株式会社ゆうちょ銀行という名前に変わっても、私たち庶民にとって、それは依然として郵便局です。雨の日も風の日も、全国津々浦々に郵便を届けてくれる、配達の職員と一体になり心に刻まれています。銀行より親しみやすく、切手を一枚、ハガキを一枚買っても、面倒がらず対応してくれました。
貯金をすれば丁寧に説明してくれ、預けるについては、銀行にない信頼と安心感がありました。しかしあの小泉首相が、郵政を民営化しなくては、日本の政治が歪められたままだと、進軍ラッパを吹き鳴らし、民間会社にしてしまいました。日本郵便株式会社と、株式会社ゆうちょ銀行と、株式会社かんぽ生命保険です。
あともう一つ日本郵政株式会社があるのですが、今でも私はこれらの会社の関係がよく理解できていません。別会社と言いながら、同じ建物の中で仕事をしていますし、利用する側から見れば、相変わらず郵便局でしかありません。民営化に反対するのなら、自民党をぶっこわすとまで小泉氏が訴え、政界で大騒ぎしたのに、民営化後に、いったい政治がどのように変わったのか、官僚の無駄遣いが減ったのか。今もって不明のままですから、私は詐欺にでもあったのでないかと、そんな気持ちがずっと続いています。
でも、本題はこれではありません。
昔も今も、変わらず郵便局を利用している私には、最近とても違和感が生じています。ゆうちょ銀行は、貯金残高約175兆円で、三菱UFJファイナンシャル・グループの預金残高124兆円を抜き、平成24年の3月現在で、日本最大の預金金融機関となりました。
都市銀行には含まれていないものの、みずほ銀行以外で、全国47都道府県の全てに、店舗(支店・出張所)を有しているのは、ゆうちょ銀行だけなのです。住民サービスも向上し、業務の効率化も従来の銀行に負けませんと、そんな宣伝文句があったと記憶しています。
けれどもこの巨大なゆうちょ銀行が、どれだけのサービスを心掛けているかにつき、大きな疑問が消せません。それは民営化された銀行に言うのか、かんぽ生命保険会社へ訴えるのか、それとも郵便の会社に言うべきなのか、駐車場の設備がまったく整備されていないという実情です。
千葉や東京は勿論、名古屋でもそうでしたし、北九州でもそうでした。郵便局のある道路は、どこも違法駐車の車が止まり、駐車場所があるかと思えば、付近の駐車場の中に、ニ、三台のスペースを借りているとか、どの郵便局も利用する住民を難渋させています。
鳴り物入りで作った会社だというのに、このサービス精神のなさについて、誰も苦情を言わないのが不思議でなりません。セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートという、コンビニの店舗を見てください。どの店も、広い駐車場を持ち、大小の車が軽く20台は停められるスペースを確保しています。ゆうちょ銀行グループのサービス心のなさは、ちょっと比較するだけで誰にも分かります。