とある平日の午前中。何もすることのないミツオは事務所の窓際にあるサボテンに霧吹きで水を与えていた。窓の外を見る。世界は薄暗く、霧が空間を支配している。
霧の世界にもランドマークといえるものが存在する。どこにいても見える巨大な構造物は、地上から上空へと光の道を残していた。宇宙へとつながるエレベーター。物資を宇宙ステーションへと運搬している軌道エレベーターと言われるものだ。暇を持て余すミツオは、忙しく働く人々に申しわけない気持ちに襲われる。しかし、そうは言っても仕事はない。
「私にもメンテナンスの経費がかかります」
エリーは自分の出来る範疇での、ネット営業をしながらミツオに嫌みを言う。
「サンシロー事案での臨時収入があるじゃない」
「たまりにたまった家賃、光熱費、車、私のメンテナンス経費。いつまであると思っているのですか」
「……」
ミツオは返す言葉も無い。
そのとき、事務所のドアが開いた。「ロクロ探偵事務所とは、こちらでよろしかったでしょうか」
年齢50歳ぐらいの髪の短い短髪の男がそこにいた。
霧の世界にもランドマークといえるものが存在する。どこにいても見える巨大な構造物は、地上から上空へと光の道を残していた。宇宙へとつながるエレベーター。物資を宇宙ステーションへと運搬している軌道エレベーターと言われるものだ。暇を持て余すミツオは、忙しく働く人々に申しわけない気持ちに襲われる。しかし、そうは言っても仕事はない。
「私にもメンテナンスの経費がかかります」
エリーは自分の出来る範疇での、ネット営業をしながらミツオに嫌みを言う。
「サンシロー事案での臨時収入があるじゃない」
「たまりにたまった家賃、光熱費、車、私のメンテナンス経費。いつまであると思っているのですか」
「……」
ミツオは返す言葉も無い。
そのとき、事務所のドアが開いた。「ロクロ探偵事務所とは、こちらでよろしかったでしょうか」
年齢50歳ぐらいの髪の短い短髪の男がそこにいた。