Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

2012.03.02 小森谷巧+小森谷泉+古川展生 シューベルトの夕べ 批評 前編(No.2012)

2012-03-06 20:30:02 | 作曲家・シューベルト(1797-1828

圧倒的な感銘を受けた 小森谷巧 + 小森谷泉 シューベルト:ヴァイオリンソナタ第3番ト短調D408


 今年1月にヴァイオリンは同じ 小森谷巧 で、ピアノが 今川映美子 で、名演を聴いたばかりの シューベルト : ヴァイオリンソナタ第3番ト短調D408 で「さらなる上を飛翔する演奏」にわずか2ヶ月で出会えるとは思ってもいなかった。
 冒頭のトゥッティのフォルテ直後の第4小節の ピアノ=小森谷泉 の「ピアノ」の美しいこと! 第18小節からのヴィオリンのトレモロの中でピアノが奏でる第2主題の「(強弱の)ピアノの足取り」楽しげなこと! 呈示部終結ではこのソナタ唯一の「pp(ピアニッシモ)」が(勿論ヴァイオリンには弱音器も付けずに)はっきりと誰の耳にもわかるように「囁く」。第1楽章に限らず全4楽章が「繰り返し指示」に従ったが、唯一

シューベルトヴァイオリンソナタ第3番ト短調D408第3楽章メヌエット主部終結の第37-38小節を「トリオへの進行」の際だけ省略して、トリオ後再現時のみ演奏、は初めて聴く解釈!


 ベーレンライター新シューベルト全集の校訂報告にも掲載されていないので、私高本には「それ以降の最新情報」は全くわからない。効果抜群だったことはここに記す。終楽章は「シューベルトがソナタで初めて完成したソナタ形式終楽章」だが、『力感みなぎるシューベルト像』が見事に描かれた。小森谷巧 は先日の 今川映美子 との共演時を凌ぐ名演を聴かせてくれた。これは、経験を積んだ蓄積なのか? 兄との共演は遺伝子が共通していて感受性がより近いからなのか? はわからない。過去に何度も聴いた曲で「ソナチネ」とも呼ばれる曲が(後期作品の長さこそまだ持っていないが)集中力の高い名作の名演であることを聴けた喜びは何にも代えがたい。(以下、後編に書きます)
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