この石仏は、上畑沢の墓地の入口近くにあります。「三界萬霊塔」といい、「さんかいばんれいとう」又は「さんがいばんれいとう」と読むそうです。高さは1m余りで、墓石の大きさ程度です。凝灰岩でできていて、風化が激しく設立年月日などは、一切、判断することができませんでした。
「三界萬霊等」とは、山形県西川町の石仏に係るホームページによると、
「三界は仏教語で、欲界、色界、無色界をいい、俗界というのは、食欲、性欲、睡眠欲をいう。色界は食欲よりも性欲の強いことをいい、無色界は性欲のない心の世界をいう。万霊というのは欲、色、無色界の有情無情の精霊などのあらゆる世界をさしている。それらを供養することが三界萬霊塔である」
とのことです。難しくて、私の様な不信心な者にはよく分かりませんが、要は「人を含むあらゆる生き物の供養をする」石仏のようです。通常、墓は特定の家の故人を弔うものですが、三界萬霊等は「家」に限らずに広く無縁仏なども弔う目的に建てられる場合もあるようです。畑沢でも、天明の大飢饉をはじめとして家族全員が死に至るような凄まじい悲劇を経験してきたものと思います。当然、弔う家族が誰も生存できない事態も度々、生じたのではないでしょうか。また、大飢饉などにおいては、行き倒れもあったことでしょう。
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