今年5月半ばから毎週1回ずつ尾花沢市観光物産協会主催の「尾花沢市観光ボランティアガイド養成講座」を合計4回受けました。五、六前までは城跡などには全く関心がない私でしたが、畑沢の楯跡を調査しているうちに延沢城跡にも興味を持ち始めました。しかし、元々、素養に乏しいので、受講したからと言って直ぐにガイドできる実力があることにはなりません。しかし、しかしですよ、私の場合は普通の人とは違うようです。「ガイドしながら実力を養おう」の結論に辿り着きました。
畑沢で講座を受けたことを話したら、ある人が、「延沢城を見たい」と言い出したのです。「ならば、私が案内しましょう」。それで今月の26日に案内することになりました。実に軽挙妄動を地で行っています。そんな適当な私ですが、この無知さには不安があります。そこで、7月12日に下見をしてきました。養成講座でも現地案内がありましたが、自分が案内するという前提での見方になると、それとは異なります。
そもそもスタート地点が異なります。講座では小学校の端からの登りでしたが、今度は城があった当時の大手門(正門)からにします。今回、初めて通ります。常盤地区公民館の県道を東へ進むと、すぐに道路の左側に道標が立っています。
県道から上へ40mぐらいが少し段差があって、そこに大手門があったのではと思います。杉林の中です。
大手門から常盤小学校敷地を通り、いよいよ大きな林が目前に迫ると、杉林の中に2~5mぐらいのはっきりした段差が多数、現れます。講座で頂戴した資料によると、三の丸となっています。三の丸は単一の曲輪(兵の集合場所や建物が立地する平坦部)ではなくて、いくつもの曲輪で構成されたものを言うようです。つまり、「三の丸の曲輪群」と言ったところです。これまで延沢城址の縄張図(城の平面図)となると本丸や二の丸などだけで、その下部は図面化されていませんでしたので、城としてはどこか寂しい感じがありました。三の丸と言われる曲輪などを図面化すれば、もう少し「城の縄張図」らしさが出てくるでしょう。しかし、曲輪はかなりの数ですので、図面化する作業は並大抵のことではないと思います。それを一人で行うのでしょうか。グループでの作業がよろしいと思うのですが。
山城の裾部から「七曲」の道をひたすら登っていくと、やがて二の丸への入り口が見えてきます。ここの入り口が只者ではないことは先に投稿しております。そうです「桝形門(ますがたもん)」です。
さらに櫓門(やぐらもん)を通ると、本丸です。シンボルの大杉があります。本丸に続く特徴的な曲輪が多数あるのですが、この景色を眺めているだけでは気が付きません。本丸の縁(ふち)に近づいて斜度70度ぐらいの絶壁を覗き込むと分かります。この山全体が固い砂岩でできていて、普通では考えられない斜度を形成しています。「延沢軍記」にはこの城がかなりの険しいと表現していましたが、私は単なる誇張と受け取っていました。しかし、実際、見てみると嘘や誇張でもありません。山城だから石垣を使っていませんが、元々が岩石ですので削っただけで石垣の城以上に険阻になるようです。
本丸で崖下を覗き込む曲輪などに時間を費やしてから、馬場や堀切を通って山を下りました。全体で1時間20分でした。22日は往復2時間を想定していますので、十分に余裕を持って回れそうです。
城跡見学は、次の予定となっています。御自由に同行してください。
1 日 時 令和元年7月22日(月)午前10時~12時
2 集 合 尾花沢市常盤地区公民館駐車場
3 服装等 長そで・長ズボン・長靴等・雨具・杖
4 飲食物 水・おやつ少々(昼食は下山後に随意)
5 参加料 不要(保険なしなので、自分で安全を確保する覚悟でお願いします。)
6 登り口から本丸までは、標高差が約130mと楽ですが、下りで膝に負担がかかります。散歩や階段の昇降で体を慣らして下さい。
7 備 考 誰でも参加できますが、資料の準備のため御氏名を教えてください。