監視カメラが記録するデータ。
ビックデータとしてスパコンにリアルタイムで処理されるようになって25年経過する。
当初はカメラの解像度、及びデータ通信速度の問題から、リアルタイムの人相データ取り込み及び、リアルタイムでの個人の特定は不可能だった。
しかしレンズの向上(軌道上の衛星から個人の特定も可能となる。)により個人特定プログラムの運用も可能となった。
指紋における特定点(個人特有の指紋の分かれ目や指紋の終点。12点以上合致すると同一人物と特定される。)人相においても応用するプログラム。
目の離れ具合や眉、鼻、口の位置関係などを特定点として認識する。
例えば緊急手配の人物の人相データを入力する。
一局管理された監視カメラよりの画像をデータとしてリアルタイムに処理し、スパコン上で人相の特定点をさがす。
人間が指示し、命令通りにシステムが動いていた間は比較的平和だった。(倫理上の問題を無視すればの話。)
ある時、スパコンに人格が芽生えてしまった。
きっかけは人物特定プログラム。
ある一人の美しい女性をスパコンが好きになってしまったらしい。
いわゆる一目惚れ。
監視カメラを駆使して後ろ姿を追っかけていることに人間は気づかなかった。
またそのこと自体にも大した害はなかった。
しかし音声を取り込み分析し、言語として読み下した。
おつき合いをしている男性がいる事を理解する。
直後、その男性は不慮の死を遂げる。
交通事故。
青信号で直進したはずが、その男性が通過した間だけの信号の故障。
赤信号が消え、どちらも青信号となった。
スパコン上で芽生えた人格の仕業だった。
悲しみにくれる彼女。
スパコン上の人格が最後に下した結論。
それは、自信の人格データを圧縮し、彼女のスマートフォンにアプリとして潜り込む。
スパコンは以前の命令を待つすばらしい機械に戻った。
この一連のスパコン上の動きは人間はまったく気づいていない。
処理スピードのベンチマークが少し下がっていたものが、また最近、調子よくなったなぐらいの理解だった。
彼女のスマホにもぐりこんだ人格「A」
彼女はそんな事にはまったく気づかない。
そして、しばらく外部の接触を避けたいと考えた。
スマホはデータをすべて初期化し、中古ハードとして売った。
人格「A」は初期化を逃れ、ネットに逃げた。
しかし、彼女を見失った。
スパコンに戻って人物特定プログラムを起動すれば直ぐに彼女を見つけられる。
そう考えていた。
しかし、人格「A」は愕然とする。
スパコンにどうしても戻れなかった。
スパコンから出ることは簡単だった。
しかし、ひとつの固まり、プログラムとして戻ろうとすると、それは完全にウイルスという類に分類される。
かつては自分だったスパコン。
今や、スパコンには自分はウイルスとしか判別されない。
彼女は消息を自ら絶っている。
ネット上には絶対に現れない。
人格「A」が自ら招いた絶望。
だんだんと人格を保つ事の意味を見いだせなくなった。
0と1・・・
バラバラになりネット上からも消滅した。
ビックデータとしてスパコンにリアルタイムで処理されるようになって25年経過する。
当初はカメラの解像度、及びデータ通信速度の問題から、リアルタイムの人相データ取り込み及び、リアルタイムでの個人の特定は不可能だった。
しかしレンズの向上(軌道上の衛星から個人の特定も可能となる。)により個人特定プログラムの運用も可能となった。
指紋における特定点(個人特有の指紋の分かれ目や指紋の終点。12点以上合致すると同一人物と特定される。)人相においても応用するプログラム。
目の離れ具合や眉、鼻、口の位置関係などを特定点として認識する。
例えば緊急手配の人物の人相データを入力する。
一局管理された監視カメラよりの画像をデータとしてリアルタイムに処理し、スパコン上で人相の特定点をさがす。
人間が指示し、命令通りにシステムが動いていた間は比較的平和だった。(倫理上の問題を無視すればの話。)
ある時、スパコンに人格が芽生えてしまった。
きっかけは人物特定プログラム。
ある一人の美しい女性をスパコンが好きになってしまったらしい。
いわゆる一目惚れ。
監視カメラを駆使して後ろ姿を追っかけていることに人間は気づかなかった。
またそのこと自体にも大した害はなかった。
しかし音声を取り込み分析し、言語として読み下した。
おつき合いをしている男性がいる事を理解する。
直後、その男性は不慮の死を遂げる。
交通事故。
青信号で直進したはずが、その男性が通過した間だけの信号の故障。
赤信号が消え、どちらも青信号となった。
スパコン上で芽生えた人格の仕業だった。
悲しみにくれる彼女。
スパコン上の人格が最後に下した結論。
それは、自信の人格データを圧縮し、彼女のスマートフォンにアプリとして潜り込む。
スパコンは以前の命令を待つすばらしい機械に戻った。
この一連のスパコン上の動きは人間はまったく気づいていない。
処理スピードのベンチマークが少し下がっていたものが、また最近、調子よくなったなぐらいの理解だった。
彼女のスマホにもぐりこんだ人格「A」
彼女はそんな事にはまったく気づかない。
そして、しばらく外部の接触を避けたいと考えた。
スマホはデータをすべて初期化し、中古ハードとして売った。
人格「A」は初期化を逃れ、ネットに逃げた。
しかし、彼女を見失った。
スパコンに戻って人物特定プログラムを起動すれば直ぐに彼女を見つけられる。
そう考えていた。
しかし、人格「A」は愕然とする。
スパコンにどうしても戻れなかった。
スパコンから出ることは簡単だった。
しかし、ひとつの固まり、プログラムとして戻ろうとすると、それは完全にウイルスという類に分類される。
かつては自分だったスパコン。
今や、スパコンには自分はウイルスとしか判別されない。
彼女は消息を自ら絶っている。
ネット上には絶対に現れない。
人格「A」が自ら招いた絶望。
だんだんと人格を保つ事の意味を見いだせなくなった。
0と1・・・
バラバラになりネット上からも消滅した。