あと数時間後にはNZ行きの
飛行機に乗るという、2019
年8月のパース最終日6日目
になってようやくやって来た
パース造幣局
到着初日に知ってから毎日の
ように前を通過するほどホテ
ルから近く同じ通りでした。
資源で潤ってきた西オースト
ラリアの出発点、ゴールド
パース造幣局は1899年に開業
陽の沈まぬ大英帝国を完成さ
せたビクトリア朝の威信と帝
国植民地の富を象徴する場所
(※写真は1901年)
参観は専属ガイド付きの団体
行動。場所が場所ですから
ガイドのクレイグ。なかなか
味のあるいい小父さんで
「こんなに大きいのがあった」
「こういう形のもあった」
中には圧倒される巨大コイン
レプリカではなく本物の金と
いうところがオーストラリア
直径80cm、厚さ12cm、重さ
1トンの巨大ソブリン金貨
表はエリザベス女王のカメオ
これはカンガルー1トン金貨
と呼ばれ2012年にここで鋳造
世界最大の金貨としてギネス
入りも果たしているそうな。
普通に展示されていましたが
「重すぎて盗まれない」
というのがクレイグの説明
パース造幣局建設の目的は、
紙幣の印刷ではなく、当時の
金本位制を支えるために、そ
の裏付けとなる本位貨幣のソ
ブリン金貨を鋳造すること。
当初20年間に持ち込まれた金
塊は800トン近くに上り、鋳
造された金貨は通貨としてオ
ーストラリアだけでなく大英
帝国内で広く流通しました。
ソブリン金貨の製造はイギリ
スが金本位制から離脱した19
31年まで続き、造幣局はまさ
に大英帝国史の生き証人
西オーストラリアは1892年に
パースから東へ600kmの内陸
部クールガーディーで大規模
な金鉱が見つかりゴールドラ
ッシュが巻き起こりました。
一攫千金を夢見る男たちは馬
やラクダ、自転車や徒歩で野
営をしつつ金を探しました。
道なき道を行くのだから大変
食料や採掘道具持参での長旅
まさに砂漠のエルドラド
砂漠にはラクダが付きもの
1908年には金輸送の専用鉄道
が開通し、警察の護衛のもと
14時間をかけて造幣局まで金
塊が運び込まれて来たそう。
ここからツアーのハイライト
エプロンをしたクレイグ登場
開業当時を彷彿とさせる場所
防火服とフェイスシールドで
メラメラ燃える炉の蓋を開け
慎重に取り出す溶けた金
遠くで見ていても熱気が判る
これを型に流し込みます。
この形はゴールドバー
冷房もない時代のパースの夏
は灼熱の職場だったのでは。
(※1901年当時)
1950~70年代でもこんな
まるで町工場のようです。
完成
ライトを落として金が主役
デキたてホヤホヤの延べ棒
クレイグ、ご苦労さま
両手で支えてかなり重そう
まるで映画のシーンのような
積み上げられたゴールドバー
最後に体重計があって乗ると
その日の金相場に換算して、
金額が出る観光客ウケな余興
記念の金額を印刷したシール
みんなワーワーキャーキャー
結婚30周年の今年、再訪して
ここでセカンドマリッジリン
グを買う予定でいましたが、
コロナで夢の夢になりました。