日本スポーツ協会発行の『Sport japan』に今話題になっている「学校休日部活動の段階的地域移行」についての記載がありました。
「学校休日部活動の段階的地域移行」はスポーツ庁が2022年4月26日に出した提言で、学校運動部活動を2025年度末を目処に休日の活動から段階的に地域移行させるというものです。
現在の学校部活動には様々な課題があります。大まかに挙げてみると、
①生徒数の減少
②需要の多様化
③教員の負担増
などです。
『Sport japan』によると、
①1986年時の中学生が590万人に対し、現在は295万人(50%)。このことにより、特に集団競技でのメンバー確保が難しくなっている。
②先のオリンピックにの影響もあってか、ボードやボルダリング、ダンスなど従来学校部活動にない種目の人気が高まっている。
③運動部顧問(教員)の超過勤務時間は月平均110時間に達している(過労死のラインは単月100時間超、複数月80時間超)。かつ、運動部顧問のうち指導競技の未経験者は3割に及ぶ。
また、顧問の高齢化も無視できない問題といえそうです。
同誌には、部活動地域移行の解決策の一例として、香川県高松市の「カマタマーレスポーツクラブ」が紹介されています。
生徒達の多様なニーズに応えることを考えると、一つのスポーツクラブではほぼ不可能であり、地域に複数のスポーツクラブの存在が必要となりそうです。
現実問題、部活動そのものも生徒の希望に答え切れていないのですが、たとえ週に数日といえども地域スポーツクラブでカバーするのは難しく、それができるのは大都市圏に限られるのではないでしょうか。
また、顧問の先生方に話を聴いても、「今後は生活にゆとりのある家庭しかスポーツができないのでは」と危惧されている方が多いようです。
実際前述のスポーツクラブでも、週1回の活動で3ヶ月1万円程かかるようです。(傷害保険は含まれてません。別に部活動でも必要な用具、ウェアなどが掛かりそうです。)
先生方のボランティアに依存していた部活動(子どもの経験の場)は大きな壁に対峙しています。
指導者と指導空間の確保は喫緊の課題です。
多様化する生徒達の求めにもどう答えていくのか。
問題は山のようにありますが、このままではいけないことも事実です。
これからも考え続けて書いていきたいと思います。