日常観察隊おにみみ君

「おにみみコーラ」いかがでしょう。
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◎デジタルとアナログ

2012年08月15日 | ◎これまでの「OM君」
俺は活字欲求者だ。
手元には常に書籍が欲しい。
しかも新しい内容の最後まで興味が持続するものを欲する。
最小の投資と最高の収穫も期待する。

自分の欲求のため、図書館の書籍をデジタル化する事を思いつく。
問題はスキャン。
流行の言葉で言う所の自炊だ。
さすがにパソコンとスキャナーの機材を持ち込んで1ページづつ読み込んでなんていられない。
(反社会的行為を行使するが、社会的には怒られたくない。)
重なりあうページを閉じたまま読み込めないか。
ページの厚みを利用し3次元的奥行きで特定のページを読み込む機器を開発した。
これで本を閉じたまま1ページから最後のページまで読みこめる。
一冊2秒。
毎日通いデータ化した。

活字は紙で読みたい。
だが背に腹は代えられない。
金銭的理由だ。
欲望のままに本を買いあさるとお金がいくらあってもたりない。
羽が生えたようにお金が飛んでいく。


活字はデータに変わっている。
電子書籍。
タブレット型をすらすら指でなぞる。
ノンノン。
電子ペーパーを表裏表示させ、200枚重ね本状にする。
これで400ページ程度。
背表紙部分を本体とする。
取り込んだデータを全ページ表示。
電子ペーパーは一度表示させると電源を切っても、データ表示自体には電気不要。
要するに一冊の本を完成させる。
本体サイズの縮小のために外部電源のみとする。
この機能を持つ本体を文庫本サイズ、ハードカバーサイズ、A4雑誌サイズ用意する。

これで欲求は満たされた・・・か・・・
やはり満たされない。

新刊書店まるまる一店の書籍をデータとして取り込んだ。

これでも欲求は満たされない。

絶版本、過去の雑誌のバックナンバー。
読みたい。

各出版社に出入りする清掃会社に就職する。
いつでもどれだけでも好きな本が手に入る環境。
ここで初めて欲求は満たされた。

働き続け、気づくと老年。
立ち読みの悪のり気分でここまできた。
決して許される行為でないことは分かる。
しかし絶版本、バックナンバー・・・
ある一部のマニアにしか手に入らない情報。
何とかならないか・・・。

定年後、出版社を回った。
ビジネスの提案だ。
紙媒体の出版物のデータ化に二の足を踏む出版社。
データ化は問題ない。
それを安価で販売して欲しい。
そこがポイント。
定価販売ではだめだ。
1/10~1/20の値段で売って欲しい。

レトロ書籍として爆発的ヒットを記録した。


立ち読みの悪のり人生で、後ろめたい気持ちもあったが、これで本の神様に許されたと思いたい。
コメント
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