Peace!!の建物を綺麗にする作業が想像以上に大変で、しかし、長いことお世話になった場所だけにきちんとしておきたいので、片付けの日々でした。
後はガスや電話を止めれば目処がたつかな~という所です。
逢坂冬馬さんの、'同志少女よ敵を撃て' 読みました。
本屋大賞受賞の挨拶で、暴力が大嫌いで、最もひどい暴力である戦争を描きたいと思ってきた。と話していたのが心に刺さりました。
戦争は良くない、人殺しはしてはいけない、とどれだけ訴えてもやまないこの世界。
緻密に練られた小説のなかで、ソ連軍狙撃兵の主人公が葛藤し続けるのを読むと、戦争にはどこにも善はないし、でも一兵士たちはただ、生きていくしか術がないんだ。と思い知ります。
この小説の中で、性犯罪が取り上げられます。いま、ウクライナでもロシア軍による性犯罪がされているのではないか、と言われていて、事実ならば決して許してはいけない事です。
でも、'同志少女‥'を読んだ後でこのニュースに触れた私は、「本当にレイプがしたくてした人ばかりだろうか」と思ってしまいました。
作品中で、兵士が「性暴力に加わらないと、隊の中で居場所がなくなるのだ」と話すシーンがあります。皆で性犯罪をすることで士気を高めているのだと。
どう考えても間違っていますが、暴力の渦に巻き込まれた戦争の最中に、一個人の正義感だけで暴力を振るうことから逃れるのには並々ならぬ覚悟がいる、というか普通の人には無理です。
戦争からも生き延びなければならないけれど、軍という社会の中でも生き延びなければならない。
人を殺してはいけない、という究極的な道徳が歪んでしまっている場所が戦争なんだ、ということを、強く感じた一冊です。
'戦争は女の顔をしていない'の文庫版を持っているのですが、友達がコミック版をくれたので読みました。
コミックになった時に、「この作品が漫画になるのか!」とすごく話題になっていましたけど、アレクシェーヴィチのルポの雰囲気を損なわずに、漫画になっています。
下着すら与えられない軍隊で戦い抜いた女性たちが、戦争が終わるとたちまち男からも、女からも疎まれるという現実。男が作り上げる歴史に描かれない話がここにはあり、これこそが戦争だ。と思います。
知らせています。