NHKの番組『クローズアップ現代』を見ました。
テーマは「“命の法律”が守られない 岐路に立ついじめ対策」です。
今月28日に施行から10年の節目を迎える「いじめ防止対策推進法」が、機能しているかをレポートしたものでした。
特に印象に残ったのは、話し合いの場で(いじめた側)のある父親が、自殺未遂で足を怪我した子(被害者)に対して、「飛び降りたのは自分の意思だろう」と発言をしたことです。
これは、いじめとされる事案を共に考えていこうとするのではなく、責任の追及の場となっていることが原因と思えます。
対象者が集団の中で少数派(弱者)で有ることを考えると、車と歩行者の事故のように、たとえ歩行者に落ち度があったとしても車側に前方不注意という責任が課せられることを考えれば、この父親の発言は相手の立場を全く理解していないものと云えます。
責任ではなく原因を突き詰めたい。
この法律が現場に対するもので、学校と教育委員会と行政が周知するように求められていますが、一般家庭がこのことを知らねば意味がないと思う。
教育は学校と社会と家庭で行われるものだからです。
自分の経験では、初動対応の悪さと、第三者という立場に立ちたがる教員の意識と、学校は当事者であるとみている被害者側の意識との乖離が、双方の関係をこじらせ問題解決を遅らせる気がします。
国は教員の負担軽減を声高に叫んでいますが、予算面での裏付けがなく絵に描いた餅になっている部分も多いです。
今回の「スクールロイヤー」や部活負担軽減のための「外部指導者」などもその例に挙げられそうです。
(番組ではスクールロイヤーという法律の専門家が客観的立場で学校職員にアドバイスすることで効果を上げている沖縄の例が挙げられています。)
ここで、自殺者の人数と年代別の割合について調べてみました。
2018年度 自殺者総数 と 10万人当たりの人数
10~19歳 599 5.3
20~29歳 2154 17.2
30~39歳 2596 17.8
40~49歳 3498 18.6
50~59歳 3575 22.3
60~69歳 3078 18.1
70~79歳 2998 19.8
80歳以上 2290 20.7
年齢不詳 52
総数 20840 16.5
10代の自殺者の割合が少ないことに安堵しましたが、逆にそれ以外の年代でかくも多くの人が自死を選択していることにショックを受けました。
日本はいつからこんなに住みにくい国になったのでしょう。
そして、このことについて国は真剣に取り組んでいるのでしょうか。
何兆円も使って敵国攻撃能力を整備すると云っていますが、本当の敵国は『JAPAN』なんて洒落になりません。
色々考えさせられる番組でした。