地域によって休耕田の活用法はいろいろです。
まっ白い蕎麦の花が広がる休耕田は岩手県紫波郡紫波町。
ソバガラの枕がひとつ、わが家にはあります。
布は母がときおり取り替えてくれましたが、すでに50年以上も使ってます。
蕎麦の名産地の二戸郡に住んでいたので、母は蕎麦を栽培している農家にソバガラをもらいに私の手を引いて連れていってくれたのを覚えております。
父の仕事の関係で何度も引越しを繰り返す中、このソバ枕はいつもそばにありました。
5歳の私と29歳の母。ソバガラを抱えて家に帰る田舎道。
最近小さい頃をよく思い出します。トシナノカナ(笑)
部屋には電球ひとつにちゃぶ台ひとつ。そして小さな茶箪笥とその上にラジオ。
ぜんまい巻きの時計がぼーんぼーんと時を刻んでおりました。
台所にも、木製の食器棚ひとつに、煮炊きをする竈(くど)の上にはご飯釜。
冬は薪ストーブの上に鍋。
自家用車を持っている人はブルジョアだけ。
だからバスや自転車が交通手段。
買い物したものは全部新聞紙で包んでくれました。肉は経木。お豆腐はボールや鍋で買いました。
だから包装用のゴミなんて出ませんでした。
母は足踏みミシンで洋服を縫ってくれました。
セーターは何度もほどいては毛糸にして編み直して使いました。
その毛糸は父方の実家で育てている羊の毛で出来ていて毎年祖母が送ってくれました。
テレビが無くとも、冷蔵庫が無くとも、電話が無くても、レンジが無くても、洗濯機が無くてもそこにはココロが満たされた暮らしがありました。
今環境についていろいろ問題になっているけれど、50年前の当時を思うと、とっても環境に良い暮らしをしていたんだなって、あらためて感じます。
ノスタルジックな暮らしの中に日本の未来を見つけたような気がする本日。
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