2曲目は、古川展生(チェロ) + 小森谷泉(ピアノ) でアルペジオーネ・ソナタD821。演奏スタイルがガラッと変わり、古川のチェロは「ピアニストが右ペダルを踏んだ」ようにチェロを歌わせる。例えば第1楽章第13小節の3拍目の8分休符を休まずに歌わせる。その結果、ピアノが第4小節で呈示した主題が「より歌い上げられる形でのチェロの確保」になる。古川の魅力は「美しい音色」を駆使してロマンティックな曲調を滑らかに綴って行くことだ。テンポは大きく揺らす。デュナーミクはフォルテも「美しい音色の範囲」に抑え目。ピアノ方向も「充分に響きを保てるところまで」で絞り方は少なめ。テンポの揺れが大きいので、「3楽章のソナタ」と言うよりも(後半は序奏付きの)「2つの性格的中品」の感触。小森谷泉のピアノも古川に合わせての音量なので、曲のスケールがヴァイオリンソナタ第3番の方が大きく聴こえたが、これは私高本には意外だった。
休憩を挟んで、プログラム後半は ピアノ3重奏曲D929。ヴァイオリン+チェロ+ピアノ のトゥッティで開始される シューベルトの大規模な「ソナタ楽曲」の中でも最も雄大な構想で作曲された中の1曲として有名だが、「シューベルトの大きな構想力」を見事に聴かせてくれた演奏だった。
であり、テンポは「基本テンポ」が推進力を保って、「ベートーヴェンのピアノ3重奏曲やヴァイオリンソナタの規模を大巾に上廻る大作」を構築して行く。(ベートーヴェンに限らず、後世のメンデルスゾーンやブラームスやチャイコフスキーなども含めて「ピアノ3重奏曲」分野でシューベルトよりも大規模な曲を作曲した人は皆無!)
演奏する「稿」が問題になることが多い曲の1つだが、「初版楽譜 = 改訂版」で演奏され、「引き締まった終楽章」を実感。できることならば、変ロ長調の方のピアノ3重奏曲(D898作品99)も是非是非 小森谷巧 + 小森谷泉 の組で聴いて見たいモノだ。
小森谷巧 の演奏活動は極めて活発。
ここだけの話だが、3/10は先にこの演奏会を知っていたら、(佐伯周子のリストを外して)聴きに行ったかも知れない。多摩川向岸で晴れていれば自転車で行けるホールじゃないか!(泣
サンサーンス「動物の謝肉祭」オリジナル版は演奏頻度が意外に少ない曲。(大型オーケストラ版の方が多い、印象) 名手 小森谷巧 で聴けるのがわずか数キロ先で・・・
ヴィヴァルディ & バッハ & テレマン「協奏曲」は、小森谷巧 と 読響ファゴット首席の 吉田将 が独奏を務める。『アンサンブル de ヨコハマ』の定期演奏会。小森谷巧 が「弾き振り」というよりも「リーダー」を務める、と言った方が良いのかも知れない。
「後期シューベルトの名作」を堪能した ピアノ3重奏曲変ホ長調作品100 D929
休憩を挟んで、プログラム後半は ピアノ3重奏曲D929。ヴァイオリン+チェロ+ピアノ のトゥッティで開始される シューベルトの大規模な「ソナタ楽曲」の中でも最も雄大な構想で作曲された中の1曲として有名だが、「シューベルトの大きな構想力」を見事に聴かせてくれた演奏だった。
小森谷巧 + 小森谷泉 兄弟が骨格を作って行き、古川展生 が呼応して行く演奏
であり、テンポは「基本テンポ」が推進力を保って、「ベートーヴェンのピアノ3重奏曲やヴァイオリンソナタの規模を大巾に上廻る大作」を構築して行く。(ベートーヴェンに限らず、後世のメンデルスゾーンやブラームスやチャイコフスキーなども含めて「ピアノ3重奏曲」分野でシューベルトよりも大規模な曲を作曲した人は皆無!)
演奏する「稿」が問題になることが多い曲の1つだが、「初版楽譜 = 改訂版」で演奏され、「引き締まった終楽章」を実感。できることならば、変ロ長調の方のピアノ3重奏曲(D898作品99)も是非是非 小森谷巧 + 小森谷泉 の組で聴いて見たいモノだ。
小森谷巧 の演奏活動は極めて活発。
3/10(土)に サンサーンス「動物の謝肉祭」オリジナル版など、3/13(火)に ヴィヴァルディ&バッハ&テレマン「協奏曲」
ここだけの話だが、3/10は先にこの演奏会を知っていたら、(佐伯周子のリストを外して)聴きに行ったかも知れない。多摩川向岸で晴れていれば自転車で行けるホールじゃないか!(泣
サンサーンス「動物の謝肉祭」オリジナル版は演奏頻度が意外に少ない曲。(大型オーケストラ版の方が多い、印象) 名手 小森谷巧 で聴けるのがわずか数キロ先で・・・
ヴィヴァルディ & バッハ & テレマン「協奏曲」は、小森谷巧 と 読響ファゴット首席の 吉田将 が独奏を務める。『アンサンブル de ヨコハマ』の定期演奏会。小森谷巧 が「弾き振り」というよりも「リーダー」を務める、と言った方が良いのかも知れない。