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PAP-JAPAN代表、川井眞理のお仕事(以外もてんこ盛り)日誌

『ドキュメント高校中退』読了

2009-11-24 | こども周辺
最近、いろんなメディアで貧困、特に子どもの貧困や貧困の連鎖が伝えられるが、この本はその結果ともいえる、子どもたちの高校中退の実態と彼らを取り巻く家庭や学校の状況を丹念にルポしたもの。

著者が今年3月まで勤務していた埼玉の県立高校と、中退者数が全国トップの大阪の府立高校での中退の実態が詳細に報告されていて、実数は文科省報告よりもはるかに多い。

中退者の学力の低さは時々聞いていたが、この本によると、高校で中退する子どもたちのほとんどは既に幼児期から親(を含む大人)たちにまともに保護されておらず、ネグレクト(育児放棄)も日常茶飯事。

睡眠や着替え、身体を清潔に保ったり、家族で食事をするという文化的な生活を送るための基本的な生活習慣を持っていないことが、長じるに従い、大きな学力差につながるという。

実は、いずれ社福士資格を取るとして、今のキャリコン資格とどう組み合わせて仕事をすれば自分らしさが出せるのか、自分なりの活動分野を探る目的もあって読み始めたのだが、結果は出ないまま。
まだ絞らずにいろということかもしれない。

゛眠りをなめたらあかんぞ!゛メッセージを聴いた

2009-01-10 | こども周辺
母もそうだったし、私も今まで自分は夜型の人間だと固く信じて来たのだが…。

本日小児科医のT先生から興味深い話を聴いた。
NHKの5年に一度の調査によると、1960年から2000年まで日本人の平均睡眠時間はどんどん減少し、2005年にやっと下げ止まったとのこと。
もちろん、2010年にどうなっているかは誰にもわからない。

1960年に8.1時間だったのが2000年には7.4時間に。
特に、日本人は子どもも含めて平均睡眠時間が諸外国と比べて非常に短く、中学生で特に短い(スッキリ起きられない)という結果が顕著になった。

3~5歳の幼児の平均的ライフスタイルは、夜9時就寝、朝6時起床だそうだが、外国の幼児はもっと寝ているそうだ。
つまり、日本の幼児が大人の都合で遅くまで起こされているという事実!
(確かに深夜、赤ん坊を乳母車に乗せて連れ歩いている若い親をコンビニや居酒屋で見かけることも珍しくはない)

最近の脳科学では睡眠が脳に重要な機能を果たすことがわかっており、ヒトは睡眠不足になるとネガティブな感情の抑制がきかなくなり、神経質になり、ちょっとしたことでイライラするようになり、記憶力も悪くなる。だから睡眠は非常に大事である…。

と、この辺まで聞いたところで私の頭をよぎったのは、最近、子どもはもちろん、大人も非常にキレやすくなり、自己中で、ちょっとしたことにもすぐに激高するタイプの人が増えているという報告があちこちでされているが、この大きな原因の一つが睡眠不足や睡眠リズムの乱れから来ているのではないかという疑問だ。

子どもを健全に育てるには食育や栄養、勉強や運動も大事だが、その前にもっともっと大事な睡眠を整えた方が、目的に叶っているのではないか?
そう思って改めて考えると、睡眠不足や睡眠習慣の視点から切れやすい子どもや大人を扱った書物はまだ見たことがない。(ナゼ?)

子どもに正しい睡眠習慣をつけることは非常に重要だそうで、そのためには親は子どもが何時に寝て起きているかをしっかり把握すること。
その上で、以下が重要という。
1.早寝早起きの習慣をつける。
2.週末も規則正しく就寝する。(夜更かし遅起きをしない)
3.昼間は陽を浴びて運動する。
4.夜は明かりを消す。(外出しない、コンビニ等に子どもを連れ出さない)
5.寝る前にテレビ視聴やパソコンをしない。(脳を刺激しない)
6.激しい運動をしない。
7.寝る間にカフェイン入りの飲み物を摂らない。

子どもだけが対象と思わず、大人も直せるものなら直した方が良い睡眠習慣。
夜型人間を標榜している場合ではないような気がしてきて反省しようと思った。