氷壁 (新潮文庫) 価格:¥ 820(税込) 発売日:1963-11 |
奥穂高の難所に挑んだ魚津恭太と、小坂乙彦だったが、
切れるはずのないザイルが切れて小坂が墜死する。
自分の命惜しさに魚津がザイルを切ったとか。。。
小坂が自分で切り、自殺をしたのだとか。。。
世間のさまざまな憶測に悩まされつつも、
魚津は、真実を知るために奔走する。
そして、小坂の恋人であった人妻、八代美那子への思慕を胸に、
再び、単独でで山に登るのだった。
雄大な自然の厳しさと、
恋愛と男同士の友情を描いた長編小説です。
山岳小説というと、
興味の無い人には、なんだか、つまらなさそうですが、
雪山の情景がしっかり伝わってきて、たっぷり楽しめました。
魚津の上司が、これまた面白くて厚みがある人物で、
とっても私好みで、暗くなりがちな物語に色を添えてた感じです。
そして、偶然にも、今日の朝刊に、こんな記事が。。。
この小説のモデルとなった北アルプスの遭難事故で、
実の弟をなくしたのを機に、その兄が、
登山用具(ナイロンザイル)の安全性研究のため、
自宅に立てた研究用の鉄塔が、
老朽化のため取り壊されることになったという記事。
この男性(兄)は、
ザイルの強度実験に半生をささげたのだとか。。。
この本を読んでいなかったら、見逃してしまった記事でした。
自分の興味の無いものには、まったく目を向けない私なので、
たぶん、この本も、すすめられなければ、読まなかったはず。。。
いろんな世界があることを知れて、よかったな。。。。って思います。
この本をお勧めしてくださった夏みかんさん、どうもありがとう☆