最後に見たのが、まだ父も母も元気だったころです。昭和45年頃だったかなと思います。あれから既に半世紀近くの年月が流れました。それまで、畑沢のヒキガエルとは会ったことがありません。
ブフォ ブフォと言うのは、この蛙の鳴き声ではありません。実は、この蛙、昔はブフオ ブフォだったのです。正しくは、Bufo bufo japonicusと分類されていました。ヨーロッパなどのヒキガエルと亜種の関係にされていました。それで、日本のヒキガエルもブフォ ブフォとなる訳ですが、今は日本のヒキガエルは、ブフォ ヤポニクス Bufo japonicusとなりました。ブフォ ブフォの方が覚えやすいのですが、仕方ありません。さらに、面倒なことになり、畑沢などのヒキガエルはブフォ ヤポニクスの亜種となり、アズマヒキガエルの名前を頂戴しました。ブフォ ヤポニクス フォルモスス Bufo japonicus formosusなどと頭がこんがらがってきました。やっぱり、ブフォ ブフォがいいー。
それでは、名前があらたまってからの畑沢ヒキガエルを紹介します。formosusとは、美しい、奇麗な形などの意味があるようです。この写真を見て、皆さんはそのようにお感じになるのでしょうか。私は否です。どこがformosusですかね。それは、さておきまして、この蛙、とんでもない惨事に巻き込まれるところでした。私が草刈りをしていた時にひょっこりと出てきたのです。危なかったです。半世紀ぶりですから、無理をして私の前に現れてくれたそうです。
ところで、日本のヒキガエルはそれだけではありません。二種類だけでは物足りないらしくて、ナガレヒキガエルもブフォ ブフォから独立しました。日本のヒキガエルは、別の南西諸島のものを含めると、四種類になりました。
久しぶりの畑沢でした。5月の半ばに田植えに行ったきりです。娘が里帰り出産をして、私が子守の一役を担ってきました。皆さんは私を役立たずと思っているかもしれませんが、見かけに反して意外と子守が上手なのです。かなり妻からも娘からも頼りにされたので、中々、外出も儘なりませんでした。赤ん坊も昼夜の区別がついてきて、少々、私も自由時間をもらえるようになりました。長かった2か月でした。