アートセラピー「心のお絵かき」の世界

アートセラピストで妻で母で女の、楽しく豊かでゆるい人生後半日記。

忘れる、という恩寵

2018-09-25 13:13:59 | 日記
先々週、87才の父が白内障の手術を受けました。

白内障の手術は、その患者さんの年齢などにもよるでしょうが、日帰りだったり
両目をいっぺんに手術したりとあるようですが、父の場合は二泊三日の入院で、片目ずつです。

おかげさまで父は健康な人で、病気で入院したり手術したりしたことがありません。

なので、今回そういうことは初めてということで、私がつきそいました。

今回は右目なのですが、手術が終わり、部屋に見舞いに行くと、父はかなりぐったりしていました。

驚いて「大丈夫?」と聞くと、自分が思っていたよりずっと時間がかかって大変だったとのこと。

また、担当の医師が年配のベテラン医師ではなく、若い女性だったことにも不信感を抱いていて、
それが具合悪さに拍車をかけていました。

めったに苦痛や弱音を口にしない父が
「痛い」「今まで生きてきていろんなことがあったが、今回はひどくこたえた」

などと言い、ベッドにぐったり沈み込んでいます。

2年ほど前に、母が同じように白内障の手術で入院したときは、ちゃっちゃと終わって術後も
らくらくだったので、驚いてしまいました。

自宅から近い病院でしたので、翌日の退院手続きの時には迎えに行かないつもりでしたが、
これでは放っておけず、退院の朝も病院に行きました。

すると、父はずっと具合良さそうにして、すでに着替えもすませ、荷物の整理もすませて
ベッドに寝転がっていました。

だいぶ元気そうなのでほっとしまして
「もう痛くないの?」
と聞くと
「痛くないよ。昨日だって全然痛くなかった」
なんて言うじゃありませんか。

最近、何でもすぐ忘れてしまう父だけど、こんなことまで忘れてしまうなんて。

でも、痛みや苦しみを、わずか一晩ですっかり忘れられるなんて、けっこう救いかも。

明日からは、今度は左目手術のため入院です。

いろんな嫌なこと忘れて、「白内障の手術なんて、みんなやっている」と、
楽な気持ちで手術が受けられるといいな・・・。

遊びが「難しい」と感じてしまう

2018-09-24 11:09:08 | アートセラピー
大変ご無沙汰してしまいました。

8月暑すぎ。

9月もやっと落ち着いてきて・・・と思ったら、こんなに空いてしまった・・・

今日は久しぶりにアートセラピーの話題です。

夏の間、あまりの酷暑でお休みにしていた小学校5年生のMちゃんと、そのお母さんが
昨日一緒にパステルのワークをしました。

お母さんはパステルに触れるのが超久しぶりだし、Mちゃんも久しぶりだったので
難しい事はしないで、軽く遊ぼうと思いました。

大きな画用紙に好きなようにマスキングテープを貼って、その中を好きなように塗り、
最後にテープをはがして、出来映えを楽しむというワークです。

好きなように出来て簡単で楽しいよね・・・と思いきや!

真白な画用紙とマスキングテープを目の前にしたお二人は、しばし呆然。

マスキングテープを貼った後も、なかなかに動きません。

そう、「自由な表現」って意外に難しいんですね。

「こういう作品を創りましょう」という見本が、つまりゴールがあった方がやりやすいんですね。

見本やゴールが無いのは不安なことなのでしょう。

私たちの日常は、「決まったことをする」「あたりまえに行くべきゴールがある」ことの連続なのかもしれません。

しばらくするうちに、お二人とも集中して塗り始め、やがて作品は完成しました。

プロセスをそれなり楽しんでいたようです、特にお母さんの方は。

こちらはお母さんの作品です。


でも、小学校5年生のMちゃんは「疲れた」と言っていました。

これはMちゃんの作品。


学校生活というのは、ゴールに向かっていく作業の連続だもんね。

案外、自由な表現は子どものほうが得意というのは幻想かもしれないとも思っちゃった。

でも、途中はどうあれ、お二人の作品、とってもステキです!

だからこそ、アートセラピーは必要なのかも、とも思いましたよ。

ああ、見出し画像は私の作品。

結局私が一番遊びました。