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ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

岡田啓介回顧録 - 5 ( 職に準じた3人の警官 )

2017-07-06 15:51:15 | 徒然の記

 『岡田啓介回顧録』を、読み終えました。注意して扱ったのに本は表紙が外れ、中身も二分割となってしまいました。断捨離を実行中のため、資源ごみとして処分するのですが、手元に残しておきたいという気持ちが残ります。

 息子たちに伝えたい部分を、割愛し紹介してきましたが、暫くその作業を続けたいと思います。先ずはなんといっても、本の中心となる「2・26事件」です。息詰まるような回顧が続きます。

 「時刻は、午前五時ごろだったか。つまり、昭和11年の2月26日の朝だ。」「非常ベルが邸内に鳴り響いて、その音で、私は目を覚ましたと思うが、間髪を入れず、松尾が私の部屋に飛び込んできた。」

 松尾と言っているのは、義弟の松尾傳藏陸軍大佐のことです。氏が首相になって以来、身辺警護の役を買って出て、無給で仕えていたと言います。部屋に飛び込んで来たのは、松尾大佐の他に、警護役の土井清松巡査と村上嘉茂右衛門巡査部長の二人でした。

 「とうとう来ました、と言う。何が、どれくらい来たんだと聞くと、兵隊です。三百人くらいも押し寄せてきました。」「そんなに来られては、どうしようもないじゃないかと言えば、そんなこと言ってる場合じゃありません。すぐ避難してくださいと、手を引っ張る。」

 寝室の前の非常用の潜り戸を開け、松尾大佐が飛び出すと、銃声が起こりました。雪明りの中で見ると、既に兵たちが散兵線を布いていました。戸口で待機していた、警護役の清水巡査がこの射撃で撃ち殺されています。

 「護衛の警官は二十名ほどで、最初の十五分は、この者たちで防ぐ。そのうち警視庁の応援が駆けつけ、さらに三十分後には麻布の連隊から、軍隊が出動するという段取りであったが、なんぞはからん。その軍隊が襲撃して来たわけだ。」

 「警視庁の援隊は、予定通り駆けつけたものの、正門で兵隊たちに機関銃を突きつけられ、そのまま引き上げたそうだ。」

 邸内には、岡田氏と警護の三人だけとなり、押し寄せてくる兵たちとの応戦になります。兵は目的の岡田氏を探すため、広い邸内で小集団となり行動し、戸を破り、荒々しい靴音が響きます。

 「ぐるりと廊下を回って、また風呂場のところへ来た時、土井は私を風呂場へ押し込んで、ガラス戸を締めるや、向こうから、五六人の部下を連れた将校の一隊に出会ったらしい。」

 「村上は、風呂場の外の廊下で、洗面所の脇から大きな椅子を持ち出し、これを盾に頑張り、近づく連中にピストルで応射したが、たちまち撃ち殺されてしまった。」

 「この時土井は、たぶんピストルの弾も、撃ち尽くしたのだろう。隊長らしい将校に飛びかかり、組討ちになった。激しい物音が、風呂場の中で聞こえてくる。」

 「土井は柔道四段、剣道二段という剛の者で、手も無く、その将校を組み伏せたが、後ろから銃剣で刺されて、不憫な始末となった。」

 「やがて、物音が途絶えた。倒れた土井は、まだ息があるようで、うめき声がかすかに聞こえる。」「風呂場の中で私が動こうとすると、周りにあるものが音を立てる。すると土井が苦しい息の下から、まだ出てきては、いけませんぞと、うめくように言うんだ。」

   「二、三度、そんな注意をしてくれたと覚えている。新婚早々の男だったが、もうこと切れたらしい。」

  「松尾はどうしたのだろう。私のいる風呂場から、洗面所をへだてて中庭があり、その向こうが、私の寝室だ。ガラス戸越しに風呂場から、寝室の中まで見通せるようになっている。」

 「庭に誰かいるぞ、という声がした。寝室と中庭との間の廊下に、部下を五、六人ひきつれた下士官が現れた。」

 「ふと中庭を見ると、戸袋の脇に立っている人影がある。松尾であることが、すぐに分かった。」「撃て、と下士官が怒鳴っている。しかし兵たちは、みんな黙って、つった立ったままでいる。」

 「貴様らは、やがて満州へ行かねばならないんだぞ、満州へ行けば、朝から晩まで戦をやるんだ。今頃、こんな者が、一人や二人撃ち殺せんでどうするか。」

 「地壇だ踏んで、励ましている。それでも兵は、引き金を引かない。しかし相手はやはり上官だ。ためらっていた兵隊たちも、ついに廊下の窓から、中庭に向かって発砲した。松尾はこうして死んだ。」

 兵たちの襲撃の様子はまだ続き、岡田首相が救出されるまで、多くのことが語られていますが、敢えて警護の三人の部分を抜き書きしました。

 日本をゆるがした大事件なのに、岡田首相は、昨今の国会で見る、反日の議員諸氏のような大げさな物言いをしていません。冷静に、淡々と、まるで薄情者のように事実を語っています。

 首相の身代わりとなり、黙って撃たれた松尾大佐や、風呂場の前で応戦し、撃ち殺された村上巡査部長や、最後まで首相を気遣った土井巡査の姿に、自然と頭が下がりました。職に殉じた彼らの尊い姿に、一筋の涙を捧げました。

 こうして、岡田首相が回想録で残してくれなかったら、もし岡田首相も犠牲になっていたら、誰にも知られないままだった三人の最後です。喚いたり騒いだり、逃げまどったり、みっともない真似をせず、覚悟して死んだ三人に、私は日本の武士の姿を重ねました。

  岡田首相が、他人事のように三人の最後を語っていましたが、氏もまた武士のように、気持ちを殺していたのです。巻末の「あとがき」に書かれた、毎日新聞出版局長の森正蔵氏の言葉が、それを教えてくれました。

 「岡田元首相の、2・26事件の犠牲者対する気持ちは、家族でも、胸を打たれるものがあるという。」「松尾氏や、殉職した警官たちの位牌は家の中に祀ってあり、毎年の命日には、墓参を欠かさない。」「これだけは、うるさいくらいに気を使っているというのが、家族の話だった。」

 このあと、岡田首相が、東条内閣を倒すため、どのような働きをしたのか、敗戦後の日本を見て、どのような思いを抱いたかなど、書き残しておきたいことは、まだ幾らでもありますが、ブログはここでお終いとします。

 資源ごみとして処分するのを止め、座右の書にすると決めたので、書き写す必要がなくなりました。私がこの世とお別れするとき、私と共に灰にします。

 最後に付言しておきたいのは、このような本を出版した毎日新聞が、今では朝日に負けない反日・亡国の新聞となっていることへの怒りです。朝日にも毎日にも、経営陣の中に武士がいなくなり、時代遅れのマルクス主義者と反日の帰化人が跋扈しているのでしょうか。

 武士の魂が残っていた頃の毎日新聞を記念する意味でも、この本は捨てられなくなりました。

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北朝鮮のミサイルと反日日本人

2017-07-04 14:09:23 | 徒然の記

 本日(7月4日)9時39分頃、北朝鮮から日本海へ向けて、ミサイルが発射されました。ミサイルは約40分間飛行し、日本海の排他的経済水域に落下しました。

 これは先ほどの、NHKニュースです。核開発を続けている北朝鮮は、ミサイルに搭載する小型核を実戦化するため実験を続けています。発射のたびにミサイル技術が向上し、かっては大掛かりな発射台でしか使えなかったミサイルを、移動式台車でどこからでも打てるようにしました。液体燃料をやめ、固体燃料を使う技術を持ったからだと言われています。

 移動式台車でどこからでも発射できるとなりますと、発射台のミサイルと異なり、アメリカや日本のレーダーでの監視が不可能となります。米国が考えていた、発射前のミサイル破壊ができなくなりました。攻撃地点への命中度も実験のたびに向上し、そのうち日本の狙った地域に落とせるようになります。あるいは既に、なっているのかもしれません。

 北朝鮮の危険な挑発が続き、日本が攻撃される事態となっているにもかかわらず、これまでNHKは詳しい報道をせず、他のマスコミも右へ倣えでした。しかし今朝は、珍しくNHKが何度もニュースで伝え、菅官房長官の談話まで流しました。

 これまでは、国民を刺激しないように、いたずらに不安を高めないようにと、政府が抑制していたのでしょうが、都議選の敗北を受け、安全保障の大切さを国民に知らせようと、政府が方針転換をしたのかも知れません。北朝鮮が暴発し、ミサイルが実際に日本のどこかに打ち込まれたら、一瞬のうちに大惨事となります。それが、核弾頭であれば、国民の犠牲は計り知れないものとなります。

 偶然でしたが、昨夜私はある動画を見ました。

 「安倍政治を終わらせよう。」という横断幕を巡らせた、講演会の動画です。講演者は二、三人いて、民進党の議員が二人でしたが、名前も顔も忘れました。国会での審議が、安倍総理の指導でいかに横暴に進められたかということを、非難していました。総理や自民党の悪口を言うたびに、会場から拍手が起こっていました。

 私の視線が止まったのは、保坂正康氏が登壇し、喋り始めた時からです。反日か保守か、旗色不鮮明な氏が、この場では反日評論家の姿でした。

 「今の安倍政権がやっていることは、行政独裁なんです。」「これは、戦前の軍事独裁と同じ性格のものなんです。」

 「現在の憲法は、まだ平和憲法ではありません。」「非軍事化憲法に過ぎないのです。これを私たちの力で、本物の平和憲法にしていかなければなりません。」

 聴衆が氏の話に聞き入り、氏は博学なインテリらしく、訓示を垂れました。

 「私たちは、自分が歴史の中に生きているということを、自覚しなくてはいけません。」「今目の前で行われていることが、どんなことであるのか、過去の歴史から学ばなければなりません。」

 「安倍政権が行っている一連の法律は、戦前の軍事国家への歩みなんです。」「テロ防止法なんて、戦前の共謀罪ですよ。」「国民を監視し、公安が拷問で国民を弾圧する、そんな法律です。」「人間不信の、悲しい、暗い社会ですね。」

 「安倍総理や自民党の議員がこんなことをするのは、彼らが歴史を知らないからなんです。」「歴史をきちんと認識していれば、過去の過ちを反省し、こんな法律は作れないはずですし、」「憲法改正なんて、言うはずもありません。」

 どんな人間が集まっているのか、氏の言葉のはしはしで拍手が起こり、賛同の声が聞こえました。いったい氏は、どんな歴史に生きているのでしょう。話を聞く限り、氏の歴史とは、たった70年前の戦時下の昭和時代しかありません。狭く、短い歴史観から下される日本への断罪・・・・、こんな話に拍手をしているのですから、聴衆は「お花畑に住む人間たち」だと理解しました。

 保坂氏もそうですが、世界中の国の中で、悪いのは戦前の日本だけだったと、どうしていつまでも、こんな話を続けていられるのでしょう。すぐそこに北朝鮮のミサイルが飛んできて、日本が脅され、挑発されているというのに、それに一言も触れない評論家の話に、なぜ疑問も抱かないのでしょうか。

 こんな氏が自民党の後藤田正晴氏の伝記を出版し、朝日新聞の論客として記事を書き、テレビにも顔を出しているのですから、怒りを覚えずにおれません。このお粗末な反日の講演会が、参議院議員会館の講堂で開かれている事実に、首を捻りたくなりました。民進党の議員も講演者でしたから、便宜を図ったのは彼らだったと推察しました。

 安倍総理はヒトラーみたいな独裁者だと、彼らは口を揃えて言いますが、総理が独裁者なら、議員会館での講演会など許可しないはずですし、彼らは喋る前に刑務所行きでしょう。こんなあからさまな反日と、政府攻撃の集会も取り締まれないほど、安倍内閣は無力なのです。

 講演会の主催団体は、「戦争をさせない1000人委員会」で、この委員会は、「憲法九条を守る会」と強い繋がりがあることが分かりました。ネットの情報から、「戦争をさせない1000人委員会」の賛助会員名と、「憲法九条を守る会」の発起人の名前を転記します。

 故人になった人物も含まれますが、間違いなく彼らは、日本の「獅子身中の虫」であり、「駆除すべき害虫」です。おれおれ詐欺と同じですから、騙されないように、注意してください。

    [ 戦争をさせない1000人委員会」の賛助会員名 ]

  アーサー・ビナード(詩人)          青井未帆(学習院大学教授)

 愛敬浩二(名古屋大学教授)                   赤川次郎(作家)

 秋葉忠利(元広島市長)                          雨宮処凜(作家・活動家

  飯島滋明(名古屋学院大学准教授)         飯田哲也(社会イノベーター)
  池田香代子(翻訳家)                            石坂啓(マンガ家)
  伊藤真(弁護士・伊藤塾塾長)                宇井孝司(アニメーション監督)
  上野千鶴子(社会学者)                         鵜飼良昭(弁護士・日本労働弁護団会長)


  浮田久子(平和の白いリボン行動・藤沢)    内田雅敏(弁護士)
  内橋克人(経済評論家)                             内海愛子(恵泉女学園大学名誉教授)
  梅林宏道(ピースデポ特別顧問)                浦田一郎(明治大学教授)
  永六輔(放送作家)                                   大江健三郎(作家)
 大熊政一(弁護士・日本国際法律家協会会長) 大田昌秀(元沖縄県知事)
 奥平康弘(東京大学名誉教授)                       奥野恒久(龍谷大学教授)
 小山内美江子(脚本家)


 小田川興(在韓被爆者問題市民会議代表、元朝日新聞編集委員)
 落合恵子(作家)                                         海渡雄一(弁護士・元日弁連事務総長)
 香川京子(俳優)                                          鎌田慧(ルポライター)
 香山リカ(精神科医)                                 河合弘之(弁護士・脱原発弁護団全国共同代表)
 川野浩一(原水爆禁止日本国民会議議長)     木内みどり(女優)
 木村朗(鹿児島大学教授)                           金城実(彫刻家)
 熊谷博子(映像ジャーナリスト)                  組坂繁之(部落解放同盟中央執行委員長)
 倉本聰(脚本家・劇作家・演出家)                纐纈厚(山口大学教授)
 古今亭菊千代(噺家・真打)                         古関彰一(憲政史家)


 小橋孝一(日本キリスト教協議会議長)         小林緑(国立音楽大学名誉教授)
 小室等(フォークシンガー)                          小森陽一(東京大学教授)
 早乙女勝元(作家)                                       坂田雅子(映画監督)
 坂本洋子(フリージャーナリスト・NPO法人民法改正ネットワーク(mネット)理事長)
 坂元良江(テレビプロデューサー)                   佐々木猛也(弁護士)
 佐高信(評論家)                                            澤地久枝(作家)
 ジェームス三木(脚本家)                               篠原義仁(弁護士)


 清水雅彦(日本体育大学教授)                        辛淑玉(「のりこえねっと」共同代表)
 新谷のり子(歌手)                                        進藤榮一(筑波大学名誉教授)
 菅原文太(農業生産法人代表)                         SUGIZO(音楽家・ミュージシャン)
 鈴木力(社団法人「マガジン9」代表理事)           瀬戸内寂聴(作家)
 高作正博(関西大学法学部教授)                         高遠菜穂子(イラク支援ボランティア)


 高橋哲哉(東京大学教授)                                高畑勲(アニメーション映画監督)
 高原孝生(明治学院大学教授)                           高良鉄美(琉球大学教授)
 田中優子(法政大学教授)                                 谷口真由美(大阪国際大学准教授)
 谷山博史(日本国際ボランティアセンター(JVC)代表理事)
 崔善愛(ピアニスト)                                 辻山幸宣(公益財団法人地方自治総合研究所所長)
 土屋源太郎(「伊達判決を生かす会」共同代表)
 土山秀夫(元長崎大学学長)                          坪井直(被爆者)


 富山妙子(画家)                                          鳥越俊太郎(ジャーナリスト)
 なかにし礼(作家)               中野麻美(弁護士・日本労働弁護団常任幹事)
 中原道子(VAWW RAC 「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクション・センター共同代表)
 中山千夏(作家)                                           西尾漠(原子力資料情報室共同代表)
 西谷敏(大阪市立大学名誉教授)                     西野瑠美子(VAWW RAC共同代表)
 浜矩子(同志社大学大学院ビジネス研究科専門職学位課程教授)


 林郁(作家)                                                  原和良(弁護士)
 樋口恵子(評論家)                                        樋口陽一(憲法学者)
 福山真劫(フォーラム平和・人権・環境 代表)      舟越耿一(長崎大学名誉教授)
 古川純(専修大学名誉教授)                           前田朗(東京造形大学教授)
 前田哲男(ジャーナリスト)                          松浦悟郎(日本カトリック正義と平和協議会会長)
 南典男(弁護士・日本民主法律家協会事務局長)
 宮城泰年(聖護院門跡門主)                            宮子あずさ(看護師・著述業)
 宮里邦雄(弁護士・日本労働弁護団元会長)


 本島等(元長崎市長)                                      本橋成一(写真家)
 森詠(作家)                                                   森達也(ノンフィクション作家)
 矢﨑暁子(弁護士)                                          山内敏弘(憲法研究者・一橋大学名誉教授)
 山口二郎(北海道大学教授)                             山崎朋子(ノンフィクション作家)
 山田真(小児科医)                                          山田洋次(映画監督)
 山中悦子(NPO法人「草の根援助運動」)           由井晶子(フリーライター)


 湯川れい子(音楽評論・作詞家)                       吉岡しげ美(音楽家)
 吉岡達也(ピースボート共同代表)                   吉川勇一(「市民の意見30の会・東京」代表)
 渡辺美奈(アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)事務局長)
 和田春樹(東京大学名誉教授)
                             (計121人)

 

 [ 憲法九条を守る会 ]  呼びかけ人は以下の9人。※は故人

  井上ひさし(作家)※      梅原猛(哲学者)

  大江健三郎(作家)        奥平康弘(憲法学者)※
  小田実     (作家)※       加藤周一(評論家)※ 
  澤地久枝(  作家)         鶴見俊輔(哲学者)※
  三木睦子(元総理である三木武夫の妻)※
 
 このほかにも多くの賛同者がいて、東大教授の小森陽一氏などが運営に関わっています。参考までに、関連する各界の「九条の会」も名前だけ転記しておきます。説明では、全国展開しているということですから、汚染の広さに驚いてしまいました。
 
     医療者九条の会   映画人九条の会  宗教者九条の和 
     農水産九条の会   九条科学者の会  九条美術家の会
     旅De九条の会
 
 これらの人たちは、一見賢そうに見えますが、戦前の日本の悪だけしか記憶に無く、現在の世界も、変化する国際情勢も見えない、ガラパゴス島の化石のような日本人たちです。(在日や帰化人も混在していますが・・・・)
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都議選の結果

2017-07-03 13:20:44 | 徒然の記

 自民党が、惨敗でした。小池氏の「都民ファースト」が、大躍進しました。

自民党は、現有の57議席から34議席を減らし、23議席となりました。都民ファーストは、現有の6議席から43議席を増加させ、49議席と、一躍都議会の第1党になりました。

保守の側では、悲観的な見方が沢山あり、都民はバカでないのかという極論までありますが、私は「都民は賢明な選択をした。」と、敬服します。都議会自民党への批判票が、共産党や民主党に流れず、すべてが「都民ファースト」」へ行ったところに、「都民の知恵」を感じます。

 マスコミや野党が論評するように、安倍政権の政策への反対の意思意思であれば、都民の票は、反日野党へと流れなくてはなりません。しかし、結果はそうならず、民進党は7議席から更に2議席減らし、5議席となりました。共産党と公明党は微増でしかなく、前の議席を確保しただけというのが実態です。反日の政党が、勝利したという理由はどこにも見当たりません。

 それでも、都議選が安倍政権への批判だという点については、反対しません。あれだけマスコミが安倍総理を攻撃し、ネガティブキャンペーンを続けたのですから、都議選に影響がない方がおかしいのです。むしろ私は、都議選の確定数字を見て安堵しました。

 1. 国民の批判は、安倍内閣の政策への拒絶ではない。

   2. 行き場のない票が、反日でない「都民ファースト」へ流れた。

 この事実を、安倍総理は正しく受け止めるべきでしょう。都民は決して、反日・売国の政党を支持したのではありません。腐れマスコミの記事に惑わされ、「テロ等組織犯罪準備罪防止法」や「憲法改正」への反対票と捉えるのは間違いです。

 かって民進党が躍進し、政権を取った時にも、大きな風が民進党に味方しました。しかし、政策の一致点もないまま、風に乗って集まっただけの議員たちは、その無能さを国民の前に晒し、今は党名すら変更し、風前の灯のような政党に零落しています。

 今回の都民ファーストだって、以前の民進党とそっくり同じではありませんか。理念も定まらない議員たちが、マスコミの煽る風に乗り、寄り集まっただけの政党です。課題山積の都政を前に、若い素人の議員たちが、何をやれると言うのでしょう。小池人気を頼りに、民進党から離党したり、俄かに政治に野心を燃やしたり、中には自民党を裏切った窃盗犯みたいな議員も当選しています。

 こんな玉石混交の政党は、風見鶏議員の集団ですから、ちょっと逆風が吹けば、即座に崩壊する砂上の楼閣です。現に民進党がそうなっており、昔の勢いはどこにもなく、所属する議員が右往左往し、少しでも選挙に有利な政党へと転身していく有様です。

 反日で固まり、利敵行為に明け暮れる、左翼政党へ票が向かわなかったのは、都民の知恵です。露骨な利益集団となった都議会自民党は許せない、かといって、都政を反日の韓国や中国へ売るような、赤い政治家には任せられない。だとすれば、右でも左でもない、「都民ファースト」に入れよう、まして小池氏が元自民党員であり、防衛大臣であったことを思えば、多少はマシだろうと・・・・、私はそのように都民の心を推測しています。「都民ファースト」へ移った票は、そのうち自民党へ戻って来る票だと、私の確信する理由がここにあります。

 自民党は、むしろ保守政党として自らを正し、国民の信任に沿う努力をしなくてはなりません。反省すべきは、オポチュニストの石破氏が言うような、「憲法論議の封印」や「野党への妥協」ではありません。そうでなく、石破氏のような愚かな議員を大臣にした、安倍内閣の数の奢りが、反省の要点です。どんなバカな大臣でも、総理が任命すれば、国民は黙っているだろうという、奢りです。

 それと今一つ大事な反省点は、誠に言いにくいのですが、総理夫人の言動です。かって安倍総理は、昭恵夫人のことを家庭内野党と評していましたが、そのような軽い認識ではいけません。夫人こそが、国内最強の野党なのです。森友問題や、加計学園の問題など、夫人のスキャンダルが加わらなければ、取るに足りない些事でした。政界もマスコミも、総理への「忖度」から、夫人への攻撃をある時期から止めてしまいましたが、、多くの国民には、これが総理への不信感につながり、いまも消えない火種として残っています。都議選敗因の大きな原因の一つがここにあったと、誰も言いませんから、私が正論を述べます。

 今後昭恵夫人の対外的行動は、しっかりと監視し、自粛させなくては、総理のみならず、自民党の明日を左右し、ひいては日本の明日も不安定にしてしまいます。都議選の敗因として、総理が猛省するのなら、くどいのですが、繰り返します。これを実行すれば、数年のうちに、都議会の議席は自民に戻ってきます。

  1.  数に奢らず、謙虚な気持ちで、適正な大臣を任命すること。

 2.  総理夫人の言動が、国難を招かないよう、しっかりと管理・監督すること。

 なんの偶然か、平成の時代では、女性の力で国が揺らいでいる事実が他にもあります。「かかあ天下」は、時代の流れなのでしょうか、総理だけを責められないという感を強くします。以前にもブログで取り上げましたが、今の日本には、国を危うくする、勘違いした、善意の女性が、三人います。恐れ多いことですが、赤い美智子様と、公務嫌いの雅子様と、能天気な総理夫人のお三方です。

 

 何があろうと、国を大切にせず、歴史や伝統を足蹴にし、ご先祖様を罵倒する政党や議員には、決して票を入れてはなりません。私たちは「都民の知恵」を見習い、これからも、現実的な選択をしましょう。何を勘違いしたのか、石破氏が反安倍の狼煙を上げ始めましたが、惑わされてはなりません。氏こそが、自民党内にいる風見鶏、獅子身中の虫の仲間です。

 以上が、都議選の結果から得た、私の結論です。いろいろご意見はあるのでしょうが、言論の自由があり、誰にも脅されず、警察にも咎められず、・・・・やはり日本は有難い国です。 

 

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岡田啓介回顧録 - 4 ( 昭和と、平成の違い )

2017-07-01 23:35:11 | 徒然の記

 昭和 7年の5・15事件、昭和10年の国体明徴事件と、話が進みます。

 誰もが知る通り、武装した海軍の青年将校が総理官邸に乱入し、犬養総理を殺害したのが、5・15事件事件です。軍縮を支持した犬養首相が、海軍の将校たちに狙われていたのが一因だといわれています。事件をキッカケにわが国から政党政治が消え、軍人出身者が総理大臣となっていきます。

 ネットでは、当時の世相が次のように語られています。

 「大正デモクラシーに代表される、民主主義機運の盛り上がりによって、知識階級やマルクス主義者などの革新派は、あからさまに軍縮を支持し軍隊批判をし、それが一般市民にも波及した。」

 「軍服姿で電車に乗ると罵声を浴びるなど、当時の軍人は、肩身の狭い思いをしていたといわれる。」

  事実だとすれば軍人が、現在の自衛隊員より酷い仕打ちを受けていたことになります。電車で罵声を浴びせられるなど、本当にそのようなことがあったのでしょうか。
 
 次に語られているのは、国体明徴事件です。

 「昭和10年、美濃部達吉の天皇機関説を攻撃することで、政治の主導権を握ろうとした立憲政友会、軍部、右翼等の諸団体が、時の岡田内閣に迫って出させた政府声明 である。」

 「天皇機関説が、天皇を統治機構の一機関としているのに対し、国体明徴声明では、天皇が統治権の主体であることを明示し、日本が天皇の統治する国家であると宣言した。」

 これについて、岡田首相が意見を述べています。

 「総理大臣という立場にあって、しかも当時の国内の情勢からすると、まことにこういう問題は扱いにくいものだった。」「自分の心の中はともかくとして、言葉を表に出す時は慎重に構えて、些細なことで、言葉尻を捉えられないようにしなければならなかった。」

 「内閣の本来の任務を遂行する道で、こういう攻撃にあって中断するのは残念なことだし、むしろ自分のやるべきことは、こういう独裁的な動きを抑えて、立憲政治を守っていくことにあったのだから。」

 元海軍大将だった岡田首相でも、軍部の動きを、独裁的という言葉で表現しています。国会答弁で、言葉尻を捉えられないよう苦労しているところは、平成の今も同じです。野党の議員の質が低いと私たちは批判しますが、国会質疑のレベルは、百年一日の如しで、変わっていないと教えられます。

 5・15事件以来、軍部の若手将校のテロを恐れ、政治家はものが言えなくなったと、言われています。海軍出身の岡田首相も、結局は意に反し、「私は機関説には賛成していない。」と答えさせられています。

 「これが、議会だけを相手にする問題ならば、信念通りハッキリしたことも言えるのだが、閣内の軍部大臣が機関説否定のほうへ賛成しているので、この方面と衝突を起こさず、それでいて、愛国尊皇の仮面をかぶった右傾勢力に対抗していくためには、自分の意にそわぬことも口にしなければならなかった。」

 野党だけでなく、閣内の軍部反対勢力にも気を使い、少しずつしか政策が進められない首相の姿は、現在の安部総理に似ています。大臣の金権疑惑を野党が攻撃し、偽物の証人まで連れ出し、この嘘がバレるという話も岡田氏がしています。重要問題をスキャンダルですり替え、野党が倒閣に走るところも、今と同じ政治の有様です。

 書き残しておきたいのは、天皇機関説騒ぎに関する昭和天皇です。陛下を知る良い資料だと思いますので、紹介します。

 「陛下は、天皇は国家の最高機関であるから、機関説でいいではないかとおっしゃった。」「そして、困ったことを問題にしておる、というご様子だった。」

 「しかし私はこの御言葉を持ち出して、機関説を排撃する連中を、押さえようとは思わなかった。」「かりそめなことをして、累を皇室に及ぼすようなことは慎まねばならん。」「そう考えて、私の胸におさめておいた。」

 陛下の言葉を軽々しく他言しないという伝統が、平成の世では消滅しました。今上陛下の軽さと、補佐する役人や政治家の思慮のなさに失望いたします。ご学友や、床屋の主人までが、陛下のお気持ちを代弁し語るようでは、何をか言わんやです。

  「開かれた皇室」という言葉を金科玉条とし、雑誌や週刊誌までが、金儲けのため、あることないこと虚実取り混ぜて書き立て、現在の皇室は露出過剰となっています。このまま進めば、国民の「皇室への敬愛」が、霧散霧消するのでないかと思えてなりません。

 「天皇の地位は、国民の総意に基づく」と憲法に規定され、陛下も美智子さまも皇太子殿下も、その憲法を守ると述べれています。けれどもそれは、「国民の総意によって皇室がなくなる日が来る。」という意味にもなります。

 岡田首相の書を読んでいますと、違った昭和天皇のお姿があります。皇室を無くしたがっている共産党や民進党が、現行憲法を順守せよと叫んでいますが、陛下も美智子さまも、本当にそれで良いのでしょうか。

 次回は、2・26事件について述べます。岡田首相が一番力を入れて語っており、日本にとっても最重要事件の一つです。

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