尾高忠明芸術監督の「目利きの良さ」が主要3役全てが「ワーグナーのフルボリューム」で歌い上げられた「さまよえるオランダ人」
「オランダ人」「ゼンタ」「エリック」の主要3役全てが圧倒的な声量と正しい音程の持ち主で、5年前の新演出時よりも遥かに質の高い上演となった新国立劇場「さまよえるオランダ人」再演。前回と比較すると
オランダ人 = エフゲニー・ニキティン
ゼンタ = ジェニファー・ウィルソン
エリック = トミスラフ・ムツェック
指揮 = トマーシュ・ネトピル
ダーラント = ディオゲネス・ランデス
舵手 = 望月哲也
と「同一キャストの竹本節子」以外の全てが初演出時を上回っていた「驚異の再演演目」となった。
・・・のだが、
マティアス・フォン・シュテークマン 演出が「合唱に録音を使用」の上、ハウリングを起こすほどの大音響再生するので、感銘は薄い!
も事実。この大バカタレ演出家 = マティアス・フォン・シュテークマン に来シーズンの「ローエングリン」演出を任せることが既に決定だが、またまた「録音を大音響でハウリング起こしながらの再生」を聴かされるのだろうか? 「ローエングリン」も合唱が非常に重要なオペラなので、大いに懸念される次第である。これだけは避けてくれよな > 新国立劇場
他に気になった点は、ネトピル の指揮。「完全な歌伴指揮者」でソリスト陣に「付けて行く」のはうまいのだが、器楽部分での「テンポの切り替え」が定まらない。さらに「打点が不明瞭」なので、テンポの変わり目で「ズレ」が度々生じていた。前回指揮者よりも良いのだが、新国立劇場「さまよえるオランダ人」は指揮者には恵まれない演目である。
いろいろと課題は抱えているものの