あまりの酷暑にブログを書く気も失せたという事もないのですが
ご無沙汰してしまいました。
今日は、着付教室に通ってきてくださっているK様にまつわる
とっても素敵なお話
「結婚記念に自分の着物を何か誂えたい」と昨年から伺っていました。
聞けば、K様ご夫婦は、結婚記念日に合わせ、自分たちで毎年お祝いの品を
買っていらしゃるとのこと。
金婚式や銀婚式といった結婚記念日ですが、私も改めて調べてみたら
1年目「紙婚式」から「藁婚式」「革婚式」・・・とちゃんと毎年名前があるのですね。
K様はそれに合わせて毎年記念の品を買い、11年目の「鋼鉄婚式」にはフライパンを買ったとか・・。
そして今回の12年目は「絹婚式」というわけで、着物がお好きなK様には
待ち遠しかったかもしれません(笑)
その絹婚式に合わせて、着物を・・・という事でした
とっても素敵なお祝いの仕方、これを聞いたら嫌でも私も気合が入ります。
記念になるお着物、どんなものがいいかしら・・
礼装のもの?それとも楽しく着られるおしゃれ着?などと
K様も私も半年以上かけていろいろ頭を巡らせていましたが
その結果、自分で好きな色を染めて色無地を作りたいとK様からお話。
まずは、白生地の反物を見て頂き、K様の優しい雰囲気に合った
花の丸の地紋の生地をチョイス。
色はK様のご主人様が鉄鋼関係の会社にお勤めなので「鉄色」にしたいとのご希望。
「鉄色」と聞き、濃くて重い男性的な色・・・を想像して調べてみると、深い緑系の色。
K様もお好きな色の傾向でした。
なるべく近い色で肌に合う色、イメージに合う色を探しました。
基本になったのは右の帯揚げの色。
それに近い色を染見本で確認。
本来の鉄色はもう少し渋い色目なので「ご主人様の鉄色」にこだわり
この記念の着物の染をお願いする職人さんに相談したところ
職人さんも最大限に協力してくださって話が進みました。
深みのある「鉄色」を意識して裾に向かって、わずかですが濃い色に
染めましょうとの提案。
手間がかかるのですが、ご夫婦のステキな考えに職人さんも賛同、大サービスです。
さらに、職人さんと相談して、八掛にも、お二人のイニシャルと「鉄線」の花を金彩で描いてもらって。
何のお花でも柄でもよかったのですが、「鉄」の字が入った鉄線に・・
背紋は抜き紋ではなく、共薄色の刺繍でちょっとしゃれ味を。
こうして出来上がったお着物はこちらです。
花の丸の地紋はこんな感じ。
K様ご夫婦の結婚記念日に本当はお着物が仕立て上がっていればよかったのですが
ちょっと日数的に無理があったので
それならば・・と、小さなこだわりですが
職人さんにこのお仕事に手を付けてもらう日を結婚記念日の日にしてもらいました。
お客様の喜んで下さるお顔を思い描いてのこういうお仕事、
お受けした当店はもちろん、職人さんも楽しんでお仕事をさせて頂きました
み~んなが「記念の着物」にこだわったお話でした。
ずいぶん前にスイート10ダイアモンドと言った結婚10年目にダイアモンドを
プレゼントするというブームがありましたが
「絹婚式」に着物を誂える、またはプレゼントする・・
なかなかいいアイデアだと思いませんか。
皆様もいかがでしょう
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