前川喜平氏、児美川孝一郎氏の『 日本の教育、どうしてこうなった? 』という本を読みました。
道徳の教科化などという、個人の心の中に土足で入り込むような変革があったので、興味を持って手に取りました。
内容は、
1 日本の教育の「現在」はどうつくられてきたか ①臨教審とその後の展開
2 日本の教育の「現在」はどうつくられてきたか ②教育基本法改正から現在まで
3 教育における「新自由主義」の30年
4 連綿と続く教育に対する国家統制
5 教員政策と教職のゆくえ ①上からの管理と自主的な研修
6 教員政策と教職のゆくえ ②働き方の現実と教職の魅力
7 格差社会の中の教育
8 日本の学校はどこに行く?
これも対談形式の本でした。
「教育勅語」の復活を目指す勢力があるなど、教育界にも国家主義(右傾化?)の波が押し寄せているということが解りました。
平成18年「教育基本法」は改正されました。
そこには、憲法で謳っている「個人の尊厳」(1947年教育基本法でも柱になっていた)に代わり「国を愛する態度」「学校生活を営む上で必要な規律」など『個よりも全体』を重んじる価値観が前面に出てきました。
教育は、絶対に時の権力から不当な支配を受けてはいけません。
あとがきにあった、
『教育の閉塞を打ち破る闘いの拠点は、一人ひとりの教師の精神の自由にしか無いのである。』
という言葉が、強く心に響きました。