移住は帰らなくてもいい終わりのない旅。人生そのものも旅。そして気づき始めたあの世への旅。旅と夢限定ブログ
2019年8月のパース4日目は
ヤンチェップ国立公園を出た
後もひたすら北上しました。
左には真っ白な砂丘?砂山?
左は真っ青なインド洋
パースからなら2時間強、
ヤ
ンチェップからは約1時間半の
漁業の町セルバンテス到着
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本当に道が一直線(笑)
やって来たのは
ロブスターシ
ャックというロブスター卸売
業者経営のレストラン🦞
一大観光名所でもあります。
レストランはむしろオマケで
ここは水揚げしたロブスター
ウエスタンロックロブスター
を大きさに分けて仕分けする
一大作業場で、作業の様子を
ビデオで見、見学できます。
ここに来て初めて知ったのが
ロブスターが天然だったこと
てっきり養殖🦞だとばかり。
インド洋を
泳ぎ回る歩き回る
ロブスターの売上高は年間500
億円近く、国内漁業の20%に
何艘もの自社船を駆使し年間
漁獲高制限までの漁を行い、
水揚げ後はすべてここに運び
込まれ、計量と登録が行われ
サイズごとに分けられます。
大きいものは2キロ半だとか
独特の木製のカゴ
生きたロブスターは汲み上げ
られた海水が流れ続ける水槽
で輸出のタイミングを待ち、
期間中はエサなしでも海水か
ら十分な栄養が摂れるそう。
なので1秒間に200リットル
の量で流れる海水はロブスタ
ーとビジネスの生命線です。
見学者通路が設けられ作業が
見え衛生も保たれています。
主要輸出先がわかる国旗
ロブスターは30時間の輸送
に耐えられるそうです
アジアの航空会社多数(笑)
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キャセイ航空もあったし
現地のイメージ写真もアジア
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アジアが上得意なんですね
創業者デイビッド(ドガ)トン
プソン。1960年代に息子3人
とロブスター漁を始め、今で
は三代目にも受け継がれ、フ
ァミリービジネスは拡大中
見学の後はさっそくランチ
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目の前が白砂のビーチという
絶好のロケーション
あの桟橋から出漁するのか?
赤と青のシェードが強い日差
しによく似合うし、光を遮り
実用的です。白じゃ負ける
微妙~な隙間がカモメの防止
にもなっているようです。
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お互い間から見つめ合うだけ
ジャ、ジャ、ジャ
ジャーン
アレっ
けっこう小さい(笑)
工場見学で大きなのばかり見
てきたせいか小さく見える
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(👆要は輸出向き以外のサイズ)
ランチだけの営業なので観光が
てらに立ち寄るにはいい場所
さらにこの先にも見どころが
2019年8月のパースも4日目
クルマを借りて日帰りで郊外
に足を延ばしてみました
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パースから北へ真っすぐ50km
ヤンチェップ国立公園に到着
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ヤンチェップは先住民アボリ
ジナルのヌンガー族の言葉で
『葦』のことだそうです。
ここは野生動物の宝庫で、す
ぐにアイビス(トキ)と呼ばれ
るオーストラリアクロトキ
いや違う。背中が黒い
日本語はクロトキでも英語は
Australian White Ibisでシロ
トキ。街中や公園などどこに
でもいて、スズメやカラスの
ように残飯を漁るのでも有名
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(※ブリスベンの街中にて)
背中が黒いのはムギワラトキ
(Straw-necked Ibis)といい、
成長すると首の周りに麦わら
のような薄茶の飾羽が生える
のが名前の由来。幼鳥はそれ
がなく、羽の色も単調な黒で
会ったのは幼鳥だったよう。
成鳥の羽は黒地に七色に輝く
構造色になるらしいです
クッカバラと呼ばれるワライ
カワセミ。人の笑い声のよう
な声で鳴くんだそうですが、
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鳴いてくれず
ヘアスタイルも決まってる
オーストラリアのマスコット
的な鳥でニューサウスウェー
ルズ州の州鳥でもあるそう。
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カワセミ好きなのでこの近さ
での遭遇は嬉しかったです。
コアラ
カンガルー島以来
もちろん、こんな高さです
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本当に高い所が好きらしい。
このコアラは二股の枝に顔を
引っかけて熟睡しています。
安定してそうだけど、苦しく
なの?枝もよく揺れてるし💦
私たちが木の上で寝てみよう
と思わないように、コアラも
地面や草の上でゴロンなんて
考えた事もないんでしょう。
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いいポジションをげっと
公園内には大きな湖があり、
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えも言われぬ静かさと美しさ
この水が生態系を育む、ヌン
ガー族の大切な場所でした。
ヤンチェップの名前どおり葦
で水質が守られているよう。
NZのタカヘやプケコの先祖
になるらしいネッタイバン
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色がそっくりです。
コダイマキエインコ
アカビタイムジオウム
モモイロインコ
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この辺はオーストラリアなら
普通の公園でも見られます。
ここにはラカリというオース
トラリア固有の水ネズミがい
るのですが、さすがに会えず
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クロカンガルー(ウエスタン・
グレーカンガルー)にも会えま
せんでした。カンガルー島の
カンガルー・アイランド・カ
ンガルーは亜種なんだそう。
公園内の歴史的建造物指定の
宿泊施設
ヤンチェップイン
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パースからの週末旅行に最適
な距離とロケーションです。
チャウンミア・ヤンチェップ
レイクビュー・ティールーム
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2001年の創業でチャウンミア
はヌンガー語で『食堂』だとか
中国語だけど使い方が違う
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これだと「食え
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」かな(笑)
言われなくても食べますよ
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トースティー
ティールームでもコーヒー
門はカンガルー保護のため
ヤンチェップについてググっ
ている時に偶然見つけた事が
興味深く書き残しましょう。’
1970年にイギリスからの移民
アラン・ボンドという実業家
が一帯の牧場を買い上げ、ヤ
ンチェップサンシティーとい
う、パースのサテライトシテ
ィー兼国際的な一大リゾート
開発に乗り出し、高級マリー
ナやゴルフ場建設に着手。19
87年のアメリカズカップ開催
を目指しました。しかし、開
催地は空港やホテルなど既存
のインフラが整備された
フリ
ーマントルに決定しました。
その後、ボンドは資金繰りに
行き詰まり、1977年にサンシ
ティー開発計画を日本の東急
に一括して売却し、東急は45
年を経た現在も地元企業との
合弁で息の長い開発を続けて
います。詳しくは
コチラでも
👆で2020年となっている鉄道
駅開業予定は2023年に延期さ
れていますが、意外にも計画
が日本企業により延々と継続
されている事に小さく感動
AFL観戦が終わって球場の外
に出ると、マタガルップ橋が
勝ったイーグルスのチームカ
ラーにライトアップされてい
て、しかも色が変わります

ブルー
ゴールド
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これはサポーターもアガるだ
ろうなぁ。多くの人が動画を
撮っていたのも判る美しさ
暮れなずんでいくスワンリバ
ー。まさにオーストラリア色
河面に映るマタガルップ橋も
架け替えたデザインの意義を
知ると一層美しく感じます。
ガラス箱のようなスタジアム
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前日は
オールブラックスのま
さかの結果で、同じ光景でも
楽しむどころかとっとと立ち
去っていたのか写真がない💦
ウェリントンストリートとい
う大通りを行くと、「ん
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」

セントジョンのロゴのビル
王立パース病院の正面の立地
オセアニアでセントジョンと
言えば救急車

の代名詞で、
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NZでもウェリントン以外は、
救急車を呼ぶとセントジョン
が来るはずで、見慣れたロゴ
調べてみたら、ここは1940年
代に完成したセントジョンの
パース総本山で、アールデコ
様式。2001年に歴史的建造物
指定を受け、一大再改築を経
て2006年よりユースホステル
写真の部分をファサードに奥
に長い建物で、敷地2,000平米
の商業地区の貴重な一等地。
しかし、コロナ禍の影響か20
20年10月に売りに出ました。
道なりに行くとパース駅に出
て駅の構内がよく見えます。
中央駅だけあって広いです。
乗客なのか工事関係者なのか
が数人いるだけで人がいない
外に出ても人影は疎らでさす
が週末のオフィス街なのか?
やって来たのはヤガンスクエア
広告塔の表示が刻々と変わり
木目調の巨大な建物ですが
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暗くてよくわかりません💦
こういうものだそうです。
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(※
公式ホームページより)
パース駅に直結した交通の要
所でここはバスターミナル
ここに来た目的はココのため
フィッシュボス
(※執筆時にはヤガンスクエア
店はすでに閉店していました)
夫のバーガー。私はヘルシーボス
焼き魚+サラダの組み合わせ
これだけで頼めるところが神
ご飯やポテトも追加できます
が、要らない私には助かる
この店は西オーストラリアで
とれる魚にこだわり、あまり
使われない魚も使う魚専門店
使い捨て食器で食べるのが惜
しい充実度で、ファストフー
ドではなく、待たされます
それがまた本物の証明なのか
他にもモダン居酒屋や
カレー専門店
ポケ専門店がありましたが、
ここも既に閉店しています。
ヤガンスクエアのすぐ脇を通
るウィリアムストリートと
その古色蒼然とした手すり
パース駅のウェリントンスト
リートからの出入り口。
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駅は1881年の開業。今も西
オーストラリア鉄道網の要
1921年の様子
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(※
ウィキペディアより)
いつかここから東に向かう大
陸横断鉄道
インディアンパシ
フィックに乗るのが夢です。
シドニーまで4,000km超
緑の巨大なパブリックアート
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『自分のを育てよう』(Grow
Your Own)というサボテン🌵
ジェームス・アンガス作
ホテルへの帰り道で見かけた
ファサードのあるバーかな?
これって古いの❓レプリカ❓
デザインは20世紀初頭風でも
夜目にも非常にキレイで経年
感がなく、1階部分がのっぺり
ツルツル。写真を見てもバル
コニーの鉄製の部分がなんか
こう不自然に細い気がする
フリーマントルで
この時代の
建物をさんざん見てきた直後
のせいか、ナゼか違和感が
と思って調べてみたら、ビッ
クリな結果が出てきました
ここは元レイルウェイホテル
で、パース駅の開業を2年後
に見据えた1879年開業。鉄
道ホテルは成功し、1906年
に建て替えられ、フェデレー
ションフリークラシカル様式
となり、ファサードも完成。
1992年にホテルの再開発が
決定し、再開発業者は違法に
歴史的建造物指定を受けたフ
ァサードを壊してしまいまし
た。業者は再建による復旧を
命じられ、現在のファサード
ができあがったそうです
1990年代にオリジナルに忠
実にフェデレーションフリー
クラシカル様式を再現したこ
とは非常に重要で、匠の技が
継承されていた証拠だそう。
2019年8月の初パース3日目
は初のオーストラリアンフッ
トボール・リーグ(AFL)観戦
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(※NZにはない規模の球場。
収容人数6万人。NZ最大の
イーデンパークは5万人
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)
通常フッティーと呼ばれる楕
円のボールと円形球場を使う
競技はオーストラリアンフッ
トボールやオージールールズ
と呼ばれ、ラグビーとはまっ
たく違うスポーツ。手が使え
るサッカーにも似て、最も危
険

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な球技でもあります。
その過酷さからかオーストラ
リア以外には普及せず、NZ
にさえありません。しかし、
国内人気は絶大
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なもので、
クリケットと並ぶ国技です。
前日のラグビーの国対抗試合
どころではない国内リーグの
盛り上がりに圧倒されます💦
オージーの150回目の飛行

と電光掲示板に映し出され、
えっ
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ホントに🦅が飛んでる
丸い球場を力強く飛び、球場
は割れんばかりの大歓声に
オージーは150回も飛んでい
るので慣れっこのようで鷹匠
(鷲匠?)の元へスーッと降り
ご褒美をもらってました
鷹匠が女性なのがオーストラ
リアらしい。鳥好きとしては
うっとりしてしまう光景
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オージーは小型カメラを背負
っていてスクリーンに映し出
された球場は、まさに鳥観図
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のしのし歩けそうな立派な脚
そしてなによりも可愛い
脚をロープでつないでる
羽が開くとやっぱり大きい
大歓声に応えながら退場です。
オージー、いつまでも元気で
まずは敵地に乗り込んできた
アデレードクロウズの入場

持参の横断幕の下を潜り抜け
カラス軍団がんばって
アデレードつながりで応援
でも周りは地元ウエストコー
ストイーグルスのサポーター
で声援も送れない雰囲気

イーグルスは息巻くイーグル
から登場してまたまた大歓声
さぁ、ガチンコ勝負の開始
とっとと潰されるイーグル(笑)
AFLは選手もながらお人形の
ようなレフリーも見もの
いろいろな仕事があります。
それなりに鍛えてないとムリ
人数も大勢で仕事もいろいろ
円形球場ゆえの大所帯
得点はサッカーと同じゴール

(※ラグビーはトライです)
前半は互角
後半戦に向かうレフリーたち

体型もラグビーよりサッカー
両チームともゴール裏がスゴい
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ワシ
カラス
しかし、後半にイーグルスが
底力を発揮しカラス軍団敗北

試合終了と同時に両チームの
選手が仲良く語り合い始める
のはラグビーと一緒でした。
初のAFL観戦は思った以上の
楽しさでシーズン中にオース
トラリアに来る時はできるだ
け球場に足を運ぼう

と思い
ましたがチケット取るのも楽
ではなく、がんばるぞー

(※その前にコロナを生き延び
て、元気に過ごさないと

)
2019年8月のパース3日目は
エリザベスキーなど周辺を一
周していったんホテルに戻り
斜め向かいの小さな商店街へ

@カールトンセンター
ここでも
入居者募集中💦
ニューロズ・ケバブス
というケバブショップ

もちろんハラルです
夫は巻いてもらい
私は
サラダどっさりで

NZやオーストラリアは旅行中
でも生野菜が欠かせずとれる
のでありがたいし助かる~
ランチ後はふたたび歩き出し
この関係と思われるクルマ

を見ながらズンズン行くと
前日に続き昼間から飲む連中
またまたここを通過して
再び見えたマタガルップ橋
しかも、また渡ってる
行き先は当然同じスタジアム
橋上にあった新旧の橋の違い
2018年に完成した新しい橋は
設計者デントン・コーカー・
マーシャルの意向で有機的で
ほっそりしたエレガントな形
が追及されたそう。橋のアー
チはリボン、白鳥や黒鳥、ア
ボリジナルの神話に登場する
蛇ワギルを表し、多様な文化
の結集を象徴しているそう。

確かに有機的な曲線が華麗
「鉄ならいっくらでもある
」
と資源国の自負にも見える(笑)
ここでのガン飲みもまた一緒
前日
前日は全般、黒と黄色
この日は青と黄色
オーストラリアですから
黄色ではなくゴールドか
とにかくスゴい人数で老若男
女が一斉に集っている感じ。
どんなスポーツでもサポータ
ーの裾野が広ければ広いほど
競技に未来を感じます
2日連続で同じ球場に来ても
前日はラグビー、この日はフ
ッティー(オーストラリアン
フットボール、オージールー
ルズ、AFL)で、丸いグランド
をそのまま丸く使います
ポールの数もこの多さ

ラグビーを見慣れた目には何
もかもが新鮮なAFL初観戦
地元の強豪
ウエストコースト
イーグルスのホームゲーム
選手の入場ゲートもイーグル
対戦相手は試合前からの大歓
声の中でちょっと寂しげな❓

アデレードクロウズ
そう、
感動の瞬間を見逃した
アデレードのカラス軍団

(※クロウはカラスのこと)
しずしずと運んでいる物の中
には驚くべきものが入ってい
たのですが、続きは次回に
スワンリバーに向かってコの
字型になった
エリザベスキー
の一番奥の部分に来ました。
オフィス街を背に正面は渡っ
てきたエリザベスキー歩道橋
スパンダ越しの視覚効果も
右手は丸みのある高層ビルの
間に尖ったベルタワーを挟み

丸みのあるものに囲まれる中
タワーの鋭さが目立ちます。
メリーゴーランド

パリを思い出すヨーロッパな
光景で、どうしてパースに
ビンテージなデザインでも古
くもないし、とてもキレイ

調べてみたらエリザベスキー
の再開発に合わせて設置され
た新しいものでした。元はロ
ーハン・ミルンという地元で
カスタムジュエリーの店を営
む実業家が、スペインで家族
旅行を楽しんだ時のメリーゴ
ーランドに魅せられ、彼が発
起人となって実現したとか。
このメリーゴーランドは北イ
タリアのベネト地方の専門業
者に発注し、ベネチアンアー
トを活かしたものだそうで、
ジュエラーとして不朽の価値
を求めた結果がこれでした。
これから何世代もの間パース
の子どもたちの共通の思い出
になる、素晴らしい贈り物
オフィス街は新旧入り交じり
初日に来た
ロンドンコートも。
ステートビルディング

1874年完成のフェデレーシ
ョンフリークラシカル様式。
財務省など州政府機関が長ら
く使用し、現在はホテル、レ
ストランなどの商業施設に。
カンガルーが水飲んでる~

ちゃんと小さな噴水が
カンガルーを愛し、知り尽く
したア―ティストの手による
ものなのでしょう。リアルで
自然な姿に笑顔になります。
ひと際古い小さな建物は1859
年に完成したセントジョージ
大聖堂の司祭の住居でした。
こちらはセントアンドリュー
長老派教会。街の中心だけあ
って古い教会が建ち並びます。
ミラービルに映るレンガの胸壁
ガバメントハウス

西オーストラリア州首相官邸
1864年完成のジャコビアンリ
バイバル様式だそうで、フェ
デレーション様式前の格式の
高さがうかがえる建物です。
パースコンサートホール
歩いていたアデレードテラス
は高層ホテルが立ち並ぶ通り
しかし、商業物件は驚くほど
空室が目立ち、2019年当時
のコモディティー価格の伸び
悩みと関係があったのか
なんといっても鉱物資源の国
の中心地であるパース

ひと際目立った資源メジャー
BHP、リオティントのビル
1棟売りのビルとか
大々的に入居者募集中とか。
売ってもよし、貸してもよし

とにかく空室だらけでした。
『年間家賃4万ドルでカフェ
経営』という具体的な数字
コロナ禍のステイホームや外
国人観光客の不在の中、今は
どうなっているんだろう

💦
と思ってググってみたら・・
2021年8月現在パースのオフ
ィス空室率は16.8%と2015年
以来最低水準に。コロナもな
んのその大きく改善してる
やっぱりコモディティー価格
と関係しているのか?鉄鋼石
価格は訪問時で単位当たり80
米ドル台。それが今年に入っ
て220米ドル台をつけ、3倍近
くの急騰

しかし、7月以降は
急落に転じ今は100米ドル
パースのオフィスはどうなる?
観光しつつもどうしても興味
は不動産に向いてしまいます。
2019年8月の初パース3日目
クラシックカーで目の保養を
した後もスワンリバー河畔を
行くと、右手に高層ビル群
左手の水上に白い建物が見え
カフェらしく人がいます
水上の白い建物は
西オースト
ラリアン・ローイングクラブ

カフェはその陰に隠れるよう
な
ルブラ・オン・ザ・スワン
rowing clubは日本語だと自動
的にボートクラブと訳されま
すが、手漕ぎ舟限定なのでカ
ヌークラブのようなものか?
1868年の創立で、今のクラブ
ハウスは3代目だそうです。
ここはロースタリーでもあり
軽く遅めの朝食に
オーストラリアらしいルーバ
ーの日除け。NZにもだんだん
普及してきて、よく見ます。

いつか家に付ける日が来る
水辺の一等地の一大工事は、
ダブルツリー・バイ・ヒルトン
「さすがにもう完成してるよね
」
とググってみたら、2020年12
月のコロナ禍に開業。18階建
て229室だそうで、マレーシア
資本SKDグループによる開発
1999年完成のベルタワー

高さ82.5ⅿで18個の鐘が格
納され、鳴らされる観光名所
一帯は2016 年に完成したエリ
ザベスキーと呼ばれる一大再
開発エリアで何もかも新しい

(※奥はパースのオフィス街)
2012年のエリザベス女王の
ダイヤモンドジュビリー(在
位60周年記念)にちなむ名称
観光の起点になっているのが
よく判り便利で機能的な造り

観光バスあり
観光船あり
再開発計画は1700戸のアパ
ートメントやオフィス、小
売スペースの開発を含み、
ウォーターフロントエリア
の一大複合再開発でした。

(※高級アパートメント群
奥にはリッツカールトン)
パブリックアート『スパンダ』

2016年設置。直線的なミラ
ービルとの対比が美しい
アイランドブリューハウス
ここはコの字型のエリザベス
キーに突き出た出島で1880
年代から各種スポーツクラブ
の活動拠点だったそうで、古
の活動やクラブハウスの写真
今も大きな児童公園があり、
市民の憩いの場兼観光名所

変わった植物を発見
ランナー

の行く先には・・
エリザベスキー歩道橋
シティーのど真ん中にこんな
場所があるのが羨ましく、走
ったり歩いたりしたくなる~

(👆一応歩いていますが

)
橋を渡ってコの字の反対側で
迎えれくれた碧い空と河に映
えるアルミ製のアートワーク
『ファーストコンタクト』

アボリジナル・アーティスト
ローレル・ナナップ作
ヨーロッパからの船がこの地
に到着した時、先住民族のヌ
ンガー族は先祖が船に乗って
海から戻ってきたと信じたそ
うで、その後のイギリスの侵
略、植民地化を知れば胸が痛
むような、無垢で善良な魂。
繁忙期にはここがいっぱいに
なるほどフェリー客が集まっ
たのでしょうが、コロナ禍の
現在はさぞや大変でしょう。

フェリー・エリザベスキー
アボリジナルの点描画をタイ
ルモザイクで再現した一角

オーストラリアの公園はシェ
ードがあるところが多く、紫
外線対策が普及しています。
雲ひとつない抜けるような青
空だったこの日はUV指数『2』

「長袖長ズボン、帽子など予
防が必要ないレベル」とされ
ましたが、NZからだともの
スゴい陽射しに感じました💦
2019年8月のパースも3日目
前夜のショック
から気を取
り直してやってきたスワンリ
バー河畔はなんとも開放的。
日曜日で運動する人も多数

@リバーサイドドライブ
えっ
遊歩道をクルマが走ってる
こんなクルマもその辺に
なにごとかと思ったら、クラ
シックカー愛好家の日

に遭
遇したようで、調べてみたら
セレブレーション・オブ・モ
ータースポート&クラッシッ
クス・オン・ザ・スワンとい
う長い名前のイベントでした。
歩いて行けば行くほどクルマ
クルマ、クルマ、クルマ
ここからはトヨタらしい
コレってトヨタなの❓
ポンティアックとか
ムスタングとか他にもいろい
ろ聞いたことはあっても名前
を見ないことには判らない💦
どのクルマもピカピカの塗装
または凝ったペイントで
オーナーたちの手間と、お金
と、愛情

が掛け流し状態
なんと美しいピックアップ
どうせ目立つんだし色も主張
メカでも主張(しているらしい)

なんだか判らなくても機械類
が整然と配置されています
ここを走れるのは年1回のはず
見たり

見られたり

自慢したり

されたり

が嫌味なく自然に行われて、
クルマが好きで好きで
という人たちが語り倒す日
こんなのはその時代のオージ
ー(オーストラリア人)たちの
憧れの姿だったんだろうな~

サーフボード積んでビーチへ🏄
これもそうだったんでしょう⛺
売りに出ているクルマも。

1926年のロードスター
5万7,000ドル(約450万円)也
コレ買うかテスラのモデル3か
で悩む人はいないと思います
が奇しくもほぼ同じお値段(笑)
1946年のダッジファーゴ

カナダのピックアップで当時
はオーストラリアでも組み立
てをしていたんだそうです。
珍しく説明があり立ち止まっ
たら、オーナー氏が出て来て
農家から譲ってもらい、一か
ら造り直したストーリーを聞
かせてくれました。まるで魂
が宿っているような温かみが
あり、お世辞抜きでコンビの
配色といい、気に入った1台
こういうのもありました
第2次大戦中の救急車

退役軍人協会所有か個人所有
か、皆さんユニフォームも
いいモノを見学できました
2019年8月の初パース

フリ
ーマントルからバスでホテル
に戻り、
マーケットで買って
きたイチゴ


に舌つづみ。
冬の8月に普通にイチゴがあ
り、NZと比べてパースの冬
の暖かさが実感されました。

ハウス栽培はこうはならない?
マーケットでも驚く安さ

NZの旬の時期とほぼ同価格
イチゴタイムの後は大勢の後
をついて、ザクザク歩く
みんなが公園に入って行き、

私たちもついて行きます。
1899年に完成したクイーンズ
ガーデンズ。19世紀の公園
一等地にこの広さ、この緑
競馬場グロスターパーク
塀の内側では一大飲み会場
見えてきたのは兜のような橋

街を貫くスワンリバーに架かる
2018年完成のマタガルップ橋
できて1年の真新しい歩道橋
橋の先はオプタススタジアム
スワンリバーを行く観光船
西オーストラリアが
とにかく
スワン(白鳥&黒鳥)なのは、
この川の名称ゆえでした

(※州のコートオブアームズ)
球場近くの特設一大飲み会場

どこも大盛況でビックリ
これがパースなのか
みんなについて橋を渡り
渡った先でも飲んでる飲んでる
NZに比べて人数がハンパない
やってきたのはNZのオールブ
ラックスとオーストラリアの
ワラビーズのラグビーの試合
最も盛り上がる伝統の一戦
ブレディスローカップ
史上初の西オーストラリアで
のオールブラックス戦。私た
の初海外観戦遠征

でした。

記念すべき初の戦いは・・
喜ぶワラビーズサポーター

オールブラックスはワラビー
ズに26:47と歴史的な惨敗
1903年以降世界のどのチー
ムもABs相手に47得点を上
げたことがなく新記録樹立
陽が暮れて

灯りが灯った

マタガルップ橋の帰り道
ABsの試合はいつも地元オー
クランドのイーデンパークで
観ており、ABsは1995年以降
イーデンパークで負けたこと
がないので、2004年に移住し
た私たちはテレビ以外でABs
が負けるのを見たことがなく

オーストラリアカラーの黄金
に彩られた橋を渡りつつ呆然
としながらとぼとぼ帰路へ
しかし、翌週のイーデンパー
クの試合はワラビーズをゼロ
に抑えてこれまた記録的圧勝

(※詳しくは
コチラでも)
私たちが観戦遠征にいくと、
引き分けだったり(南ア戦)

惨敗だったり、もう行かない
方がいいのかと真剣に悩む
今月オールブラックスは2年
ぶりに再びワラビーズと同じ
オプタススタジアムで対戦し
38:21
と快勝し、カップは19年連続
でNZが保持して来シーズンへ
「ダメだ~。また来なきゃ💦」
と言いながら歩いていたパー
ス2日目の午後。しかし長居
もできずまた出直すことに。
ストレリッツ・ビルディング

1897年完成の倉庫兼事務所
ドイツ系ストレリッツ兄弟は
金や交易で財をなし、ここや
パースにビルを建て、兄弟で
オランダ、デンマーク、スウ
ェーデンの領事を務めるなど
(当時は自国民でなくてもよか
った

) 、事業でも外交で
も成功しましたが、第一次大
戦中(1914~18年)は敵性外
国人として拘留されました。
ノートルダム大学の校舎
これまたデコりにデコった20
世紀初頭のゴールドラッシュ
に想いを馳せるような建物
フェデレーションフィリグリー
様式で1901年完成のP&Oホテル

今はここもノートルダム大学
の学生寮でこんなところに数
年でも住める学生が羨ましい
1895年完成のユニオンストア

当時は街最大の工具店だった
そうで今は市の所有で本屋に
入口のタイルの美しさたるや
セントラルチェンバース

1907年完成のフェデレーショ
ンフリークラシカル様式。ハ
イストリートに舞い戻って、
ハッシュ・スペシャリティー
カフェ
ウエストエンドを歩き回って
いた時から目を付けていた店
外からは想像もつかなかった

こんな広さと2階と内装と
オーストラリアらしいセンス

誰もいない2階席にしました。
家ではできないレトロシック

エアコンもカモフラっぽく
壁を剥がした剥き出しのレン
ガに間接照明が温かさを醸し
全体にザラザラした空間に鏡
が上手くポイントになって、
さらにツルツルの天井レリーフ
完ぺきな形で残っています。
これは頻繁に来たくなる店
学生寮が多く学生も多そう
おネエさんがこれまたお洒落

フリーマントルに来る時には
必ず再訪します
緑の方はどこかの段階で敷地
を売ったのか2/3になってる
ANZ銀行の昔の金庫
めちゃくちゃ気になったデリ
リトルシスター
また来なきゃまた来なきゃ💦

と言いつつ、バス停に戻って
パース市内に戻りました。
レプリカトラムの観光バスで
周るのがなかなか良さそうで
すが、現在はコロナで運休中

次回はフリーマントルに宿泊
してがっつり周りたいと思い
ますが、それはいつだろう
パースを中心とする西オース
トラリアの近代史は、1829年
にイギリス領のスワンリバー
植民地として始まりました。
翌1830年には初の常設の建物
としてラウンドハウス建設が
始まりました。なんと刑務所
植民地建設はまず刑務所建設
からだったというこのリアル
完成は1831年で、今も西オー
ストラリア州最古の建物です。

古さを感じる独特な階段
西オーストラリアの流刑植民
地化は1849年からなので、こ
こは地元犯罪者のために建て
られ、1885年に流刑囚により
建設された
フリーマントル刑
務所が収監を始めると、ここ
の囚人もそちらに移され、刑
務所としての幕を閉じます。

モデルが女囚といのもリアル
丸い建物には丸い中庭があり
8つの独房と看守の住居はす
べて中庭に面しています。
1833年に中庭に掘られた井戸
中庭に置かれたベルはかつて
ラウンドハウスの外に置かれ
1850~68年の間、毎晩9:50
に鳴らされていたそうです。

その目的はホテルのバーで飲
んでいる仮釈放中の囚人に10
時の門限を知らせるためで、
10時までに戻っていないと、
警察に捕まってラウンドハウ
スで一夜を明かすことになり
刑務所の後は留置所として、
1899年まで使用されたそう。
その頃の写真

(※19世紀後半のラウンドハウス
ウィキペディアより)
壁には収監の理由(殺人、放
火、豚殺し、家畜泥棒等も)
支給された物の品目
1日の食事と内容
囚人に課せられた仕事
ここの囚人も井戸、道路、埠
頭建設など重労働が刑として
課され、重労働者には毎日塩
漬け肉が200g出されました。
そうでなければ肉は週1回。

どっちも辛いかも
ナゼか内部の写真がなくこの
バーチャルツアーをご参照
ラウンドハウスの外には海に
向かって大砲が設置され、こ
れは1900年に設置された時刻
を知らせるためのタイムボー
ル(報時球)と砲台だそうです。
毎日午後1時になると高い場
所に掲げられたボールが落ち
空砲が鳴らされていました。
今でもボランティアの手によ
り時報が続けられています。
ここはアーサーヘッドという
場所でため息が出る美しさ
どうしてこんな脱走したくな
るような場所に最初の刑務所
を造ったのかと思う風光明媚
灯台もあり古から船の往来も
多そうで、脱走しやすそう

(👆脱走する気満々の視線

)
港も近く賑やかな場所です。
沖合にはロットネスト島
現在は市民の憩いの公園に
とても好みだったノアの箱舟
風パブリックアート
メルボルンのブライトンビー
チの
ビーチボックスのよう
1851~1862年に建てられた
軍の兵站基地。今は博物館
ホテルもレストランもたくさ
んあり観光客が大勢いそう。
とても1日では時間がなくこ
の辺は出直してこないと~💦
2019年8月の初パース2日目
フリーマントル刑務所を出て
街に出ればビクトリア時代に
足を踏み入れたかのようで、
街並みがそのまま残っていて
改装され

今でも現役です。
フリーマントルタウンホール

1876年に計画、1887年完成
円形広場に面した高い塔のあ
る、まさに街のランドマーク
後では大きな工事が進行中で

一大再開発中のようでした。
周囲の建物も同時代のものと
思われますが入居者募集中
タウンホール隣のイギリス国教会

1843年に創建された最初の教
会を取り壊す際に、敷地の一
部を市に売却してタウンホー
ルが建設されたため、1882年
に再建された現在の教会と、
タウンホールは隣同士です。
自転車でのパトロールが長閑
ナショナルホテル

1868年に店舗として建てられ
その後ナショナル銀行が入居
1886年に銀行が転居しホテル
になりナショナルホテルに💦
(👆イージーすぎるネーミング)
後に金で一財をなしたオーナ
ー兄弟が1902年に2階建てを
地下を含めた5階建てに増築
し、ゴールドラッシュ建築の
典型のひとつになったそう。

2009年以降の再改装もありま
すが周囲と比べてひと際派手
フリーマントル刑務所と同時
期1853年の建物で、ペディメ
ントが刑務所の礼拝所のよう
周囲に馴染むように建てられ
たらしい警察署。2階が銀行
旧コマーシャルホテル

レンガだし20世紀の建物かな
と思ったら、1908年に3階建
てに建て替えられ、今はバッ
クパッカーになっています。
フェデレーションフリークラ
シカル様式というそうで、オ
ーストラリアで1890~1915年
頃まで商業物件で盛んに用い
られた建築様式。時代柄アー
ルヌーボーを取り入れたりし

ステンドグラスに名残りが
これもそうかもしれない

(※コマーシャルホテルでは
ない別の建物のファサード)
すぐ隣りのかなりデコったこ
のビルも1900年頃に建てられ
たフェデレーションフリーク
ラシカルのピアーススビル
左に行くとハイストリート。
英連邦でこの名前の通りがあ
ったら、まずかつての街の中
心。オークランドにもあるし
壁のように19世紀の低層の建
物が並び、奥には港のクレー
ンが見え、かつて交易で栄え
たことがはっきり分かる場所
ホノルルのチャイナタウンを
彷彿とさせますが、あちらは
砂糖やパイナップル

こち
らは金となると、時代もズレ
ますが豪奢さも格段に違う
これまた美しい1903年完成の
ホテル、オリエントホテル

フェデレーションアカデミッ
ククラシカル様式というそう
で、勉強不足でフリーとアカ
デミックの違いが判らない💦
派手なオーストラリア色の建
物は1907年完成の旧クレオパ
トラホテル。現在はすぐそば
のノートルダム大学の学生寮

フェデレーションフリークラ
シカル様式だそうで、学生寮
でもアカデミックじゃない
いかにも元銀行

という建物

1892年完成の旧ニューサウス
ウェールズ銀行。典型的ネオ
クラシカル様式だそうです。
これはまた不思議な建物で周
囲とまったく違います。1903
年にドイツ領事館として建設
されたそうで雰囲気の違いに
納得。現在は宿泊施設らしい
これもまたフェデレーション
様式。だんだん目が慣れてき
た

1900年頃に完成した
海運会社ハワードスミスビル
1階部分がストーン、2、3階
が塗装したレンガなのが特徴

現在はノートルダム大学の
看護師・助産師学校が入居
美しい配色でひと際目立った
P&Oビル。強い日差しと青
空に映えるライトブルーと白
1903年完成のフェデレーシ
ョンフリークラシカル様式

ここもノートルダム大学の
看護師・助産師学校が入居
一目で一帯のシンボルと判る
ウィルヘルムセンハウス

1902年完成のフェデレーシ
ョンフリークラシカル様式
一時は塔の屋根以外真っ白に
塗られていたようですが、今
はオリジナルの色に戻り、海
運会社が入居していました。

オーストラリアらしいシドニ
ーのサンドストーンのような
黄色の石は、州内産のコテス
ローストーンだそうです。
ため息が出るほど美しい扉
このクリフストリートとフィ
リモアストリートの交差点は
ウエストエンドと呼ばれる歴
史的建造物指定を受ける古い
建物群が並ぶエリアの入口で
知らずに反対から歩いて来ま
した。知れば知るほどとても
見切れる数ではないらしく、
「これほどの数、規模がまと
まって残っている場所は他に
思い当たる所がないな~」
と思ったら、ウエストエンド
には250軒以上の歴史的建造
物があり、西オーストリア州
最大の歴史指定登録エリアで
した。大都市こそ開発が進ん
でしまっており、全国的にも
大きなエリアなのでしょう。
いや~調べに調べて書いた回
写真を頼りに1軒ずつ。いい
復習と予習になりました~
3本目ですが
フリーマントル
刑務所の話を続けます
フリーマントルという地は、
冬は厳寒な上、夏は40度を超
える酷暑になるそうで、その
気候は非常に過酷でましてや
刑務所内はなおさらでした。
独房の大きさは2.1m×1.2m
とシングルベッド並みで、そ
の中に担架のような粗末なベ
ッドがあるだけで、世界的に
も稀に見る狭さでした。トイ
レはバケツ1つが与えられるだ
けで劣悪な衛生状態でした。
それに加え食事の質も著しく
低く、脱走や暴動が絶えず、
脱走は成功するか失敗して厳
罰に処せられるかのいちかば
ちかの命がけの挑戦でした。
最初の脱走は1863年で47人
が集団脱走し、2度と見つか
らなかったそうです。連れ戻
された場合は鞭打ち100回や
食事や水の制限など、厳しい
現実が待ち受けていました。
暴動は1868年~1988年まで
120年にわたり断続的に続き
食への不満から1902年には
キッチン暴動も起き、8人が
足かせの刑に処されました。
フリーマントルは刑務官にと
っても厳しい職場でした。

(※初期の制服)
流刑囚には連続殺人犯など凶
悪犯も含まれるようになり、
近代に入ってからも、老朽化
した施設や食事への不満で暴
徒化する受刑者、度々の暴動
特に1988年の最後の暴動は
刑務官5人を人質に取って大
怪我を負わせ、施設を放火。
屋根が焼け落ち、刑務所閉鎖
の引き金となる事態に
3年後の1991年にフリーマ
ントル刑務所は136年間の悪
名高い歴史に幕を閉じ、受刑
者は州立のカジュアリーナ重
警備刑務所に移されました。
『刑務所受付』と題された閉
鎖した1991年の受刑者の写真
展示物や写真を見ているだけ
でも重苦しい雰囲気に包まれ
る中、思わず顔がほころんだ
流刑囚の制服

今ならこのまま街に出られる
シンプルシックな洗練度
長めのトップス、ハット、色
(特にオフホワイトのコットン
パンツがツボ)にオーストラリ
アンファッションの原点を見
るようですが、すべてイギリ
ス製で年1回支給だったそう。
ここは現在州立刑務所に収監
されている受刑者のアートギ
ャラリーで値札もあり購入可
アボリジナルアートの典型で
ある点描画

が多く、受刑者
に占めるアボリジナルの多さ
という別の問題を見る思い。

オーストラリアらしいマンゴ
色の夕焼けと点描画
ビビッドな色彩も特徴的で、
このR.BARR氏の作品は色彩
といい作風といい好みでした
いくつも作品がありました。

右は売却済みでした。
オオトカゲや
ヘビもアボリジナルアートの

重要なモチーフ。
ここはツアーもたくさんあり
いつかまた再訪しましょう。
2019年8月のパース2日目の
フリーマントル刑務所は個人
的に非常に興味深い場所だっ
たので、もう数本続けます
刑務所という概念がなかった
1700年代までは、犯罪者は絞
首刑、鞭打ち、火あぶりなど
公会刑に処されましたが、社
会の発展とともに、犯罪者へ
の処罰は刑務所という非公開
の場所へと移されました。
流刑囚時代の処罰は鉄の足か
せをつけての重労働、独房監
禁、鞭打ち、食事の制限など
で足かせ以外は1900年代に入
っても続けられたそうです。
足かせや鞭打ちは
ブリスベン
の博物館でも見ていました。

(※
ブリスベン博物館にて)
西オーストラリア州での流刑
植民地(Penal Colony)の建設
は1849年から始まりました。
1788年のシドニーを中心とす
るニューサウスウェールズ州、
1824年のブリスベンを中心と
するクイーンズランド州より
大きく遅れて始まり、終了も
また1868年と遅れました。
約18年間に延べ43隻の船が計
9,721人の主に20、30代の若
い流刑囚をフリーマントル刑
務所に送り込み、1868年の囚
人船の廃止以降も流刑者移送
は1886年まで継続したそう。
1840年代の西オーストラリア
は深刻な労働者不足からイン
フラ整備が進まず、入植者が
東海岸へ移る中、植民地崩壊
の危機に立たされ、本国に懇
願し流刑植民地として再出発
することになったんだそう。
囚人の受け入れに当たり、本
国に3つの条件を出しました。
①女性流刑囚の受け入れ
➁政治犯の受け入れ不可
③重犯罪者の受け入れ不可
①は最初から実施され、➁③
は早々に反故にされました。
工事や製造の『熟練者求む』
という条件もあったそうで、
本国は現地の要求に応じて、
人繰りを確保する人材派遣業
のような役割を負い、流刑者
がアフリカの黒人に代わる新
たな奴隷だったことは明白で

足かせがその象徴に思えます。
処罰の対象となる囚人は所内
の鍛冶場で足かせをはめられ
その重さは刑に応じて30~40
ポンド(14~18kg)で、刑罰を
終えるまでつけさせられ、外
した時には足首が硬くなって
跡は一生残ったといいます。

(※ブリスベンで刑期を終えた
J・ウィリアムズと足かせ痕)
1850~60年代のフリーマント
ルでは、早朝からジャラジャ
ラという聞き慣れた鉄鎖の音
が鳴り響き、『チェーンギャ
ング』と呼ばれた足かせをさ
れた囚人たちがゾロゾロと現
場に赴いて行ったそうです。
囚人たちは矢印のついた派手
な囚人服を支給されました。
この時からすでにオーストラ
リア色で、カウボーイハット
を被っているのには驚き
この姿で現場へ行き1日10時
間の長時間労働と粗末な食事
囚人は刑罰のためではなく植
民地建設のために送られた。
と言われる訳がわかります。
当時の書物には囚人を指し、
『まるで国家の奴隷
(Crown serfs)のような』
と記され、中世の農奴(serfs)
を彷彿とさせる残酷な状況。
1850~62年の間に囚人たち
は、まず自分たちが収監され
る刑務所を建設し、その後は
高速道路を含む563マイル(約
1000km)の道路、橋梁239基
を建設し、井戸44本、排水溝
543本を掘り、桟橋2ヵ所、主
要道路沿いの36マイル毎の宿
泊所なども建設し、伐採した
樹木は4千本、切り出した石は
数えられないことでしょう。
囚人たちが造ったライムスト
ーンの塀の前を行く少女たち
2019年8月のパース2日目の
フ
リーマントル散策が続きます。
フリーマントルといえばコレ
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なんだそうで、初めて知った
フリーマントル刑務所の存在
州や国家遺産だけでなく2010
年には国内10カ所の史跡とと
もに『オーストラリアの囚人
遺跡群』として世界遺産(文化
遺産)に登録されたそうです。
オーストラリア建国の歴史は
イギリスからの流刑囚なくし
ては語れないということを、
オーストラリアの都市部を回
るたびに実感してきましたが
パースもまた、そうでした
オーストラリアには1788~
1868年までの間に16万5千人
の流刑囚が送り込まれ、うち1
万人がパースに送られました。
刑務所は流刑囚施設として、
1851~59年にかけ石灰岩で建
設され、1855年より収監が始
まりました。1868年に流刑制
度が廃止されて以降は通常の
刑務所として使用されました。
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偽札造りで1863年に流刑囚と
して到着した建築士兼土木技
術者トーマス“サタン”ブラウ
ンが1864年頃に描いた施設
刑務所は1991年に136年の役
目を終え、長い本格的な修復
を経て、今は流刑囚の歴史を
伝える博物館兼観光施設に。
1912年頃のゲートハウスと門衛
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1855年完成。時計はロンドン製
ゲートハウスには小さな博物
館があり今は気軽に入れます
が、収監された者はどんな思
いでこの前に立ったことか。
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入所と出所は必ずこの門から
行われていたんだそうです。
当局はこの重要な歴史的建造
物の永久保存に取り組んでお
り、『永久』という明確な目
標的への情熱を感じました。
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19世紀から21世紀。そしても
っと先まで伝え続けたい史実
建物の中央に位置するイング
ランド国教会の礼拝堂の変遷
左が改装前、右が改装中・後
2005年の改装前。ペディメン
トには
VR(ビクトリア女王)1855年
改装後は文字が取り払われ
元来のライムストーンに
ゲートハウスの内側。中庭の
ような造りでカフェや店も
古の囚人たちはまず石の切り
出しから建設を始めました。
労働力欲しさにスリなど軽犯
罪でも流刑になった史実もあ
るそうで、植民地政策は先住
民だけでなく、犯罪者にも過
酷な政策だったのが分かり、
アメリカの独立で広大な植民
地を失い、奴隷制も諦めざる
をえなかった19世紀イギリス
の新たな植民地政策として、
流刑制度はいつまでも語り継
がれる
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べきことでしょう。