飯塚訓氏の『 墜落遺体 御巣鷹山の日航機123便 』という本を読みました。
飯塚氏は日航機墜落発生事故時、身元確認班長として藤岡市民体育館等において遺体の身元確認を指揮した方です。
内容は、
第一章 出動命令
第二章 大量遺体
第三章 最初の遺体確認
第四章 悲しみの体育館
第五章 看護婦たちの胸の内
第六章 指紋、歯が語る
第七章 身を粉にした医師の仕事ぶり
第八章 遺体の引き取り
第九章 過酷な任務
第十章 極限の日々
第十一章 最後の最後まで
というものでした。
「単独飛行機事故では世界最大」という表記の元、犠牲者520という数のみで語られるこの事件を、遺族、そして事後処理に当たった多方面の方々の心情を中心に、記録することを目的とした本でした。
『報道されるのは、警察、自衛隊ばかり。看護婦の報道は無に等しかった。淋しかったがこれでいいのだと思った』という成田赤十字病院の看護婦さんのことばは、強く印象に残りました。
著者が語る『志望者の人数や自衛隊員、警察官、医師などの大量動員数を並べ立てても、真実は伝わらず、また残らない。情報というのは、悲しみとか、怒りとか、汗や涙がしっかりとこもっていなければならない』という言葉が重く感じられました。
今世界各地で紛争や災害が起こっています。
そこでは数字で処理してはいけない「人の生活」があるのだと、改めて考えさせられました。
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