退職オヤジのひとりごと

退職オヤジが直面する新しい日々…感動か困惑か?
カオスの日々を綴ります

「併用制」と「並立制」

2021年09月30日 09時37分40秒 | 雑感


自由民主党の総裁が岸田文雄氏に決まりました。

今回の総裁選は、石破茂氏外しでもマスコミジャックの面でも元総理らの思惑通りの結果となったのではないでしょうか。

新総裁には、『 党の様々な意見を鑑みて・・・ 』などといってぶれまくり、傀儡とならないことを願っています。

 

 


話は変わって、先日のドイツ総選挙で感じたことがありました。


まず選挙制度ですが、ドイツの選挙制度は『小選挙区比例代表併用制』で、ニュージーランドでも採用されているものです。

 

日本の『小選挙区比例代表並立制』とは、似て非なるもののようです。

 


深く勉強してませんが、「併用制」はまず、比例代表で全ての政党別の議席配分を決め、各政党に配分された議席をその党の小選挙区で当選した者に優先して割り当てるようです。
つまり、直接選挙民に承認された者が当選者として議席を持つわけです。それでも余りが生じた場合に政党名簿に登載された候補者を補充して当選させることになります。

選挙民の信任を経ないで議席を持つのはその人達だけです。

 

しかし、日本の「並立制」では、政党名簿に登載さえされれば、選挙民に信任されなくても議席を手にできるのです。

つまり、日本ではいかに政党名簿の上位に登載されるかが大切で、その政党名簿は党執行部が作成するのでしょう。だとすれば、一部の名簿作成者に権力が集中するのも頷けます。


「併用制」「並立制」ともに長短ある制度とは思いますが、選挙民の信任なくして議席を得ることはいかがなものかと思います。


特に解らないのは、選挙民がNO!と判断した小選挙区での落選者が議席を得る『復活当選』です。

比例区の復活当選とは、小選挙区で否定された人に、党の判断で議席を与えること。
選挙区民の意思は踏みにじられているわけです。(誰がイイではなく、誰がイヤだの票もあるわけですから)


また、比例区の当選者割当数は、その地区の比例投票数で決まります。

政党に入れるのだから、これは全国区で良いと思います。

そうすると、人口の多い都市部の意見に偏重すると云う人もいますが、元々多数決の仕組みはそうであるし、民主主義は多数独裁主義ではないから、地方が等閑(なおざり)になるのは政党や議員の質の問題だと思うのです。


それに、小選挙区での一票の重みは断然地方のほうが大きいのだから、相殺されるとも考えられないだろうか。

(一票の格差は 衆院で2倍超は6選挙区:鳥取1区を1として、東京4、兵庫・神奈川各1選挙区)

 

 


選挙制度の改正は、当事者である国会議員が決めるようなので、利害関係が直接関わってしまいます。

大所高所からの改正はほぼ望めない状況ではないでしょうか。

 

せめて、第三者機関からの提言を公にして、国会での議論をしてもらいたいと思います。

これって、憲法改正より喫緊の課題だと思うのですが。

 


巨星落つ

2021年09月29日 14時25分18秒 | ニュースより


ゴルゴ13の生みの親、さいとう・たかをさんの訃報に接しました。

 

 


ゴルゴ13は、フィクションでありながら作画や社会情勢を取り込んだ作風は、ノンフィクションと見紛うばかりのリアルなタッチで、唯一無二の作品でした。

 


さいとう先生はデューク東郷のように不死身ではなかった・・・。

 


心より、心よりご冥福をお祈りいたします。

 

 


ドイツ総選挙

2021年09月28日 04時24分51秒 | ニュースより


ドイツで総選挙が行われました。
あれだけ国際的に評価をされていたメルケル首相は引退するようです。
首相が率いた「キリスト教民主・社会同盟」は第二党に後退しました。
それは、環境問題を前面に押し出した「緑の党」の躍進もさることながら、メルケル氏が進めた移民受け入れ政策が原因なのかも知れません。

 


メルケル氏は1954年生まれで、安倍元首相と同い年です。

この両者を比較してみました。
このことで今の日本が見えてくる気がしたからです。
(「イギリスしか知らない人はイギリスを知っているとは云えない」とイギリス人AETから教わったからです)


1.立ち位置。
  メルケル氏の発言は有権者を大事にしていることが節々に感じられる。

  安部氏は選挙の時だけで、それ以外は国民に向けての発信は極端に少ない。

2.一般政策。

  メルケル氏の政策は、その生い立ちからか自由を重んじる民主主義に根ざしている。

  安部氏の民主主義はアメリカ追従である。民主主義根幹の憲法を重視し改正することを謳っている割には、無理な解釈で憲法そのものを軽視している。
  (これもアメリカ追従がなせることか?)

3.外交政策。
     メルケル氏は自身の価値観を大切にしぶれない。

  安部氏はアメリカ追従で、アメリカがぶれれば「各国と調整し・・・」などと言ってぶれる。
    アメリカには何も言えない。

4.自身の失敗に対して。
  メルケル氏は国民に自身の失敗を公表し、理由を説明し改める。

  安部氏は失敗しない。(あくまでも自身の評価)

  メルケル首相わずか一日で撤回

5.権力へのこだわり。
     メルケル氏は自らの体調のためか、引退を決意した。

  安部氏は二度も自身の体調不良で総理職を投げ出したにもかかわらず、高市氏を要して院政を布こうとしている?

6.発言。
     メルケル氏の演説は、ことばがわからない私にも何かひしひしと伝わってくるものがある。

  安部氏の演説は、異論を廃絶するとともに嘘がある。

 ドイツのコロナ状況を説明するスピーチ

7.科学的な見地。
  メルケル氏は自身が科学者であるためか、学者のアドバイスは受け入れている。

  安部氏は、まず自身の価値観が在り、それに沿った御用学者の意見しか聞かない。

 

 


素人なりの見方で、誤解や不十分だったかと思うが、こんな感じでしょうか。


隣の芝生は青く見えるのかもしれませんが、世界が認めるリーダーとしてのメルケル氏から学ぶところは多いと思います。

 


ドイツと日本は「開戦国としての責任を背負う」点で似た立場にあったにもかかわらず、この差は何なのでしょうか。

 

 

もう少し考えてみたいと思います。

 


『自壊するメディア』

2021年09月25日 05時02分09秒 | 本を読みました


『自壊するメディア』という本を読みました。


望月衣塑子さんは『新聞記者』も読んでいるし映画も観ているので、その立ち位置は理解していましたが、共著の五百旗頭幸男さんの名前は初めて知りました。
五百旗頭幸男さんは、富山市議会の不正を追い続けた『はりぼて』で有名なドキュメンタリー映画監督です。

 


日頃から、「記者会見」で政治家とのやりとりに不満を持っていた私ですが、我が意を得たりと納得しました。


今、自民党総裁選挙の報道が蔓延していますが、本当に大事なのはその後に来る『 衆議院選挙 』です。

そして、選挙前になると『 公平 』の名の下に報道は緩くなり、現政権の正しい評価ができなくなることが目に見えています。

そんな緩んだ報道の元で、我々は何処に一票を投じるか判断しているのです。

 


今回この時期に読んだ『自壊するメディア』は、私ににはとても意味のあるものでした。

 


今日の安倍・菅政権の腐敗を生んだのは選挙民なのですが、その選挙民の判断材料を客観的に示すことができなかったメディア各社の罪は大きいと感じました。


これもお勧めの一冊です。

 


『権力は腐敗する』

2021年09月21日 15時16分41秒 | 本を読みました


『権力は腐敗する』という本を読みました。

著者は元文部科学事務次官の前川喜平氏です。


何かの記事でふと目にとまったのがこの本の目次でした。

第1章 安部晋三氏による国政私物化ー加計学園問題
第2章 私物化の継承と暗躍する官邸官僚
第3章 安倍・菅政権における政と官
第4章 人災だった全国一斉休校
第5章 奪われ続ける自由
第6章 主権者を育てる

表題に偽りなく、元次官だけあって内容がリアルで洞察が深い。
公教育に携わってきた自分にとっても、混沌としたモヤモヤを整理し理解を助けてくれた本でした。


古本屋で買った本と違い、内容がつい最近のことで『今』を考える上で大変参考になりました。

前に読んだ『日本会議の研究』とともに、選挙前に読んで本当に良かったと思えました。


一読をお勧めします。