矢部宏治氏の『 日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか 』という本を読みました。
氏の著作は「知ってはいけない日本支配の構造」「戦争をしない国 明仁天皇メッセージ」「本土の人は知らないが沖縄の人はみんな知っていること」「日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか」に続く5冊目となりました。
内容は、
はじめに
PERT1 沖縄の謎ー基地と憲法
PERT2 福島の謎ー日本はなぜ、原発を止められないのか
PERT3 安保村の謎①ー昭和天皇と日本国憲法
PERT4 安保村の謎②ー国連憲章と第二次世界大戦後の世界
PERT5 最後の謎ー自発的隷従とその歴史的起源
あとがき
著者自身による解説ー五年前の私への報告
前回読んだ「日本はなぜ戦争ができる国になったのか」と同様、地位協定に代表される「日米間の不平等な関係」について、アメリカ国立公文書館の資料を基に執筆されたものです。
毎回、特に忘れたくない部分に貼る付箋ですが、この本も多数必要となりました。
印象に残ったのは、
①砂川裁判より日本の司法が行政の決定に立ち入れなくなってしまったこと。
②ジラード事件に対する裁判の過程。
③大西洋憲章とポツダム宣言の関係。
④「国連」と「連合国」は英語では同じであるということ。
⑤国連憲章第53条(いわゆる敵国条項)は日本とドイツを対象にしていること。
⑥日本同様「敵国」であったドイツの独立に向けての外交努力。
⑦フィリピン共和国憲法第二条(戦争放棄条項)、第十八条(外国軍基地撤廃条項)
⑧マイロ・ラウエル陸軍中佐の「日本の憲法についての準備的研究と提案」というレポートにおける日本社会の問題点の指摘。
などでしょうか。
「原発」についてよりも「日本国憲法」に関する考察が強く印象に残りました。
特定の考え方に傾倒するわけではないですが、もう少し氏の著作を読んでみたいと思いました。
とてもためになる本でした。