】
エンディングの血は「テッドの。もっとダークなのが好みなら娘の」
「少し長かったためカットしなければならなかったがエンディング自体は変わっていない」
「靴をモチーフにしているために全てを対照的にした」
靴について2分考えないようにするのは映画「マジック」(1979)の引用
「執筆時点で視覚化はしているけど規範的ではない。
  演出家は、今夜のシンメトリーのように、アイディアを許されている」


 

第6話
"Private View"「内覧会」(21 Mar. 2017) 

あらすじ:
彫刻家エリオット・クインの回顧展に、リアリティ番組の元出演者キャリー(モーガナ・ロビンソン)、
視覚障害のある官能小説家パトリシア(フェリシティ・ケンダル)、
美術評論家のモーリス(リース)、安全衛生局員のケネス(スティーヴ)、
学校給食係のジーン(フィオナ・ショー)の5人が特別招待される。
5人は面識もなく、何故招待されたのかもわからない。
すると、キャリーとモーリスは展示されている椅子の上に座った男の死体を発見。
そしてケネスとジーンはエレベーターの中で給仕係の女が死んでいるのを見つける。
5人は別行動で会場から逃げ出す方法を探すのだが…。
 
オススメ度:
 
ポイント:
冒頭で殺される男としてカメオ出演しているのはコメディアンのピーター・ケイ。
リースとは人気番組"Peter Kay's Car Share"で共演。
(リースのインチキ日本語が聞けます。)
大体シリーズ最終回はホラー作品でしたが、これはIN9版「そして誰もいなくなった」なミステリー?回。
この回のエンディングの最後(たった30秒)はちょっとわかりにくいけど、
ネタバレにならない範囲で説明すると、真犯人の目的を別の人間が掠め取った、という感じでしょうか。


https://twitter.com/ReeceShearsmith/status/830106429688279041

https://x.com/ArtyBagger/status/844329338543755265

エピソードはここまでですが、紹介しきれなかったQ&Aがまだまだ残っているので、
こちらにまとめました。よかったら引き続きどうぞ!(字数制限が憎い!)


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