![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/42/3db8b970832b415976b6adbc8d3168c0.jpg)
本書は、紛れも無く「シュタイナー教育」或いは「シュタイナー学校」について書かれた本である。教育に関わる者・子育てで学んでいる親・教師など志し、学んでいるものは興味を引くだろう。
んじゃ、もはやそうしたものと無縁な人は・・・といえば、関心の外に違いない。
もはや、外の僕が面白く(失礼!)どうなった~~・そうなの~~・大丈夫か~~と、興味津々で読んだ。
いやね、話はややデフォルメになるが・・・・!!!!
1・親子4人・子育ての新しい環境を求め、プラハに渡る。
2・日本の管理教育と、それをめぐっての子供の苦悩・子供と親のいさかい・親と学校に非和解的経過。
3・もはや、このままでは、家庭が崩壊すると感じた親(あくまで親な!)は、仕事も含めた生活基盤を捨てて、親子とも「言葉」さえままならない、異郷の地へ移住を試みるのである。
行きたくない子供。
子供の立ち振る舞いを嘆きつつ、頑固に「これでいいのだ!」「何とかしなければ!」と強引にプラハを目指す親。
関係する親戚や身内の、なんともいえない不安や、憤り。
そりゃ、疲弊著しいわが国の教育と、その学級は分からんでもない。
が、だからって、こりゃ「親のエゴ」だろう?
転校で、友達を失い、ぐれるなんて事例は沢山あるのだ。
生まれ育った、母国を離れる子供たちの、寂しさ・悲しさ・・
どうなったのだろう?
どうなって行くのだろう?この親子!!
この著者は、友人の友人で、何となく親しくなった、編集やライターなどを生業とする方である。
移住後、仕事での一時帰国の折など、一晩呑んだりして、消息はおぼろに認識していたのだが、その「詳細な移住敢行と、その後」が書かれているであろう、本新刊は、僕は、ズバリ、上記興味で、読んだのである。
こんなことで、子供はどうなる?!!!!!!!!!!!
いったい異国の暮らしは成立するのか?
子供たちは、守られるべき存在として「守られる」のか?
さらなる、空中分解など起きないのか??
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/07/9b4b7a59a7078f5b708dac100a60c31b.jpg)
学校・子供・親・・子育てをめぐる3者の葛藤・抗争・見失った「やり場」。
すべてをご破算にして、1からの出直しと、無謀にも「新天地プラハ」を目指した親子の、戻れない「大冒険」・なかなか賭けられない「人生」の「大賭け」!
どうなる?この親子!
これだ!と、信じた「価値観」を喪失し・「人間関係をつむぐ術」を失いつつあるように思うこの頃の日本人・「心さ迷う時代だな」と思う僕は、ぜひ、こんな興味でこの本を読むことをお勧めする。
是非、お手元に1冊!
さて、さて・・・
「教室にはまず先生が入り、生徒を迎える準備をする。日本の学校のように生徒がいる教室に先生が授業のために行くのではなく、先生のいる教室に生徒が授業を受けに行くわけだ。そこに生じる意識の差は思ったより大きいように感じる。」
「(息子は)自由であることのむずかしさも感じはじめることになる。なにをするにも自分で判断し、決定し、自分で実行しなければならない。そして、たとえそれがうまくいかなくても、だれのせいにもできないということにきずきはじめるのである。」
などなど、シュタイナーの教室の話も、教育などにもはや興味は無くても、大人と・子供(この分からない生き物・・よ!)・・の関わり、などとして読むと、なかなかです。
そして、
「日本を離れるいちばんの理由は、崩壊寸前の家族の再生にあったからだ。一か八かの賭けだったが、不思議とうまくいくように感じていた。そのためにはみんな同じスタートラインに立ったほうがよいのではないかと考えたのである。言葉はその最たるものだった。僕自身、チェコ語はまったく分からない。その分、家族が協力し合えるのではないか。頭の柔らかい子どものほうが習得する速度は格段に速いだろう。だから、わからないほうがかえってよいのではないかと思ったのである。」
と、一杯一杯だった、著者が、少しの安心を取り戻し、客観化して描写できていることに、友人として、ホッとしています。