-畑沢通信-

 尾花沢市「畑沢」地区について、情報の発信と収集を行います。思い出話、現況、自然、歴史、行事、今後の希望等々です。

青井法善氏の「郷土史之研究」を翻刻しました。

2019-02-16 19:26:05 | 歴史

 「郷土史之研究」は、昭和2年(西暦1927年)に畑沢の大先輩である青井法善氏によって書かれました。その書籍の内容は、旧常盤村の郷土史です。現在に至っても、常盤地区全体についての郷土史の書籍は、これが唯一です。

 私がこの本を知ったのは、2年前です。青井法善氏の孫にあたる人から教えてもらい、ついでに複写したものを貸してもらいました。拝見して驚きました。今から九十年以上も前に書かれた本だけに、今の時代にはとても知ることが出来ない貴重な記述ばかりでした。拝見して直ぐに、私が畑沢の情報発信をしているブログで何回も紹介しましたし、その後、私が平成三十年に発行した「畑沢を再発見」にも数多く引用いたしました。

 しかし、「郷土史之研究」は、活字にされていませんので一部の人の目にしか触れず、また毛筆で書かれていますので今の人にはとっつきにくいものです。このままでは、埋もれたままになってしまう心配を持ちました。これを印刷文字に起こす必要があります。「翻刻(ほんこく)」という作業です。どなたかが翻刻して下さればいいのですが、思い当たりません。ならば、自分が精一杯やるしかないと思い立ちました。ところが、いざ作業を始めて見ると、自分の無力さが露呈しました。この本は昭和2年に刊行されたものなので、けっして古文書と言われるものではないのでしょうが、戦前の文章には旧漢字、旧仮名、変体仮名さらには異体字が使われ、それをさらに行書体や草書体に崩された文字となると、戦後の教育を受け古文書に興味を持たない私にとっては、遥か昔の古文書と同じ難解さがありました。そのために解読できない文字が多数、残ってしまいました。

 それでも、何とか私なりに作業を終了しました。原本は約200ぺージでしたが、翻刻したら106ぺージに収まりました。表紙は、次の写真のとおりです。表紙へのタイトル印刷は、素人ではどうにもなりませんので、紙を貼りました。

 

 

 本の中身は、下の写真の様に毛筆で書かれていました。慣れないと読みにくいものです。

 

 そこで、これを明朝体の文字に書き直しました。ただし、青井法善氏が使われた変体仮名、旧仮名、旧漢字、異体字は可能な限り復元しました。ところで、何回やり直しても、画像が寝てしまいました。ごめんなさい。

 この作業に当たっては、多くの方々から御支援を賜りました。複写本を提供して下さった青井法善氏の孫にあたる方、原本捜しをしていただいた芭蕉・清風歴史資料館、ほたるの里郷土資料館并尾花沢市社会教育課の方々には本当にお世話になりました。ありがとうございました。

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