退職オヤジのひとりごと

退職オヤジが直面する新しい日々…感動か困惑か?
カオスの日々を綴ります

参議院選挙で考えてみました

2022年06月29日 03時40分28秒 | 雑感


参院選を前に、若者の投票率の低さが話題になっています。

どうしたら投票率が上がるのでしょうか・・・?


今、投票率を上げるために行われている様々なこととはなんでしょう。

①争点を明確にする
②SNSの有効利用する
③ご褒美の配布する
④政治に関する家庭内での会話を盛り上げる
⑤投票の義務化(オーストラリア)
⑥web投票(エストニア)

などなど。

 

「投票しやすくする」とか「気運を盛り上げる」などは良いとしても、「義務化」や「ご褒美」はいかがなものか。

「政治に関する関心を高めるための導入」としては意味があるかも知れませんが、問題の本質には迫っていないと思います。

 

なぜ、政治に関心がないのか・・・。

 

私は教育環境の不備が大きな問題だと感じています。


教育こそ、最良の手段。

 

投票率が高いスウェーデンの現状を調べてみると、『学校選挙』というものがありました。

『学校選挙』とは、スウェーデンの国政選挙が実施されるたびに行われるプロジェクトです。
日本でいう中学生と高校生が主な対象で、実際の選挙に先駆けて生徒が投票を学校で行います。
(日本で行われている「生徒(児童)会役員選挙」とは違います)
もちろん投票は「模擬」なので実際の国政選挙に結果が反映されることはありません。
しかし、スウェーデン若者市民社会庁、スウェーデン生徒会連合、スウェーデン生徒会組合、欧州若者議会からのサポートを受けていて、スウェーデン全土で1629 校が参加しており、参加する生徒総数は46万5960人とのことでした。(2014年)


だから、30歳以下の政治家が日本の10倍近くもいるし、政党の青年部に所属している若者の数の多いのだと思います。

 

それでは日本の教育現場ではどうなのでしょう。

中学校 学習指導要領「社会(公民)」p.134『中学校社会科公民的分野の学習の流れ』の図には、『選挙』の文字は見当たりません。


高等学校 新学習指導要領(2022)「公民」のうち、『公共』に
「政治参加と公正な世論の形成、地方自治」については、地方自治や我が国の民主政治の
発展に寄与しようとする自覚や住民としての自治意識の涵養に向けて、民主政治の推進
における選挙の意義について指導する。「国家主権、領土(領海、領空を含む)」及び「我
が国の安全保障と防衛」については、国際法と関連させて取り扱う。「国際貢献」につい
ては、国際連合における持続可能な開発のための取組についても扱う。
とあります。


今、教鞭を執っている社会科の教師は、知識としての選挙制度は触れても、実際の選挙に迫る生々しい選挙教育はしていない・・・と感じました。

 

それは、国が戦前の反省を踏まえて、教職員の選挙運動を禁止しているからでしょう。
教職員等の選挙運動の禁止等について(通知)
https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/1417638.htm

教育公務員については、教育基本法等における教育の政治的中立性の原則に基づき、特定の政党の支持又は反対のために政治的活動等をすることは禁止されています。さらに、教育公務員の職務と責任の特殊性により、教育公務員特例法において、公立学校の教育公務員の政治的行為の制限は、国家公務員の例によることとされ、人事院規則で定められた政治的行為が禁止されています。また、公職選挙法においても、選挙運動等について特別の定めがなされているところです。
(学校の内外を問わずその地位を利用して特定の政治的立場に立って児童生徒等に接すること)

 

しかし、教育公務員のその地位を利用した政治活動と、政治教育とは全く別のモノでしょう。


その結果、祖父母も両親も政治教育を受けていない家庭で、政治に関する関心を盛り上げることには限界があるのではないだろうか。


日本社会の安定(災害時に大多数の国民がパニックや暴動が起こさないなど)は、国民性もさることながら、教育によるところが大きいと思っています。

 

教育環境の整備こそが、投票率を上げ健全な民主主義を支える近道だと思うのです。

 

国民の政治に対する無関心で得をするのは、一部不届きな政治家だけだと思います。

 

 


一票の重み

2022年06月23日 21時11分59秒 | ニュースより


あるニュースが目にとまりました。

 

2022年参院選、一票の格差は最大3.032倍 朝日新聞算出

https://news.yahoo.co.jp/articles/7e184e12cc4eb9f7ad9b332739211311926ba217

 

 


一票の重みが3倍(議員1人あたりの有権者:最多の神奈川県が96万5927人、最少の福井県が31万8534人)は、選挙前の努力でどうにでもなるのではないか。

3倍を合憲とした最高裁の判断(2019年参院選、2020年判決)はどうしても理解できない。


有権者の権利よりも、被選挙者を優先したとしか考えられない。


ここでも「司法」より「立法」の方が優位に立っているのだろうか?

 

 


長いタイトルの本(マンガ)を読みました

2022年06月22日 21時27分56秒 | 本を読みました


『 貯金すらまともにできていませんがこの先ずっとお金に困らない方法を教えてください! 』を読みました。(大河内薫著)

本といってもマンガ仕立てで、作画は若林杏樹さんです。

 

内容は

第一章 「貯金」じゃお金を守れない?
第二章 「税金と保険」でお金を守る!
第三章 「投資」でお金を守る!
第四章 投資信託 理解編
第五章 つみたてNISA 実践編
第六章 iDeCo 実践編
第七章 「日常に潜む罠」からお金を守る!

というものです。

 

これは、2000万円問題や人生100年時代と呼ばれている現役世代に向けたもので、「投資」でお金を守る・・・が中心でした。

年金生活者の自分には一寸合わない(手遅れ)ものでしたが、国が勧めている「投資」が少し解った気がします。


ポンジスキーム』という言葉を知りました。 注意しなくてはいけません。

 

特に印象に残ったのは、あとがきでした。

『アメリカの公共政策を分析した論文によれば、公共政策で費用対効果が高いのは、子どもへの教育だと解っています』


『経済協力開発機構が2018年に公開した資料によれば、小学校から大学までの教育機関への公的支出の割合は、資料内34ヶ国中で日本が最下位でした。』

というところ。

「人」こそ唯一の資源である日本の現状は、非常に残念でした。

 

著者は、日本にはお金の教育がないから、お金の教育を変えなくてはいけない・・・といってます。


これは、前に読んだ『武士道』にあったことと一致します。


倫理観を熟成させる宗教を持たなかった日本は、武士道がそれに取って代わった。

そして、武士は銭の勘定ごとと算盤は徹底的に嫌っていた。


そんなところが、諸外国に比べ貯蓄に対して投資の割合が低いことの原因なのかも知れません。

 

私にとっては、全く新しい世界の本でした。

 


核兵器禁止条約締約国会議

2022年06月21日 08時00分17秒 | ニュースより


第1回の核兵器禁止条約締約国会議がウィーンで開催されます。

 

唯一核攻撃をしたアメリカは参加しません。

そして、唯一の被爆国である日本も参加しません。

 

日本政府は『核兵器禁止条約について、日本政府はアメリカなど核兵器の保有国が参加していないことから核軍縮を目指すうえで現実的ではない』などとして、参加しない姿勢を明確にしています。


それでは、「現実的な核軍縮」とはどういうことなのでしょうか?
日本政府は、どうしようとしているのでしょうか?


まさか、核保有国をアメリカだけにして、そこから無くす方向に向かう・・・?


日本政府には「現実的な核軍縮」の実現のための青写真を示してほしい。

『現実的ではない』という名の下に、一歩も前に進もうとせず、その方向も定めていないことが腹立たしい。

 


6月13日現在、核禁止条約署名国は86カ国。

核保有国は署名していません。


世界の平和を脅かしているのは核保有国自身なのではないだろうか。・・・ロシアのように。

 

第二次大戦後、同じような立場だったドイツは、オブザーバー参加するようです。

 

唯一の被爆国日本。

 

日本政府には、いい加減アメリカの幇間のような立場を返上してほしいと思うのですが。

 


BUSHIDO The Soul of Japan

2022年06月19日 03時50分07秒 | 本を読みました


新渡戸稲造著の『 BUSHIDO The Soul of Japan 』の翻訳本を読みました。

訳者は岬龍一郎さんです。

 

内容は
第一章 武士道とは何か
第二章 武士道の源はどこにあるか
第三章 義 武士道の礎石
第四章 勇 勇気と忍耐
第五章 仁 慈悲の心
第六章 礼 仁・義を型として表わす
第七章 誠 武士道に二言がない理由
第八章 名誉 命以上に大切な価値
第九章 忠義 武士は何のために生きるか
第十章 武士はどのように教育されたのか
第十一章 克己 自分に克つ
第十二章 切腹と敵討ち 命をかけた義の実践
第十三章 刀 武士の魂
第十四章 武家の女性に求められた理想
第十五章 武士道はいかにして「大和魂」となったか
第十六章 武士道はなお生き続けるか
第十七章 武士道が日本人に遺したもの
というものです。

 

まず驚いたのは、この本の原文が英文で、日本という国を世界の人たちに理解して貰うために書かれたものだと云うことでした。

内容も、事毎に外国の文筆家や哲学者などのコメントを引き合いに出し、読み手(外国人)に理解しやすいように工夫されていたようです。

それでいて、武士階級における諸法度の説明にとどまることなく、その考え方(心)が一般庶民に広く伝わるに至った経緯など、今の私にも解りやすいものでした。


特に印象に残ったのは、
『商業は士農工商の職業分類上でもっとも下の地位に置かれていた。武士は…銭の勘定ごとと算盤は徹底的に嫌っていた。・・・権力と富の分離は、富の分配をより公平に近づけることに役立った。』『「私を生んだのは親である。私を人たらしめるのは教師である」との思いで教育が行われたとき、教師の受けた尊敬はきわめて高かった。』
でしょうか。

それ以外にも、「なるほど」と考えさせられるところが多い本でした。


もっと若いときに読んでおけば良かったと思わせる本でした。