扉を開けるとそこには、ごく普通のワンルームがあった。しかし、普通、必ずあるはずの窓が無かった。外を確認することは出来ない。浮遊感があり、どこかにむけて移動している事は分かる。依然として正確な状況は分からない。
「私たち軟禁状態ですね」
エリーが不安げな表情を浮かべている。
「簡単にいうとそういうことだな。まあ、須田の言うとおりするしかない。とりあえず、今日からはちょっとしたバカンスと思わなきゃやってられないな」
ミツオは部屋を物色する。コンテナ自体の受け渡しを感じる振動があった。それ以降はずっと同じ調子の振動がつづいている。
冷蔵庫の中にある食材を使って、エリーは料理を始める。高級ワインを見つけたミツオは早速、うきうきと一人飲み始めた。ちょっとしたリゾットを作り終えたエリーは、編み物を始めた。
二人はそれなりに、この奇妙な状況を楽しんでいるようだった。ひとしきり満喫した二人は思い思いのタイミングで就寝した。
次の日、ミツオは疑問に思っていることをエリーに聞く。
「どこに向かっていると思う」
「どこって、海外じゃない島にむかっているのでしょう」
エリーは編み物の手を止めない。
「はたしてそうだろうか」
エリーは編み物の手を止めてミツオを見た。
「どういうこと」
「進行方向が気になる。島ならまっすぐ海上を飛んでいると思う。でもこの振動は水平移動ではないような気がする」
「水平じゃなかったら何?」
ミツオは一呼吸置いてから自分の考えを言った。
「上昇し続けているような気がする」
「私たち軟禁状態ですね」
エリーが不安げな表情を浮かべている。
「簡単にいうとそういうことだな。まあ、須田の言うとおりするしかない。とりあえず、今日からはちょっとしたバカンスと思わなきゃやってられないな」
ミツオは部屋を物色する。コンテナ自体の受け渡しを感じる振動があった。それ以降はずっと同じ調子の振動がつづいている。
冷蔵庫の中にある食材を使って、エリーは料理を始める。高級ワインを見つけたミツオは早速、うきうきと一人飲み始めた。ちょっとしたリゾットを作り終えたエリーは、編み物を始めた。
二人はそれなりに、この奇妙な状況を楽しんでいるようだった。ひとしきり満喫した二人は思い思いのタイミングで就寝した。
次の日、ミツオは疑問に思っていることをエリーに聞く。
「どこに向かっていると思う」
「どこって、海外じゃない島にむかっているのでしょう」
エリーは編み物の手を止めない。
「はたしてそうだろうか」
エリーは編み物の手を止めてミツオを見た。
「どういうこと」
「進行方向が気になる。島ならまっすぐ海上を飛んでいると思う。でもこの振動は水平移動ではないような気がする」
「水平じゃなかったら何?」
ミツオは一呼吸置いてから自分の考えを言った。
「上昇し続けているような気がする」