落下する花―月読 価格:¥ 1,470(税込) 発売日:2007-03 |
人が死ぬと月導(つきしるべ)が現れるという。。。
その形は様々で決まったものはない。
真夏に1本だけ桜が咲いたり、壁に般若の顔が現れたり、
解けない氷が出現したり、色の付いた空気が流れたり。。。
それらは、とても不思議な現象ではあるけれど、
人畜無害なものばかり。
そして、そこには、故人の死ぬ間際の思いが込められている。
「イカそうめんを食べたい」というたわいのないことから、
謎めいた言葉。。。などなど。。。
遺言とは、また違った、故人のありのままの気持ち。。。
この物語には、
朔夜一心(さくやいっしん)という月読(つくよみ)が登場し、
故人の思いを知りたいと願う遺族たちに、
人が死ぬ直前に考えていたことを、月導から導き出す。
そして、様々な事件の謎を解いたりするのだった。
なかなか面白い発想で、ついついのめりこんでしまいました。
人は死ぬ直前に何を思うか。。。?
私の死後には。。。
招き猫でもひとつ転がり出たら面白いかなー。。。なんて。
そして、そこに込められた思いは。。。
「猫が抱きたい!」とか「イクラ丼が食べたい!」とか?(笑)
義母が、甲イカを買ってきました。
なぜか、義母はこのイカが好きらしく、
スーパーで見かけるとよく買ってきます。でも、さばくのは私の役目。
私も、イカは好きなんですが、このイカ、ちょっと面倒。。。
普通のイカよりも墨がたっぷり入っていて、
うまく取り出さないと、台所がすごいことになってしまいます。
私は下手なので、手も、まな板も、すべて墨だらけ。。。
そして、中には甲(?)が入っていて、
それを取り出さなくてはいけないし。。。
「きゃぁ。。。お母さん、また買ってきちゃったのぉ。。。?!」
って感じ。。。です。
でも、身は厚くて、甘みがあって美味しいのですけどね。
今夜は辛子明太子と和えてみました。
そばにある白い骨のようなのが、中に入ってる甲。
これは、きれいに洗って、干して、お花の肥料にします。
柔らかいので、スプーンなどで削るとサラサラの粉になります。
カルシウムたっぷりで、肥料には最適なんだとか。。。
ということで、隅々まで使い切る我が家です(笑)
自転車ロードレースの世界を描いた青春ミステリー。
友人がすすめてくれたので、読んでみました。
表紙からは、あまり読書欲をそそられなくて、最後まで読めるかな?
なんて思いつつ、ページをめくると。。。
あぁ。。。。なんということでしょう。。。
この物語の中の一場面が切り取られたと思われるシーンが冒頭に。。。
それが、あまりに衝撃的で、なぜ、そうなったのか?!
いったいなにが起こったのか?!
もう、読まずにはいられなくなります!
もちろん、私は、自転車レースのことなど何も知らないし、
興味もまったく無かったけれど、すごく面白く読めました。
自転車レース独特のルール。。。
それは、チームのエースを勝たせるための「アシスト」という役割、
それはサクリファイス(犠牲)でもあるのだと知る。
ラストでは、思わず胸がジーンとなること間違いなし!
おすすめです!
氷壁 (新潮文庫) 価格:¥ 820(税込) 発売日:1963-11 |
奥穂高の難所に挑んだ魚津恭太と、小坂乙彦だったが、
切れるはずのないザイルが切れて小坂が墜死する。
自分の命惜しさに魚津がザイルを切ったとか。。。
小坂が自分で切り、自殺をしたのだとか。。。
世間のさまざまな憶測に悩まされつつも、
魚津は、真実を知るために奔走する。
そして、小坂の恋人であった人妻、八代美那子への思慕を胸に、
再び、単独でで山に登るのだった。
雄大な自然の厳しさと、
恋愛と男同士の友情を描いた長編小説です。
山岳小説というと、
興味の無い人には、なんだか、つまらなさそうですが、
雪山の情景がしっかり伝わってきて、たっぷり楽しめました。
魚津の上司が、これまた面白くて厚みがある人物で、
とっても私好みで、暗くなりがちな物語に色を添えてた感じです。
そして、偶然にも、今日の朝刊に、こんな記事が。。。
この小説のモデルとなった北アルプスの遭難事故で、
実の弟をなくしたのを機に、その兄が、
登山用具(ナイロンザイル)の安全性研究のため、
自宅に立てた研究用の鉄塔が、
老朽化のため取り壊されることになったという記事。
この男性(兄)は、
ザイルの強度実験に半生をささげたのだとか。。。
この本を読んでいなかったら、見逃してしまった記事でした。
自分の興味の無いものには、まったく目を向けない私なので、
たぶん、この本も、すすめられなければ、読まなかったはず。。。
いろんな世界があることを知れて、よかったな。。。。って思います。
この本をお勧めしてくださった夏みかんさん、どうもありがとう☆