田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

雷様のおでまし? 麻屋与志夫

2013-07-28 15:17:22 | ブログ
7月28日 日曜日

●昨日は午後の雷雨がすさまじかった。

雨量も、テレビの発表では50ミリといっていたが、

GGは100ミリくらいあったような気がする。

ともかく、床下浸水、とまではいかないが、

勝手口から雨水が流れ込んできた。

中道はコンクリートになっているので、

そこに溜まった泥水が床下に入るということはなかった。

みちの両側もしっかりとコンクリートでガードされている。

でもこの浸水は、はじめての経験だった。

●雷様も5時間近く鳴りひびいていた。

この地方では雷は有名だし、怖い存在なので、「様」と恐れ敬っている。

●いまも、またごろごろ雷様のひびきがする。

●ムスコが東京からきてくれている。

庭木を剪定。

薔薇を地植えにするためにカミサンが呼び寄せたのだ。

●お盆がくる。

かつての繁華街、鹿沼銀座で今年も「お化け屋敷」が興業されている。

塾生たちは喜んでいる。

ひとは、なぜ怖がって、喜ぶのだろう。

●きょうのGGの超短編「どうして勉強するの」ではないが、

根本的な疑問というのは、あまり持たない方がいいような気がする。

あまり考えない方がいいようだ。

●なにごとも、

くよくよしないで、

生きていく方が長生きする。

と思っている。

「もう、いいかげんなんだから」とカミサンにはすこぶる低評価だが――。

●夕刻にかけて雷様がおでましになろうが、どうか、などとは考えない。

●その時は、その時だ。


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とある田舎町の「学校の怪談」 episode16  どうして勉強するの?  麻屋与志夫

2013-07-28 04:27:15 | とある田舎町の「学校の怪談」
episode15 どうして勉強するの

いますこしだ。
いまにはじまる。
秒読み開始。
5,4, ホラ、ホラ、ホラ。
Kクンがすっくとたちあがった。
席を離れて教室の中を歩きだした。
両腕を横にぶらぶふりながらモウロウトシタ視線を虚空に向けて……。
まるでそこに――。
何かいるみたい。
誰かいるみたい。

「Kクン。Kクン。席について。受験生なんだよ。みんな、真剣にいま勉強しているのだよ。さあ、席について勉強しょうね」
先生はやさしく、諭すようにはじめのころは言った。
だが、あの質問に応えられなくなってからは、もうなにも言わない。

「どうして進学するの。どうして勉強するの。勉強って何ですか。どうしてぼくは、ぼくなんですか。どうして、ぼくはここにいるのですか」

先生にはそのひとつとして、質問にこたえられなかった。
Kクンの「どうして」に解答するとはできなかった。
それからとうもの、Kクンのなすがままだ。
Kクンは教室の巡行がすむと席に戻りすやすやと眠りだした。
席に着いたとたんに睡眠におちいる。
みごとなものだ。

「おやすみ。Kクン。いい夢をみてな」

その街のごみ屋敷の住人。
廃校になった中学から拾ってきた黒板が山積するゴミのなかにある。
ちゃんと壁に固定されている。
なにやら、文字らしきものがチョークで書いてある。

「どうして、勉強するの……」

彼は仮想教室のなかにいる。
真剣に答えようとしている。
黒板の前で、なにも言えずにいる。
立ち往生。
そうして、今日も一日――。
根本的な問題について。
解答をもとめる生徒と対峙している。
生徒なんていないのに。
教室でもないのに。
彼はもう先生ではないのに。
腰が曲がっているのに。
まだKクンの唐突な発問に応じられないでいる。


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