同じ恨日の韓国人でありながら、捏造の歴史を信じている金氏と、事実を知りながら反日であり続ける李氏と、対照的な二人です。
金氏の著作が出版されたのは昭和33年で、李氏の本は50年後の平成21年です。嘘混じりの歴史で、好き放題に日本を批判した金氏と異なり、韓国のインテリ層も50年経てば、根拠のない捏造で日本を攻撃し続けるのは、国の恥と自覚したのかもしれません。
昭和33年は、どのような年であったか調べてみました。
1月 日本、国連安全保障理事会の非常任理事国に。
東京通信工業、社名をソニーに変更。
2月 韓国から抑留漁夫300人第一次帰国。28日第二次帰国。
3月 関門国道トンネル開通。 国立競技場完成
4月 東大生技研究所「宇宙観測用ロケット・カッパー150S型」発射実験に成功。
5月 広島の平和記念公園で「原爆の子の像」の除幕式。
テレビの受信契約者数が百万を突破。
第3回アジア競技会、東京で開催。
6月 第二次岸内閣成立。
9月 藤山・ダレス共同声明。日米安保条約改定に同意。
総評・日教組、勤評反対全国統一行動(~11.26、第4波)。
11月 東京~神戸間に特急こだま号運転開始。
警職法改悪反対闘争、国会の抜き打ち会期延長で激化。広範な統一闘争に。
皇太子明仁様と正田美智子さんの、婚約発表
12月 一万円札発行。 東京タワー完工式
敗戦から再出発した日本が、経済を次第に力をつけていく時代でした。政界は自民党と社会党の二大政党で、総評と日教組が力を振るっていました。
注目すべきことは、鉄のカーテンの向こうにある社会主義国家の動静でした。マルクス主義の思想が、輝やく星のように多くの者を惹きつけていました。
1月 中華人民共和国、 第二次五カ年計画
朝鮮民主主義人民共和国、第一次五カ年計画
8 月 中華人民共和国 大躍進、人民公社運動開始
9 月 ソビエト連邦、 ノバヤゼムリアで、核実験実施
朝日新聞がどれほどの大見出しで、毛沢東の中国を礼賛していたか、記事だけでなく写真も覚えています。嘘みたいな話ですが、当時の社会主義国は人類のユートピアとして輝き、伝える朝日新聞も輝いていました。
没落した大地主の息子だった金氏も、マルクス主義に心酔していて、次のように述べています。
「1930年代 ( 昭和5年 ) に入ってからは、独立・革命のための戦いは、いっそう熾烈なかたちで戦われ始めていた。」「金日生の、抗日パルチザンがそれである。」「この革命運動の特徴は、消極的な闘争方式から、新しい方式である遊撃武力闘争に転じたことである。」
「頑強な共産主義者の指導のもとに、進歩的な労働者や農民、学生たちにより、抗日パルチザン隊が組織された。そして、この中心となったのが金日生だった。」「このパルチザンは、長白山を根拠地としていたので、金日生は長白山の虎、あるいは白頭山の虎と言われるようになった。」
「中でも特に有名なのは、1937 ( 昭和12 ) 年に朝鮮国内で行われた、普天堡の戦いであった。」「金日生は、革命軍の一部隊を率いて、鴨緑江を越え祖国へ向かい、日本帝国主義に重大な打撃を与えた。」
「普天堡における革命軍の銃声は、日本帝国主義の暴虐な軍事警察のもとに抑圧されていた、祖国の地を震撼させた。」「金日生将軍が、普天堡を攻撃したという知らせは、たちまちのうちに全国津々浦々に広がった。」
「それはまさしくその通りで、この戦闘を契機として金日生の名は、全国に伝わり、金日生将軍の名が生まれたのもこれ以後のことである。」「いまや金日生将軍とパルチザンとは、全朝鮮人の希望の星となったことを、これは物語るものである。」
長いので途中を省略し、日本が敗戦した後の朝鮮の状況に飛びます。ソ連の後ろ盾を得て、北朝鮮を支配した金日生と、アメリカの後押しで南の韓国の支配者となった李承晩の話になります。
米国とソ連の対立が朝鮮戦争となり、東西冷戦の時代となるのは、誰もが知る通りの流れです。これを氏がどのように見ていたか、著書から紹介します。
「南朝鮮、韓国の政治と経済は、どん底に陥った。」「300万人以上いた韓国・南朝鮮の労働者数は、12万5000人に激減し、数百万の失業者と貧民が街頭に溢れ出した。」
「アメリカの軍部と李承晩政権は、そういう状態の原因はすべて北にあるとして、崩壊を食い止める策を北朝鮮に求め、武力による北進統一を、公然と言いだした。」
氏はこう説明しますが、私の知る事実は少し違っています。
「北を支配している金日生が、私有財産制の廃止、工場・土地の国有化など、共産主義国家の政策を、既成事実として推し進めていくので、反共産主義のアメリカは、黙っておれなくなった。」
事実が金氏のような言葉で説明できるのか、疑問が残りますが、氏は金日生の北朝鮮を絶賛します。
「こういう南朝鮮に引き換え北朝鮮では、第一次経済計画が、大成功のうちに進み、工業、農業の生産高は、日本支配時代の最高水準であった1994 年のそれを、突破していた。」「動力機械工業は146.9%、軽工業は52.7%と、いう風に上昇した。」
細かな数字が挙げられていますが、煩雑なので省略します。
「とりもなおさず、社会主義経済体制の北朝鮮では、そのまま真っ直ぐに、北朝鮮全人民の生活水準の向上を意味した。」
煩雑さを厭わず、氏の言葉を引用したかと言いますと、二言目には出てくる「日本帝国主義、」「日帝の弾圧」「日本による支配」という言葉にあります。関係のないことでも、悪い原因を作ったのは日本だと主張しています
不愉快なのは私だけかと思っていたら、台湾出身の黄文雄氏が、『韓国は日本人が作った』という著作の中で、次のように述べていました。溜飲が下がりますので、参考のため紹介します。
「韓国知識人の反日理論は、きわめて飛躍的である。彼らの脳裏には日本しかなく、日本以外の歴史は空白か、さもなくば停止しているのであろう。」
「彼らの主張を逆手にとれば、韓国のすべての歴史は日本に左右され、」「韓民族には、まったく主体性がないということも言える。」