田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

学校の古い校舎好きです  麻屋与志夫

2013-01-20 13:27:29 | ブログ
学校の古い校舎、すきです/麻屋与志夫
2011-07-12 08:11:16 | Weblog
7月12日 火曜日
episode8 「テケテケオバケ」の裏ネタです。
●古いものを情け容赦もなく壊してしまう。
この街にはそうした習癖があるようです。
悲しいことです。
そのてん、わが母校鹿沼北小学校の木造の古い校舎。
よくぞ修復しながら、残してくれたものです。
おおぜいのかたのご苦労があったはずです。
うれしいな。
いつまでもこのままの校舎を大切に使ってください。
いまは、鬼籍にはいてしまった中津博君と。
東京からもどると。
かならす北小の校舎を見に行ったものでした。

●北小学校の学区内が比較的むかしのおもかげをのこしていますね。
お千手山界隈。
上材木町の弁天池。
稲荷神社。

●わたしたちは、古い建物、樹木、通り、などに想いでがあります。
そのてん東京の下町はむかしのまま、
人情もむかしのまま、
ほのぼのとします。
むかしは、ヨカッタ。
などとなんでもかんでも古いものを賛美するわけではありません。
いいなぁとおもうものがあったらその風習とか、
建物とか、
街路樹などは残してもらいたいものです。
●「テケテケオバケ」を解体された校舎の恨みが、固まったオバケ。
ととらえたのはこうしたきもちからです。
●この学校の怪談。
Nちゃん、ツルちゃんからわたされたメモから始まったお話も、
これでおわります。
でも、これでもうかかない。
ということではありません。
どうぞおもしろいお話があったらコメント欄に寄せてください。
●「アサヤ塾」は裏路地に今時こんな家が。
とおもわせる昭和初期の古い家です。
隠れ家のような塾です。
教室だって古いんだから。
そこで教鞭をとるわたしたちも老いました。
でもまだまだがんばれます。
排除されないように、
新しいことに耳を傾ける、
柔軟なこころをもちつづけています。
テケテケテケ。


作者からのメッセージ。
●いままでお読みいただいた、とある田舎町の「学校の怪談」は2011年に書いたものです。
もちろん、足りない部分は書き改めました。
●そのころのブログも再録しました。ツルちゃんはこの春、中学二年生になります。月日の経つのははやいものですね。孫も二歳になり元気です。歳を取ってくると、時の流れがはやすぎます。時の流れを堰きとめることができればいいのになぁ。
●さて、これからはpart2をかきつぎます。Mちゃん。すばらしいネタありがとう。一生懸命かきます。楽しみにしていてください。


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とある田舎町の「学校の怪談」episode8 テケテケオバケ 麻屋与志夫

2013-01-20 00:03:13 | とある田舎町の「学校の怪談」
episode8 テケテケオバケ

鈴木君はひとりで残ったことを後悔していた。

「どうせ、テケテケオバケなんてつくりごとだよ」
「でるわけないって!!」
ツトム君も学君も相手にしてくれない。
だってこれで一週間も張りこんでいるのだから。
ふたりとも、張り込みにあきて帰ってしまった。

お化けの名前は。
テケテケ。
放課後昇降口にでる。
上半身だけで。
右手に大きな鎌をもっている。
両手で走る。
テケテケとおとをたてて走る。
目があうと「殺すぞ」と鎌をふるう。
下半身をきられてしまう。
テケテケお化けのように上半身だけになってしまう。
そんなふうに怖い話だ。

いま、鈴木君はその昇降口の壁の陰に潜んでいる。
中央小学校の校舎はすでに、半分はきりはなされていた。
もうじき、この正面入り口のあたりも解体される。
そのころは、ぼくは中学生になっているだろう。
なつかしい小学校の校舎がなくなってしまう。
さびしいな。

夕暮れて男体山颪が吹きだした。
そのときです。
音がした。
なにかかすかに動く気配がする。
テケテケテケテケ。
話にきいて怖がっているのと、リアルに見るのとでは。
怖さがちがった。
オバケの〈出現〉の現場にたちあってしまった。
テケテケテケテケ……。
音はします。
姿は見えません。
テケテケテケテケテケ……………。
鈴木君はこわくなって校庭に飛びだしました。
テケテケ。
うしろから音が追いかけてくる。
こわくてふりかえることはできない。

校庭にたおれている鈴木君を発見したのは父親でした。
帰りの遅い息子を心配してさがしにきたのです。
鈴木君はオバケを見たといいました。
テケテケテケという音まできいた。
追いかけられた。
怖かった。
と泣きだした。

校舎半分は解体された。
建物の嘆きじゃないかな。
そんなことをいう先生もいた。
古い建物には霊がやどっている。
校舎のお化けだよ。
この怪談に結論が出されました。
でも、鈴木君はたしかに追いかけてくるお化けの気配を感じました。
あのとき勇気をだしてたちどまり、ふりかえっていれば――。

……目があってしまったら。
大きな鎌で下半身をきられていたでしょう。
やはりふりかえらないで逃げて正解だった。
鈴木君はそうおもいました。

テケテケテケテケテケテケ。

中央小学校は新校舎が落成しました。
いまは、テケテケお化けの話はだれもしません。
やはり、あれは古い校舎に棲みついていたい霊だったのでしょうか。
だとしたら、今はどこに移転したのでしょう。
あなたの学校で。
放課後薄暗い教室に居残りしていると……。
どこからともなく。
耳にテケテケテケテケというかすかな音がきこえてきませんか。
ほら……あなたの後ろから。


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