ニョニョのひとりごと

バイリンガルで詩とコラムを綴っています

尹東柱の詩 ⑤便り ⑥たやすく書かれた詩 (バイリンガル)

2020-05-18 21:44:37 | 詩・コラム
「편지」                    
      
         윤 동 주

누나!
이 겨울에도
눈이 가득히 왔습니다

흰 봉투에
눈을 한줌 넣고
글씨도 쓰지 말고
우표도 붙이지 말고
말쑥하게 그대로
편지를 부칠까요?

누나 가신 나라엔
눈이 아니 온다기에.

  (1936・12 推定)



「便り」

       ユン・ドンジュ

姉さん!
この冬も
雪がどっさり降りました。

白い封筒に
雪をひとつかみ入れ
文字も書かず
切手も貼らず
純白のまま
便りを出しましょうか?

姉さんが行かれた国には
雪が降らないから。




「쉽게 씌여진 시」
                
         윤 동 주

창밖에 밤비가 속살거려
육첩방은 남의 나라,

시인이란 슬픈 천명인줄 알면서도
한줄 시를 적어볼가,

땀내와 사랑내 포근히 풍긴 
보내주신 학비봉투를 받아

대학노-트를 끼고
늙은 교수의 강의 들으러 간다

생각해보면 어린때 동무를 
하나,둘,죄다 잃어버리고

나는 무얼 바라
나는 다만,홀로 침전하는것일가?

인생은 살기 어렵다는데
시가 이렇게 쉽게 씌여지는것은
부끄러운 일이다.

육첩방은 남의 나라
창밖에 밤비가 속살거리는데,

등불을 밝혀 어둠을 조금 내몰고,
시대처럼 올 아침을 기다리는 최후의 나.

나는 나에게 작은 손을 내밀어
눈물과 위안으로 잡는 최초의 악수.

       (1942・6.3)



「たやすく書かれた詩」

         ユン・ドンジュ

窓辺に夜の雨がささやき
六畳部屋は他人の国、

詩人とは悲しい天命と知りつつも
一行の詩を書きとめてみるか、

汗の匂いと愛の香りふくよかに漂う
送られてきた学費封筒を受け取り

大学ノートを小脇に
老教授の講義を聴きにゆく。

かえりみれば 幼友達を
ひとり、ふたり、とみな失い

わたしはなにを願い
ただひとり思いしずむのか?

人生は生きがたいものなのに
詩がこう たやすく書けるのは
恥ずかしいことだ。

六畳部屋は他人の国
窓辺に夜の雨がささやいているが、

灯火をつけて 暗闇をすこし追いやり、
時代のように 訪れる朝を待つ最後のわたし、

わたしはわたしに小さな手をさしのべ
涙と慰めで握る最初の握手。



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尹東柱の詩 ③明日はない ④ひまわりの顔 (バイリンガル)

2020-05-18 21:38:42 | 詩・コラム
「래일은 없다」
                
윤 동 주

래일 래일 하기에
물었더니
밤을 자고 동틀 때
래일이라고

새날을 찾던 나는
잠을 자고 돌아다보니
그때는 래일이 아니라
오늘이더라

무리여!
래일은 없나니  

 (1934・12・24)



「明日はない」
  
    ―幼な心が訊く

ユン・ドンジュ

明日 明日 と言うので
訊いたら

夜 眠りにつき 夜明けがきて
明日という

新しい日を探していたぼくは
眠りから醒めてみると
その時は明日ではなく
今日だった

はらからよ!
明日はないのに




「해바라기 얼굴」               

윤 동 주

누나의 얼굴은 
해바라기 얼굴
해가 금방 뜨자
일터에 간다.

해바라기 얼굴은
누나의 얼굴
얼굴이 숙어들어
집으로 온다.

    (1938年 推定)


「ひまわりの顔」

        ユン・ドンジュ

ねえさんのかおは
ひまわりのかお
ひがのぼるとすぐ
はたらきにゆく。

ひまわりのかおは
ねえさんのかお
うつむいて
うちにもどる。


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尹東柱の詩 ①序詩 ②食券 (バイリンガル)

2020-05-18 20:43:04 | 詩・コラム
今週から時々尹東柱の詩を2編ずつバイリンガルでお届けします。




「서 시」                      

윤 동 주

죽는 날까지 하늘을 우러러
한점 부끄럼이 없기를, 
잎새에 이는 바람에도
나는 괴로와했다.
별을 노래하는 마음으로
모든 죽어가는것을 사랑해야지
그리고 나한테 주어진 길을 
걸어가야겠다.

오늘 밤에도 별이 바람에 스치운다.

(1941・11・20)


「序 詩」

         ユン ドンジュ

死ぬ日まで空を仰ぎ
一点の恥なきことを、
葉あいにそよぐ風にも
わたしは心痛んだ。
星をうたう心で
生きとし生けるものをいとおしまねば
そしてわたしに与えられた道を
歩みゆかねば。

今宵も星が風にふきさらされる。

    <伊吹 郷 訳>



「식 권」                    

        윤 동 주


식권은 하루 세끼를 준다.

식모는 젊은 아이들에게,
한때 흰 그릇 셋을 준다.

대동강 물로 끓인 국,
평안도 쌀로 지은 밥,
조선의 매운 고추장,

식권은 우리 배를 부르게.

(1936・3・20)


「食 券」

          ユン・ドンジュ


食券は 日に三度の食事をくれる。

賄い婦は若者たちに
いちどに白い器 三つをくれる。

大同江の水で沸かした汁、
平安道の米で炊いた飯、
朝鮮の辛いとうがらし味噌、

食券は われらの腹を満たす。

      <伊吹 郷 訳>

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