今朝、NHKの「おやよう日本」を観ていたところ、『神戸連続児童殺傷事件』(「酒鬼薔薇聖斗」と名告った中学生による児童殺害事件)について、放送されていました。
内容は、その世間を騒がせた重大事件の事件記録(神戸家庭裁判所)が破棄されていたことに対する問題提起でした。
アメリカでは重大少年犯罪の記録は永久保存で、遺族や研究者には開示されています。
放送の中で南フロリダ大学の少年犯罪心理学の教授が
『記録を見ればその少年が、なぜこんな行動をとったのか、理解できる』
『情報があれば、犯行パターンがわかり、精神的な病理を理解できる』と言っています。
記録を社会の財産とし、研究や教育に生かされているということでしょう。
Wikipediaによると、
2022年10月、神戸連続児童殺傷事件の記録について、神戸家庭裁判所は保存期間満了後に2項特別保存にせず、2011年にすべての記録を廃棄していたことが報道機関の取材により発覚した。
廃棄された理由・背景
廃棄担当は特別保存に該当する記録だと考え、所長を含む複数の管理職に相談したものの所長は特別保存の有無の検討をする立場にいると認識しておらず、判断を示さなかった。そのため自分で判断しなければと考え、
特別保存されたものではないこと
保存期間から2年経過していること
保存期間中に廃棄を止めるような事が起きていないこと
少年事件は一般事件と異なり非公開なため記録を使うことがないと思ったこと
記録を保存庫が狭かったなどの理由から合理的に判断し保存の必要性がないこと
などの理由から廃棄の手続きを進めた。
そのため、本記録の2項特別保存にするか所長に意見や判断を経ることなく廃棄がされた。
裁判記録の不当な破棄は、それ以外にも数多くあるようです。
裁判所記録廃棄問題
昔と違って、今は写真に撮りデータとして保存できるから、全部保存することは可能ではないだろうか。
例えば、1 TB のSSDには、おおよそ下記のデータを保存することができます。(ちなみに値段は12,000円弱です)
1,200 万画素のデジカメで撮影した写真 25 万枚
映画 250 本または HD 画質の動画 500 時間分
Office ファイル、PDF、プレゼンテーション形式で保存されたドキュメント 650 万ページ分
書類用のファイル キャビネット 1,300 台分相当です。
「記録の保存・検証」から「過去の政策の評価」をするなど、記録こそ未来に残すべき財産ではないかと思うのです。
ちなみに、「公文書等の管理に関する法律」があるにもかかわらず、自衛隊イラク派遣の日報の隠蔽や、森友問題の公文書改ざん、桜を見る会の名簿の破棄など、
仮に法律があっても、守る気がないスットコドッコイもいるようですが・・・。